江戸の怪奇譚―人はこんなにも恐ろしい (The New Fifties)

著者 : 氏家幹人
  • 講談社 (2005年12月発売)
3.38
  • (3)
  • (5)
  • (15)
  • (0)
  • (1)
  • 本棚登録 :48
  • レビュー :13
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062692601

作品紹介・あらすじ

口から針を吐く少女。殺人鬼に豹変したまじめな旗本。遊女の亡霊のしわざか、物の怪の悪戯か-今も昔も本当に怖いのは、人の心の闇が生んだ「現実」。

江戸の怪奇譚―人はこんなにも恐ろしい (The New Fifties)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 幽霊の正体見たり枯れ尾花、まさにその感じの一冊。
    狐狸妖怪の仕業と囁かれ、伝わってきたことに懐疑的な目を向け、現代の目で解いていくと、今の社会と変わらない問題が。
    苛め、介護、少年犯罪、虐待に痴情のもつれ…あれれれ?
    江戸時代の事件簿としても興味深い一冊でした。
    日本人って、変わってないのねー。

  • ただ奇談怪談を集めただけではなく、さらに考察して「ファンタジックに表現されてるけど、実はこうだったんじゃないかな?」と一歩踏み込んだ江戸の現実を見せてくれる本。普通に江戸怪談的な物を読みたいなと思っている人には向かないけれど、猟奇犯罪とかが好きな方にはオススメ。

  • [ 内容 ]
    口から針を吐く少女。
    殺人鬼に豹変したまじめな旗本。
    遊女の亡霊のしわざか、物の怪の悪戯か―今も昔も本当に怖いのは、人の心の闇が生んだ「現実」

    [ 目次 ]
    神隠し
    河童
    十六歳
    奇病
    猫娘
    嫉妬
    イジメ
    炎の女
    老人怪護
    ひとつ家
    懐疑的
    凶宅

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 今も昔も人間の本質って変わらないのね。

    人間の欲とか、闇とか、弱さとかが見せる『怪奇』っていうものの考証はおもしろいね!
    現代にも通じることがたくさんある!

  • 「今もここにある恐怖―大人のための怪談です。」

    『甲子夜話』や『耳嚢』から江戸時代の怪談マニアによるコアな書物に至るまで江戸時代の記録にみる怪異や超常現象を検証する。「人知を超えた」と思われる事件や出来事に見えてくるのは、その深さがどこまでも計り知れない人の心の闇。

     いわゆる「お岩さん」や「番町皿屋敷」系の幽霊話ではなく、絵や記録に残された実際の事件をとりあげて、「人はこんなにも恐ろしい」とサブタイトルにあるように、本当に恐ろしいのはそういう事件や怪奇現象を生み出す人の心の闇であり、その底知れなさであるというところへ持っていく。

     「河童」や「猫娘」という項目に混じって「嫉妬」「イジメ」「老人怪護」などが取り上げられ、その根底にある「性的欲求」や「差別」「利権」といったものが浮かび上がってくるとき、それが何も江戸時代に限ったことではなく現代でもなお、人が心の奥に抱える普遍的なものであることがわかる。単なる江戸の怪談話ではない本書のスタンスはここにある。

    〈〝今そこにある恐怖〟を想起させるものでなければ、われわれ即物的で打算的な「大人」は、江戸の昔の怪談などに興味をそそられないのである。〉

    「神隠し」の章で子供が行方不明になる事件が頻発していたことについて、日本の先住民族が種を残すために連れ去ったという推理や、美少年を連れ去る天狗の正体を愛欲や愛玩の対象を求めた僧侶たちとする説は、真偽のほどは別にしてもさもありなんという妙な説得力がある。霊力や知識があって自在に空を飛ぶことができる天狗を聖職者の隠れた愛欲の権化として考えると、これは自分の勝手な想像なのだが、あの長い鼻が男根を想像させてなんとも…w

     笑えない話もある。「ひとつ家」で語られる、山奥の村で仲良く暮していたはずの4人の母子。憑き物にとらわれた弟は兄と姉に母を殺すことを命じ、同じく夢心地のうちに兄は斧を母に振りかざし、兄弟は姉とともに母を細かく切り刻んだ。その後の子供たちの供述も載せられているが、動機は「不明」。物の怪の仕業かはたまた集団催眠か。だが「動機不明」のうちに行われる惨劇は、現代でもなお繰り返され、私たちはこうした惨劇のニュースを聞くにつけ震撼し立ちすくむ。

     利権であれ性欲であれ、動機がわかるものはまだ良いのかもしれない。人は、当事者自身でさえ自覚の無い狂気を目の当たりにしたとき人の心の闇の底知れない淵を覗いた思いに捕らわれ、その「わからなさ」という恐怖を霊や物の怪と名づけなければ完結できないのではないか。時代を超えてその恐怖は今も目の前にある。

  • 江戸時代も現代も怪奇を見せるのは人である。
    幽霊話や妖怪の話はその後ろにある生活がみせるものであるといいつつ、不思議な話を否定しているわけではない。
    丁寧な解説もあり、読みやすかった。もう少し数が多いと嬉しい。

  • 今も昔も人間の本質なんて変わらないものだということを考えさせられる一冊。

  • 怪談話や妖怪の紹介の後に、丁寧な解説や考察がついていて、風俗的な事がよくわかる。
    もっと沢山の怪奇話を載せて欲しかった。

  • 装画が洒落ている、

  • 内容は勿論のこと。でも一番惹かれたのは表紙の絵です。

全13件中 1 - 10件を表示

氏家幹人の作品

江戸の怪奇譚―人はこんなにも恐ろしい (The New Fifties)はこんな本です

ツイートする