NO.6〔ナンバーシックス〕#9 (YA! ENTERTAINMENT)

  • 講談社
3.95
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  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062694438

作品紹介・あらすじ

崩壊する矯正施設から間一髪脱出した紫苑は、瀕死のネズミを救うため、イヌカシ、力河とともに市内に突入した。そこでNO.6にまつわる全てを知った紫苑は、人間の未来をかけて『月の雫』に向かう。

感想・レビュー・書評

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  • きちんと終わって本当によかった
    物語が終わる時のさみしさはあるけど祝福の気持ちでいっぱいです
    最後のキスは何だったんでしょうね?
    紫苑の「君がいない世界なんてなんの意味もないんだ」は
    さすがに恋愛感情を疑ってしまいました
    私は恋愛感情と捉えるのが好きだけど
    はっきり書かずにぼわ~っとしてて、どうともとれるところが好きなのでこのラストは満足です
    紫苑が幸せになってよかった
    そして、再会を必ず…!

  • 今までの謎が一気に明かされる完結巻。
    命からがらダストシュートから転げ落ち、煙の中待ち続けていたイヌカシと力河と合流する紫苑とネズミ。
    きちんとした医療機関で手当てを受けなければ危ないネズミのため、4人は力河の車で矯正施設のゲートを通りNO.6内部へ。
    しかし、NO.6の内部でもあちこちで火の手があがり、混乱を極めていた。
    紫苑の顔見知りの医院へ行きネズミの手当てをしてもらうが、そこでは楊眠とともに市民を扇動していたために当局に見つかり医者も殺されてしまう。
    紫苑とネズミはNO.6の裏の歴史をイヌカシと力河に話し、NO.6市民の破滅を防ぐべく市庁へ向かう。

    老の研究のチップの内容とそこからの推測を仲間たちに説明する紫苑。
    その中で、エリウリアスの正体、森の民、歌う者、マオの虐殺、ネズミの過去、市長たちの研究の目的が明らかになる。
    あれほど、憎んでいたNO.6の市民、特に子供を見殺しにするのは虐殺だと老に言われたネズミは歌う者としてエリウリアスを鎮め、紫苑は猶予を乞う…。
    ネズミの魅力的な歌はその受け継がれた能力によるものだったのかと思うと少しがっかりな気も。
    ネズミの部屋が図書館の書庫を利用したものだったという説明には納得。
    どこからあの本を仕入れてきた(金銭的な意味でも)のか謎だった。

    結局のところエリウリアスは人智を越えた存在、寄生バチの姿も仮の姿かも知れない…。
    (唐突にズッコケのナメクジの姿をした宇宙人を思い出してゾクリ)
    歌で鎮めたりとか、意外にもファンタジックな終わり方。
    いきなりでもないけれど、バリバリの科学の世界に非科学的な超自然の答え。
    全てが科学的に説明がつくものではない、ということなのだろうけれど、現実的なミステリーだと思ったら犯人は宇宙人でした、と言われたようで、ちょっと肩透かしを食らった感じ。
    このページ数でどうまとまるのか気懸かりではあったけれど、伏線回収部分が紫苑とネズミの独壇場で立て続けに謎を説明されただけ。

    寄生バチこそエリウリアスというのはなんとなく考えていたような気もするけれど、表紙にハチが描かれていたこと、カバー折り返しの「これが、エリウリアスだったのか」という台詞ではっきりと分ってしまった。
    寄生バチが人間をコントロールするのをコントロールしようという研究者の考えは驚きだったけれど。
    名もなき研究者からも寄生バチが羽化しあっけなく死亡、名もなき市長も責任を取り自決。

    かつて聖都市と呼ばれたNO.6があった。
    という終わり方は予想通りだったけれど、紫苑とネズミが別々の道を生きるようになったのは正直残念。
    相容れない存在でも共に歩んでほしかったなあ。
    ネズミとの西ブロックでの生活に帰りたいと思いつつも、叶わないと直感し、思い出にしている紫苑…。
    二度と戻らない輝かしい少年の日の思い出。
    紫苑たちはどういう世界を作ってゆくのか…。
    希望はあるけれど、死んでいった人々にあまり救いはないような。
    結局第三の道は示せなかった、と思ったけれど読み返してみると破壊でも従順でもないから、たくさんの犠牲を伴って一応は壁を取り払ったのか…。

    市長と火藍の関係や、紫苑の父親に関しては追求されないまま。
    紫苑がたまに見せる支配者のそれは、トップに立つのにふさわしい性質の現れということだったのかなあ。
    色々と想像の余地がある。

    物語全体としては4巻あたりまでが一番面白かったかな。
    矯正施設の中に入ってからはどこにでもありそうな感じでいまいち。
    全9巻で8年くらい掛かっているけれど、物語世界では、秋から春先にかけての半年くらいの間の出来事なのだと思うと長いようで短かった。
    歌で鎮め、人間を見限るのは早計ではないか、もう一度チャンスを、というラストは児童書の域に戻って収まったという感じ。

    各章の頭に古典作品の引用を入れたのは、読者へその作品への興味を促すという点でも意味のあることだろう。
    最後のエピローグにこの『NO.6』#1の引用が出てくるのを見たときには、懐かしい気持ちになる。

