クレーの天使

  • 講談社
4.05
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感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (64ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062663694

作品紹介・あらすじ

45点の絵と18編の詩が奏でる二重奏
響きあう絵とことばの贈りもの
目覚めておいで、心にひそむ天使たち
前作『クレーの絵本』に続く待望の書き下ろし

感想・レビュー・書評

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  • 黑の線描、あるいは数色の彩色での天使。何という天使であろうか!美しくもあり、清らかでもあり、悲しくもあり、おかしくもあり、奇妙でもあり、楽しくもあり、いたずらっぽくもあり、なんでこんな絵が描けるんだろう。谷川俊太郎の詩は相変わらずどうでもいいのだが、後書きだけは優れた散文詩になっているよ。確かにクレーのことは分かっているんだろうな。

    • goya626さん
      りまのさん
      ふふふ、女房に「生きる」のことを話したら、古い詩でしょ、当時はよかったんだよ、今読むと古臭いしだっせいという感じだね、とのこと...
      りまのさん
      ふふふ、女房に「生きる」のことを話したら、古い詩でしょ、当時はよかったんだよ、今読むと古臭いしだっせいという感じだね、とのことでした。まあ、人それぞれです。谷川俊太郎がお好きだったら、ごめんなさい。「世界の名詩を読み返す」いいですよ。「日本の名詩を読み返す」もよかったですよ。
      2022/09/29
    • りまのさん
      goya626さん
      なんということ!
      「日本の名詩を読み返す」を、ごやさんの本棚から見落としていました。この本も、さっそく書店注文しようと思...
      goya626さん
      なんということ!
      「日本の名詩を読み返す」を、ごやさんの本棚から見落としていました。この本も、さっそく書店注文しようと思います。
      とにかく 良い詩を、たくさん読みたいのです。
      教えていただき、ありがとうございます!(•ө•)♡
      2022/09/29
    • goya626さん
      りまのさん
      いい本ですよ。高橋順子さんの解説もさすがです。
      りまのさん
      いい本ですよ。高橋順子さんの解説もさすがです。
      2022/09/29
  • 図書館で借りてきましたが、この本は欲しい!
    手元に置きたい本です。本屋さんに注文しよう。

    クレーの絵は大好きです。天使の絵の中では、やはりこの本の表紙絵の 忘れっぽい天使 が好き。とてもかわいい。でも その絵につけられた 谷川俊太郎さんの詩は かわいい なんてものではない。

     忘れっぽい天使

    くりかえすこと
    くしかえしくりかえすこと
    そこにあらわれてくるものにささえられ
    きえさっていくものにいらだって
    いきてきた

    わすれっぽいてんしがともだち
    かれはほほえみながらうらぎり

    すぐそよかぜにまぎれてしまううたで
    なぐさめる

    ああ そうだったのかと
    すべてがふにおちて
    しんでゆくことができるだろうか

    さわやかなあきらめのうちに
    あるはれたあさ
    ありたちはきぜわしくゆききし
    かなたのうみでいるかどもははねまわる


    泣いている天使 の絵も すきです。
    天使というよりむしろ鳥 は、絵も好きだけど、タイトルが素敵。こんな詩がついています。


     天使というよりむしろ鳥

    なんでもしってるおとななのか
    むじゃきなこどもなのか

    つばさはどろだらけで

    きのうモーツァルトのソナタの
    すみっこにいた
    きょうゆうやけぐものうえに
    ちょこんとこしかけていた

    おんなでもおとこでもないにおい

    としおいたきのねんりんにまぎれ
    こいぬのひとみにひそみ

    かくれんぼしていた
    あのてんし


    天使の絵につけられた詩で、ドキッとするものもありました。


     用心深い天使

    ほほえみでつたえることができるとおもった
    だまっていても

    それができないとしって
    なぐった
    なんどもなんども

    いいわるいはしらない

    あしのしたにたんぽぽのはな
    あたまのうえになにがあったのか

    したにあるものをふみにじり
    うえにあるものにあこがれて

    いいわるいはしらない

    てんしはいつだってめをそらした


    、、、哀しい詩もあります


     現世での最後の一歩

    うえて
    かわいて
    しにかけて

    よこたわるひとりのおんな
    やけつくたいようのもと
    どこまでもつづくすなのうえ

    かたわらに
    うつくしいいきもの
    かつててんしだったもの

    はねはぬけおち
    やさしさをつかいはたし
    めだけをおおきくみひらいて

    うえて
    かわいて
    しにかけて

    ひとのつみにあえいでいる



    、、、鈴をつけた天使という絵は、キュートで可愛らしい。つけられた詩も好き。


     鈴をつけた天使

    ほんとうにかきたかったものは
    けっしてことばにできなかったもの

    すずをつけたてんしにくすぐられて
    あかんぼがわらう
    かぜにあたまをなでられて
    はながうなずく

    どこまであるきつづければよかったのか
    しんだあとがうまれるまえと
    まあるくわになってつながっている

    もうだまっていてもいい
    いくらはなしても
    どんなにうたっても
    さびしさはきえなかったけれど

    よろこびもまたきえさりはしなかった


    、、、あと、老いた音楽家が天使のふりをする という絵も、つけられた詩も 好きでした。


     老いた音楽家が天使のふりをする

    ほんのいっしゅん
    てんしになったことがあった

    ひとはみなせをむけて
    どこかとおくへいってしまった
    たぶんふかいもりのなかへ

    てんしにたよらずにかんがえるために

    みみにしたしいメロディだけが
    ゆうぞらにただよっていた
    つかのまのやすらぎ……

    そしてしぬひがきた



    、、、ここまで読んで頂いた皆様、ありがとうございました。
    8月は、良い読書をしました。ほとんど、ブクログの皆様のレビューを読んで、選書していました。
    感謝いたします!ありがとうございます。りまの

