完本 池波正太郎大成 6 鬼平犯科帳 3 (完本 池波正太郎大成)

  • 講談社 (1998年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (824ページ) / ISBN・EAN: 9784062682060

感想・レビュー・書評

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  • 鬼平漬けの毎日に多少飽きてもきているのが本音だが、それでも読まずにいられないのは何故だろう。この本を返してしまったら今度いつ読むことがあるだろうかと思うし、何か思いがけないことでも起きたらとか、また誰か登場人物に変化があるのではと思うからだろう。
    水戸黄門と同じで最後は「火付け盗賊改め長谷川平蔵である。神妙にお縄につけ」と平蔵が一喝し華々しい捕物が終わると何故か溜飲が下がるのだ。毎回同じといってしまえばそこは格別の変化はないのだが、そこに至るまでの平蔵には変化がある。最初の頃に比べればいつも疲れている。これは作者自身の疲れなのではないのだろうかと思うくらい疲れている。
    この本には昭和50年から53年に発表された長編2編を含み収録されているが、さすがに長編のあとには作者も息抜きかと思うような作品な気がするが、この長編、特に「鬼火」は心踊る。
    事件の発端の謎、進まぬ探索、思いがけないところからほぐれる糸。そして一気に火盗の面々が悪党どもを包囲して行き、ついにその押し込みの日がき、平蔵のキメ台詞「火盗改めである、神妙にいたせ」で始まる大剣劇。
    長官に絶対の信頼を置く同心与力はもとより密偵たち、家族、友人たち、それらは全て私の知り合いのような気がしてくる。
    作者は疲れている。それでもファンを裏切ることなくこのあとも書き続けるのかと思うと何か言葉に出来ないが感慨がある。

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著者プロフィール

大正十二(一九二三)年一月二十五日、東京市浅草区聖天町生まれ。昭和十(一九三五)年、下谷区西町小学校卒業、株式仲買店勤務。昭和十四年より三年ほど証券取引所にあった剣道場へ通い、初段を得る。旋盤機械工を経て昭和十九年、横須賀海兵団入団。敗戦の翌年、東京都職員として下谷区役所の衛生課に勤務。昭和二十三年、長谷川伸門下に入る。昭和二十五年、片岡豊子と結婚。昭和二十六年、戯曲「鈍牛」を発表し上演。新国劇の脚本と演出を担当する一方、小説も執筆。昭和三十年、転勤先の目黒税務事務所で都庁職員を辞し、作家業に専念。昭和三十五年、『錯乱』で直木三十五賞受賞。『鬼平犯科帳』『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』の三大シリーズや『真田太平記』等、数々の小説で人気を博す一方、食や映画、旅に関する著作物も多く上梓した。受賞歴はほか吉川英治文学賞、大谷竹次郎賞、菊池寛賞等。平成二(一九九〇)年五月三日、入院していた東京都千代田区神田和泉町の三井記念病院で死去。小社では同じく単行本未収録のエッセイ集『一升桝の度量』(二〇一一)と初期戯曲集『銀座並木通り』(二〇一三)を刊行している。

「2022年 『人生の滋味 池波正太郎かく語りき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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