正座と日本人 (The New Fifties)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 81
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062692809

作品紹介・あらすじ

なぜ正座は日本人のフォーマルな座り方となったのか?漢方・医学の大家が古今東西の資料を渉猟し知られざる正座の歴史とその謎と功罪を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 漢方の大家が市井の歴史家となって解き明かす正座の由来。日本人が古来からの伝統と思い込んできた正座・畳・座布団という三点セットが実際には歴史が浅く、庶民に浸透したのは明治以降であり、もうすでに廃れ始めているという皮肉な現状にあるが、そんな今だからこそ「健康法」として見直されてはどうかという医師の観点からの提言が素晴らしい。

  • 日本人の「正座」という座り方についての歴史。予想以上に面白かった。歴史から語られるわけだけど、読みやすくてするする読めました。文献から語ると「正座」=私たちがイメージする正座ではない可能性とか、絵を見ても、はっきり描かれていなかったり、現在までに模写するときにかき換えている可能性とか。その中から「昔から正座はされていたのか?」というのはなかなかにミステリ風味。

  • かつて日本で正座(正しい座り方)を示す座り方は立て膝やアグラでした。茶道といえば正座で行なうというイメージがありますが、昔は正座ではなかったようです。
    いつ頃から現在の正座が定着していったのか…その歴史を解き明かしていきます。

  • 正座は日本の昔からある伝統的な座り方なのか?

    正座の歴史や政治的背景なんかはへーっ、という驚きがありました。

    ちょっと独断的かなという所もあるので書かれている内容が全部正しいという気はしない。

    正座は交感神経優位になるので正座したままでは眠くなることはないと言っていますが、私は正座したまま寝てしまうし。

    でも、正座を今までにない角度から読み解いた本で非常に面白かったです。

  • なかなか興味深い本。惜しむらくは完成度がいまいちな点。考察もあともう一歩という感じだし、図版が少なくわかりづらい。
    著者には是非同じテーマでもう一度著述にチャレンジしてもらいたい。期待を込めて、☆-1で4つ星

  • [ 内容 ]
    なぜ正座は日本人のフォーマルな座り方となったのか?
    漢方・医学の大家が古今東西の資料を渉猟し知られざる正座の歴史とその謎と功罪を読み解く。

    [ 目次 ]
    第1章 座り方の意味
    第2章 茶道と正座
    第3章 武士から庶民へ
    第4章 畳と正座
    第5章 着付けと正座
    第6章 明治の時代背景と正座
    第7章 歴史に見る正座
    第8章 正座よもやま話今の常識、再点検
    第9章 正座の解剖
    第10章 正座の応用
    おわりに 正座の使命は終わったか

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4062692805
    ── 丁 宗鐵《正座と日本人 (The New Fifties) 20090422 講談社》
     
    ── 古来、日本人は正座をしていなかった。絵巻、絵画、仏像、武士
    などの自画像でも胡坐など。正座という名称もなかった。
    http://q.hatena.ne.jp/1329066479#a1131662
     
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C0%B5%BA%C2
     ↑正座 ↓土下座考
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%C5%DA%B2%BC%BA%C2%B9%CD
     

  • 1329夜

  • ●松岡正剛の「千夜千冊遊蕩編」から興味があり、読書。
    ●正座は本来、「かしこまる」とか「つくばう」「跪座」「端座」と呼ばれ、おもに神前、仏前での儀礼的な場面で行われ、また主君に対して家臣がかしこまる。
    ●島木赤彦の『異体抄』に「アグラをかきながら正座(すわ)る」という使用例
    ●『国民礼法要項』(1941)に、あるべき座り方を「両足の親指を重ね、両膝の間は男子は10~15㎝、女子はなるべくつけ、上体をまっすぐにし、両手は股の上に置き、頭をまっすぐにし、口を閉じ、前方を正視する」と記し今日言う正座を「正しい座り方」として公認し、実践するように布告している。
    ●岡田虎二郎が唱えた「岡田式静座法」は、正座しながら行う修養で、呼吸法の一種であった。
    ●(茶道の利休は、)現在残っている利休と同時代の像は、ほとんど正座をしていない。たとえば、長谷川等伯が描いた「利休居士像」でも、アグラをかいている。
    ●茶会や飲酒を禁じ、茶会の精神性を重視し始めたのは村田珠光から。珠光は室町時代8代将軍足利義政に茶の湯を指南し、同時に一休宗純に参禅し、茶禅一味の境地を開いた。
    ●戦国時代、茶の湯は一族の命運をかけた武士同士のいわば面接の場であった。
     出陣の前に茶会を催して、狭い空間で互いに茶を飲み、相手の心を察する。本当にわが将のために命懸けで働くのか、それとも寝返って、刃を向けてくるのか。その本心を読み取るのが茶席だった。
    ●新井白石は、幕府の礼儀作法の教授をしていたが、白石自身の肖像画は正座姿ではない。
    ●太宰春台は、「義をもって事を制し、礼をもって心を制す」「心の中の『仁』は見えないが、『義」は行動となり、『礼』は形となって現れる。従って礼を厳しく躾ければ悪しき心をもった人も礼儀作法とその心も自ずから正となる」と記す。
    ●肖像画で、戸田茂睡は右立て膝、荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・平田篤胤はアグラ。吉田松陰もオリジナルはアグラ。女性は、作品が少ないが、正座が多い。
    ●農民は正座と無縁の生活を送ってきたが、武士に近い(近くで生活し、接していたという意味で)商人は、武士の生活習慣に慣れ、その習慣を受け入れる機運が熟していた。たとえば、商家の娘は武家で作法見習い(花嫁修業)をしていた、など。
    ●明治時代になって、正座が全国民に浸透していった。
    ●土下座は、相手に許しを請うたり、恭順の意を表したりする場合に行うことが多い。その土下座と正座はよく似ている。
    ●正座はエクササイズ=朝方、午前中におこなう。夜やると交感神経を高ぶらせ、眠れなくなる。時間は、1回5~10分。一日数回行う。
    ●「生理的姿勢」=正面から見て垂直で左右に曲がらず、左側の横から見るとS字型の緩やかなカーブを描き、その上に頭がい骨が乗っている姿勢…これで、肘や腕が軽く上がっている姿勢が一番疲れない。

  • 11/24-12/2

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著者プロフィール

日本薬科大学学長

「2022年 『長生きショウガ新健康法大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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