    • りまのさん
      湊川晴斗さん

      ありがとうございます!
      好きな詩に 共感していただいて、何より 嬉しいです!
      この本は、とっても好きな本となりました。明日に...
      湊川晴斗さん

      ありがとうございます!
      好きな詩に 共感していただいて、何より 嬉しいです!
      この本は、とっても好きな本となりました。明日にでも書店に注文しようと思います。
      今日は 私は読書の日 なのです ♪部屋にこもって、本を読むのです ♡
      2021/08/29
    • hiromida2さん
      りまのさん、
      いつも…素敵な詩ありがとうございます
      クレーの絵も大好きだし、
      谷川俊太郎さんの詩も好き…
      そして、そのどちらの世界観にも
      ぴ...
      りまのさん、
      いつも…素敵な詩ありがとうございます
      クレーの絵も大好きだし、
      谷川俊太郎さんの詩も好き…
      そして、そのどちらの世界観にも
      ぴったりと、
      はまっていて、いつもながら
      しみじみ泣けてしまいます
      生きることも死ぬことも
      最初で最後の一歩なのかな…って
      胸に迫ってくる素敵な詩ですね。
      2021/08/31
    • りまのさん
      hiromida2さん

      ありがとうございます!
      生きることも死ぬことも
      最初で最後の一歩なのかな…
      hiromida2さんの、感想が、詩的...
      hiromida2さん

      ありがとうございます!
      生きることも死ぬことも
      最初で最後の一歩なのかな…
      hiromida2さんの、感想が、詩的で 深くて 素敵です!
      2021/08/31
  • 『クレーの絵本』と同じ日に読みましたが、こちらの方が明るくてやさしい印象でした。
    天使の絵だからでしょうか。
    線だけで描かれた絵も多いです。

    詩も『クレーの絵本』よりこちらの方が好きなものが多かったです。入院しているお友だちのお見舞いに持っていくならこちらですね。
    いろいろな「てんし」が詩の中にでてきます。
    「天使とプレゼント」
    「泣いている天使」
    「希望に満ちた天使」が特によいと思いました。

    「天使とプレゼント」
    なにがてんしからのおくりものか
    それをみわけることができるだろうか

    はなでもなくほしでもなく
    おかしでもほがらかなこころでもなく

    それはたぶん
    このわたしたちじしん・・・

  • イメージを飛躍させる見本のような一冊、、、

    『クレーの天使』(パウル・クレ-,谷川 俊太郎)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000199224

  • クレーの天使素敵だなぁ

  • 天使って何だろうと思って読み始めて、
    だんだんわからなくなっていきました。
    天使ってなんだろう・・・

  • わたしのいちばんすきな天使は載っていませんでした…( ・ᴗ・̥̥̥ )
    泣いている天使 と
    忘れっぽい天使
    用心深い天使
    が印象深かったな。
    クレーの天使はどこかシュールだったりコミカルだったりしながら、はっとする何かがあって、それに名前をつけるのは難しいけど、やっぱり衝撃とか情動なのかな。
    谷川俊太郎の詩が沿うとより一層深まる気がする。
    どちらも優しい顔をして、優しくない。

  • クレーの天使に出会った
    それは、鉛筆でひと筆書きで描かれた様な簡単なものだったけど
    生きているような気がした
    悩んだり、空想したり努力したりしていた

    いろいろ解釈があって
    谷川さんのイメージもあるだろうけど
    それぞれ個人の思う天使がいる

  • 天使があんまり可愛らしくもなく、善良そうでもなくていい。谷川俊太郎さんの詩は声に出して読むと、もっといい。何度も何度も読みたい。

  • 「天使というよりむしろ鳥」が好き。

    としおいた きのねんりんにまぎれ
    こいぬのひとみにひそみ
    かくれんぼしていた あのてんし

    泣きそうになる。

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著者プロフィール

20世紀を代表する画家の一人。1879年、ドイツ人音楽教師を父に、スイス人声楽家を母にベルン(スイス)近郊に生まれる。高等学校卒業と同時にミュンヒェンに出て画塾に通うが3年後ベルンに戻り、独学の道を選ぶ。1906年、ピアニストのリリー・シュトゥンプフとの結婚を機にふたたびミュンヒェンに赴く。長い無名時代を経て、1920年、総合造形学校バウハウスから招聘される。ヴァイマール、デッサウの同校で教鞭をとった後、1931年にはデュッセルドルフ美術学校に籍を移すが、2年後、ナチスの弾圧を受けてベルンに亡命。皮膚硬化症を患いながらも制作意欲を失うことなく、その後も数多くの作品を残した。1940年、南スイス・テッシン州の療養院で60年の生涯を閉じた。

「2018年 『クレーの日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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