バルト テクストの快楽 (現代思想の冒険者たち 21)

  • 講談社 (1996年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (350ページ) / ISBN・EAN: 9784062659215

みんなの感想まとめ

作品は、ロラン・バルトの思想を「読者」として体験するスタイルで解説しています。著者は、バルトが自らの思想を語るのではなく、他の作家たちの作品を通じて享受する楽しみを強調しており、その姿勢を反映させる形...

感想・レビュー・書評

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  • 「読者」としてロラン・バルトの思想に接するというスタイルで書かれた解説書です。

    バルトの「思想」を解説するというふるまいは、それじたいが矛盾をはらんでいるように思えます。なぜなら、バルトはみずからの「思想」を主体的に語るのではなく、ミシュレやブレヒト、バルザックといった作家たちの作品を「読者」として享受することのたのしみを、その文章を通じて示してきたからです。そのようなバルトの解説書をしるすにあたって、著者はバルトに代わってその「思想」を語るのではなく、バルトとともに「読む」ことにそくして、テクストの快楽を享受することのありかたを示そうとしています。

    本書の冒頭付近でとりあげられるのは、母親に抱かれる幼いバルトの写真です。『明るい部屋』でバルトが言及しているこの写真は、楕円形の鏡に映る二人のすがたを撮影したものと思われますが、写真のなかの自己について「これがお前だよ」と語るバルトの志向は、鏡面で折り返されて自己のうちにその軌跡をえがきます。そして、ラカンのいう「鏡像段階」における想像的な自己の成立という出来事は、テクストを読むという営みのなかで何度も反復されることになります。仮にバルトの「思想」と呼べるものがあるとすれば、それはテクストを読むというバルトのふるまいが鏡面で折り返され、その志向のえがく軌跡が彼自身のうちにのこした痕跡のようなものであるはずです。

    著者は、バルトのミシュレ論、ブレヒト論、バルザック論などを読み解くことで、反復された軌跡をたどる試みをおこなっています。

  • フランス文学風味の詩的な文章。
    バルトと女性。フェミニンなもの。
    S=女性、Z=男性。
    アンシダン

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著者プロフィール

評論家、詩人。ランボー、村上春樹論等で活躍。2009年『ランボーとアフリカの8枚の写真』など一連の紀行により藤村記念歴程賞受賞。
『ゆるゆる人生の歩き方 金子光晴の名言から』(言視舎) 『テロの文学史』(太田出版)ほか著書多数。

「2020年 『笑う桐野夏生 悪を書く作家群』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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