平城京と木簡の世紀 (日本の歴史)

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  • 講談社
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感想 : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062689045

作品紹介・あらすじ

日本型律令制創出への長い試行錯誤。その過程で払われた、長屋王らの犠牲。権勢に踊り、敗れた者たちの乱の顛末。木簡をはじめ最新の発掘成果と、文献史料のフィードバックで、丹念に大胆に読み直す天平時代。

感想・レビュー・書評

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  • この巻では、奈良時代を都である「平城京」と地方との関わり合いを木簡を通して解説されています。

  • 2001年刊。80年代後半から進む木簡研究、特に長屋王邸内外出土の木簡が奈良時代研究を著しく発展させた。この成果を本書は存分に反映。加え、奈良時代を律令体制崩壊期でなく、日本型律令制度の確立期と解釈するのは新鮮。つまり、三世一身法→墾田永年私財法は、硬直なまま制度移入した律令体制を柔軟にし、日本型の確立に寄与、と見るのだ。班田から収公される不動穀の蓄積が増す等、証拠提示も良。ただ通史なので、面白い部分か否かが明確に区分。前者は長屋王邸木簡の解析に由来する長屋王政権、後者は大仏造立、遷都、写経終始の聖武期。
    また、律令制度の説明に終始する持統期もやや間延びの感。逆に、政略抗争に明け暮れる藤原仲麻呂政権、道教政権期は関連状況を踏まえて判りやすく解説している。外交との関連も書かれているが、もう少し詳しくてもよかったかもしれない。
    一般に、あるいは教科書的には、「大化の改新が律令制度の導入、天武朝が制度の完成、平城京期はその崩壊の始まり」と見るのだろうが、むしろ、本書からすれば、「大化の改新はない。天武朝が律令制度の導入期、平城京期がその確立」と解釈できるような気がする。

  • 文武天皇から孝謙称徳天皇まで平城京の時代を木簡など最新の出土資料を駆使して具体的に描く。当時のごみ捨て場から発見された大量の木簡が奈良時代の暮らしを物語る様はスリリングとさえ言える。この時代を扱った「続日本紀」も興味深い。一度読んでみたい。律令国家の完成期であり、その崩壊の始まりの時代であった。

  • 1FI下2奥

  • 奈良時代は意外に親しみがない時代ですが、長屋王、藤原4兄弟、橘諸兄、藤原仲麻呂、道鏡が勢力を誇った時代。そして謎に満ちた独身の女帝元正、道鏡に騙された愚かなイメージが強い女帝・孝謙・称徳、そして聖武皇后の光明子がいかに強い個性を持った人たちだったかは驚きでした。それに比較し、文武、聖武天皇らはあまりにも個性がなく、ひ弱と言わざるを得ないです。特に奈良時代の途中に恭仁宮、難波宮などへの遷都計画を度々考えた聖武の愚かさは印象に残ります。前半は長屋王が北宮として上宮の聖徳太子とも比されるべき、実力を備えた人であったことが強調されています。そして豊かな食生活は近年話題になったところです。その長屋王の滅びた邸宅跡を皇后邸として住んだ光明皇后の豪胆さは仏教に帰依したしとやかなイメージとは随分違うものでした。

  • 日本の歴史〈第04巻〉
    平城京と木簡の世紀  奈良時代
    ISBN:9784062689045
    ・渡辺晃宏(著)
    講談社
    2001/02/10出版
    366p 19cm(B6)


    ◆要旨 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    日本型律令制創出への長い試行錯誤。その過程で払われた、長屋王らの犠牲。権勢に踊り、敗れた者たちの乱の顛末。木簡をはじめ最新の発掘成果と、文献史料のフィ−ドバックで、丹念に大胆に読み直す天平時代。

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    ◆目次 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    第1章 律令国家としての出発
    第2章 平城京への道
    第3章 長屋王から光明皇后へ
    第4章 天平の日々
    第5章 大仏開眼への道
    第6章 平城京の終焉

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著者プロフィール

1960年生まれ。東京大学大学院修了。
奈良文化財研究所副所長。
主な著作 「平城京と貴族の生活」『岩波講座日本歴史3 古代3』(岩波書店)、「平城京1300年『全検証』」柏書房、「平城宮中枢部の構造─その変遷と史的位置」『古代中世の政治と権力』吉川弘文館、『日本の歴史04 平城京と木簡の世紀』講談社ほか多数。

「2020年 『日本古代国家建設の舞台 平城宮』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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