    何はともあれ、楽しめ、考えさせられる物語だったことに違いはない。

  • シリーズ最終巻。あさのあつこはちょっと悪い人を書いても育ちの良さというか、いい人な感じが出てしまうような気がしていてた。このシリーズの精一杯「悪ぶりました」みたいな品のいい人たちがどうもちょっと気になって、面白いんだけど……、という感じでずっと読んでいた。でも、やっぱり最後は良かったなあ。最後まで、ちゃんといい人が書けるのは作者が本当にいい人だからなんだろうな。大人になってしまってから読んだので、どうも紫苑やネズミがいい子すぎて読んでいて気恥ずかしさが先にたってしまっていたのだが、YA向けとしてはとても誠実でいい物語でした。

  • 腐女子代表・あさのあつこ(笑)

    来るかと思ったらやっぱりやっちゃったw
    あれはないほうがなんかよかったなぁ

    最初からなければよかったのに
    あさのさん的には入れたかったんでしょうな(笑)

    終わり方はいい感じでしたが
    突然ファンタジーに走った感があってついていけなかったかも。

    中学のときに読みきってたら感想も違ってただろうなと思うと
    自分が少し残念(笑)
    純粋な心が無いとちときつい。

    このシリーズは私の中でかなり大きかったので
    もう少し頑張って欲しかった感はありますが
    面白い作品でした^^

  • No.6はどの巻もある程度の密度で、毎回続きの巻が出るのが楽しみだったし
    読んだ後も、満足感を得れてた。

    でも、この巻に関しては、最終巻ということもありすごく、複雑な心境。
    特に、キスだけは意味わからない。
    この巻までのは何とか耐えてこれたが、ほんとBL描写いらない気がする。
    あさのあつこさんが暴走したんだなーと思って諦めはついたが、ほんとに無かったらよかったのにと今でも思う。
    SFとして面白いのに、なんかなーという感じです。もったいない気がする。
    でも、それを含めてあさのあつこさんデスヨネー・・・・・・・

  • ついに9巻まで読破。アニメも最終回をこれから見てきます。
    原作を進めてアニメを見るというサイクルだったので、原作の方がいいなぁと思うシーンがいくつもあった。
    でもどっちもいいと思うし、何より私がNo.6に出会えたのはアニメ化のおかげなので、原作とアニメどちらも終わって少し寂しい感じがする。
    9巻の内容が結構駆け足だと感じた。え?もう移動したの?とか、そこはもっと詳細に書くと思ってた!という待ちに待ったシーンが1行で終わってたりと、もう10巻構成でよかったのではと思わなくもないが、こういう展開もNo.6らしいかな。
    とりあえず、文庫が全巻出そろったら買います。今の単行本だと、冒頭の引用部分の文字が読みにくくてしょうがないし…。

  • 喪失の恐怖と戦いながら、息子が愛し、全てを捨てて共に生きることを選んだネズミに、もし会えたら抱きしめたい、と望む紫苑のお母さんに、
    ずっと隣で紫苑を想いながらも、紫苑のたった1人になれないことを受け入れて最後まで紫苑を愛した沙布の強さに、
    誓いのキスに、
    胸が痛くなるくらい共感し、羨望し、ただただ切なかった。

    生き続ける限り絶えることのない犠牲と責任、生の喜び、愛の告白、あさのさんのすべての言葉が重く、鮮やか。

  • NO6、早く最終巻を読みたいと思って来たけど、最後ばたばたっと一気に、なだれ落ちるようにまとまって(まるで、映画のプロットのよう)、もう少し紫苑とネズミの会話やイヌカシのシオンヘの思いなど、読みたかったのが本音。でも、あらすじとしては満足!

  • 「No.6」と呼ばれていたこともある土地の歴史の一部。それが「NO.6」シリーズだ。ということが最終巻になってやっと解った(笑)。
    紫苑は間違いなくこの場所の歴史に名前を残すようになるんだろうけれど、一体どんな形でなんだろう。

    これは、作者から読者へのメッセージでもあるんだろうな。「見て欲しい。聞いて欲しい。この世界のことを知って欲しい。知った上で、どう生きるのか。頑張って生きる姿を見せて」

    どうなるかはわからない。でも、愛しい人を思い続けてその人のために頑張ることが世界を少しずつ良くしていくのかな。

    それはともかくイヌカシがカワイイ。NO.6の少年少女組はみんなかわいいけど。あさの先生、この世界の続きを書いてくれないかな。番外編でも良いです。その後の彼らを知りたい。

  • (2011/06/18購入)(2011/06/19読了)

    完結したのはめでたいが、最後速足すぎるだろ。せめてシオンの人格のブレについて、説明が欲しかった。

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著者プロフィール

岡山県生まれ。1997年、『バッテリー』(教育画劇)で第35回野間児童文芸賞、2005年、『バッテリー』全6巻で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。著書に『テレパシー少女「蘭」事件ノート』シリーズ、『THE MANZAI』シリーズ、『白兎』シリーズなど多数。児童小説から時代劇まで意欲的な執筆活動で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『NO.6〔ナンバーシックス〕(8)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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