風の万里 黎明の空(下)十二国記 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649995

感想・レビュー・書評

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  • 人は誰の奴隷でもない。そんなことのために生まれるのじゃない。他者に虐げられても屈することのない心、災厄に襲われても挫けることのない心、不正があれば糺すことを恐れず、けだものに媚びず、ー私は慶の民にそんな不羈の民になってほしい。己という領土を治める唯一無二の君主に。そのためにまず、他者の前で毅然と首を上げることから始めてほしい。

    陽子だからたどり着いた初勅に、心も目頭も熱くなりました…これこそ、私が思う、こうでありたい姿。上下あわせて709ページの間に、陽子も鈴も祥瓊も自尊心を手に入れた。一緒に旅した読者として、一人取り残されてしまわないように、私もしっかりしなくては。

  • どんどんストーリーに引き込まれる下巻。

    3人の変化は、見ていてとてもすがすがしい!

    周りの人の顔色を窺って何もできなくなったとき、
    自分の境遇を人のせいにしたくなったとき、
    自分の不幸を嘆きたくなったとき、
    この本を手にとって読み返したい。

  • 第一巻「月の影 影の海」では、ただただ流れに身を任せ途方に暮れながら歩いていた少女が、これほどまでに毅然と立ち、自分の力で考え抜いて、政に向き合っていける一人の王になるとは。さりげなく助けてくれる先達や、信頼できる仲間や師、いいチームが出来上がっていくのも気持ちいい。
    経験の浅い若い主君の成長物語として、筋はさもありなん、というものではあるけれど、本当に読み応えたっぷりで面白かった。

  • 後半は予想通りの流れを辿るものの、陽子が王の資質を備えていることを読者に納得させるものでした。

    戦闘の描写などは特に難しいと思うのですが、表現力に脱帽。
    脳内で映画でも見ているかのような感覚でした。
    先が読みたくて目が文章の上を滑りましたが…笑

    鈴も祥瓊も大人になったなぁと、しみじみ。

  • 2021年1月22日
    ハラハラドキドキ。
    スピード感もある。
    16歳にしてこの責任感、すごいよ。
    鈴やしょうけいが変わっていくところも楽しかった。
    ただ漢字多すぎ。
    途中で名前が読めなくなる…
    中庭なども普段使わない難しい字になっていて読むのが大変。

  • ついに少女たちが集まり巨悪に対するときが来た。祥瓊と鈴の名乗り方がなんか水戸黄門みたいだった。
    最後の陽子の毅然とした態度がかっこよかった。

  • 景王に会いたくて。同じ年頃の女王だから。たどり着く人は同じでも、その動機はそれぞれの祥瓊と鈴。その人が景王・陽子と知らずにそれぞれにすれ違っていた。それぞれに出会った人たちは思惑や企みを胸に潜め、その時期を図っていた。女王なんてと陰口をたたく民もいれば、権力や理不尽に屈することなく機会を伺っていた辛抱と意志の強い民もいるわけで。至らない王で…で口にしていた陽子は、景王・赤子としてようやく歩みはじめる。

  • 20年ぶりくらいに再読。
    上巻でてんでダメだった2人が、
    見違えるほど成長する下巻。
    非常にスッキリする大どんでん返し、3倍返し!

    きっと実際の政治からみたら机上の空論に違いないのだけれど、さまざまな立場からみた正義、道理を通すこと、あらゆることを考えさせるな、十二国記は。

    しかし、十二国記の世界では、子どもを産むことはないのではないので女子も働くとあるけれど、
    ちょいちょい女だからっていわれる描写がある。
    これ描かれた最初の時代は、男女雇用機会均等法施行から10年経ってないんだよね。24時間働けますか時代で、トレンディードラマ全盛だし、当時をふと考えると今とちがいすぎてびっくりする。
    だけれどこの物語の軸は、むしろ今読んだ方がしっくりくるくらい、当時の空気が残ってなくて不思議な気がする。

  • 再読。10月に十二国記シリーズの新作『(白銀の墟 玄の月 (しろがねのおか くろのつき)』が発売。三人の少女に気持ちの変化が現れる。初読の時より、響いてくるものがあった。

  • この巻は、ごくつぶしの一角の「和州止水郷郷長昇紘」の地元で、一人の無垢な少年がひき殺されたが、周りの人たちが何にも言わなかったとこから始まる。
    そして、その中でもどうにかしたい人たちがいて、その人たちが反乱を起こした。その中に国主でもある「中嶋陽子」が加わり、終盤に国主しか動かす「禁軍」が来たため、「中嶋陽子」は台輔でもある「景麒」を呼び出し、背中に乗って禁軍左軍将軍「迅雷」の所へ行き、本来の目的を「指示」して、本来の敵も捕らえて解決した。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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