誰も言わなかった「大演奏家バッハ」鑑賞法 (講談社SOPHIA BOOKS)

  • 講談社 (2000年3月18日発売)
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  • 本 ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062691055

感想・レビュー・書評

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  • タイトルを見ると、バッハを聴く際に役立つような気付きや、新たな視点を提示してくれている本だと思うだろう。本書の内容紹介文には、「生物学的視点や演奏家たちの視点から縦横に探ってみた、新しいバッハ鑑賞法が見つかる本」という様なことが書いてあるが、実際の内容は趣きが異なっていた。

    本書は全3章からなり、第1章は、鈴木秀美や茂木大輔らによるバッハに対する思いをエッセイ風にまとめたもの。

    第2章は「バッハ七番勝負」と題して、バッハのライバルと比較したもの。

    第3章はマタイ受難曲、ヨハネ受難曲の解説。
    付録として有名曲の紹介とCDガイドがある。

    第1章は特段面白いということもなく、新たな気付きなどが得られるものでもなかった。第1章のトップバッターである作家の山之口洋氏は、自己複製遺伝子(ミーム)仮説でバッハを説明しているが、無理がある。もちろん冗談半分だろうが、面白いとも思えない。
    鈴木秀美や茂木大輔ら、演奏家による記事は、文末に(談)とあったので、インタビューをまとめたものであろう。

    第2章はそれぞれ、書き手が違うし、フォーマットも異なるので統一感がない。ヘンデルになりきった創作分だったり、エマヌエル・バッハの概説だったり、バッハ没後の受容史だったりする。

    第3章は、受難曲の解説なので、なかなか良い。

    付録のCDで楽しむ名演奏は、説明があまりにもあっさりし過ぎている。紹介されている盤もありきたりである(付録だから仕方がないと言えばそれまでだが)。教会カンタータで取り上げられている曲が140番と147番だけということからも、ありきたりだということがわかるだろう。

    全体的に読みやすい文章で、どちらかと言うと入門者向けの内容だが、あまりお勧めできるような本ではない。バッハの没後250年というバッハ・イヤーであった2000年だからこそ出版できた本だと思う。

  • 烏兎の庭 第一部 書評 11.9.02
    http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto01/yoko/bachy.html

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