NO.6〔ナンバーシックス〕 beyond (YA! ENTERTAINMENT)

制作 : 影山 徹 
  • 講談社
3.87
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本棚登録 : 682
レビュー : 89
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062694636

作品紹介・あらすじ

西ブロックに稀な、春の日のような穏やかな一日。NO.6崩壊後にNO.6に留まった紫苑。風のようにさすらうネズミ。そして、紫苑の父の秘密-。惜しまれつつ完結した物語に、さらなる命を与え、それぞれの生の一瞬を、鮮やかに切り取る。

感想・レビュー・書評

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  • うっかり積読本の中に埋もれていたのを引っ張りだしました。
    読み始めたら面白すぎてもう一気読み。
    短編4編の番外編というには、この話の続きがまだありそうで
    すっごく気になるラストでした。

    紫苑はすでに過去のものと思いながらも放浪し、いつも紫苑の
    ことを考えているネズミと、ネズミとの再会を望みながら
    NO.6に留まり、再建という重い課題に取り組む紫苑。
    時を経ても変わらないのはネズミで、徐々に変貌していくのは
    たぶん紫苑のほう?
    紫苑が紫苑でなくなった時に、また2人が会えるような
    気がしました。哀しい再会にならないと良いな・・・。

  • 一昨日までこの本出てたの知らなかった…不覚。
    読後一番の感想は正直なところ「読まなきゃよかった」でした。
    でも同時にNO.6をもう一度最初から読み返したいとも強く思った。
    やっぱりこのシリーズは私の中で特別な本で、紫苑もネズミもイヌカシも別格で好きだなあと感じました。以下気持ち悪いほど長々と語ってみる。全部愛ゆえ。

    beyondではNO.6の過去と未来の話が綴られている。

    イヌカシとネズミの出会い、ネズミと老婆の生きた日々の二つが過去のお話。イヌカシがどうしてイヌカシになったのか、ネズミがどうしてネズミになったのか。イヌカシの死への異常な恐れと生への執着、そしてネズミの憎しみと彼の中の信念、そんなものが前よりも理解できるようになった気がした。そして西ブロックしか知らなかった彼らが紫苑からどれほど影響されて変わったのかということもはっきり書かれていたと思う。イヌカシは他者を頼るようになり、ネズミは他者と関わるようになった。それはもしかすると彼らを弱くしたのかもしれない。でも人を信じるようになったその変化がとても愛しいと思った。

    そして後の二編が紫苑の未来とネズミの未来のお話。読まなきゃよかったと思ってしまったのは、多分これら二編が原因。

    「紫苑の日々」紫苑はとても危うい少年として書かれてきたけれど、その危うさは彼の真っ直ぐさと聡明さが現実にそぐわないから。現実を正してしまうだけの真っ直ぐさと聡明さを彼が持っているからだろうなと思った。♯9の終わりは紫苑の未来に希望を感じさせた。ここから始まりすべては良い方向に変わっていく、そんなふうに紫苑の未来を想像していた。でもここで語られるのは正しいことをしたいという思いが正しくとも、それを実現させることの困難。正しい「目的」のために正しい「手段」だけを使っていられないという厳しい現実だった。無垢で無知でまっさらなシオンの姿が、変化しつつある紫苑と対比されるようで辛かった。疑うことを知らなかった紫苑は、西ブロックで人を疑い、現実を疑い、負の感情にさらされてきた。それでも彼は信じることを捨てなかったはずだった。ネズミに変わらないでくれと懇願され、それを紫苑は忘れていないはずなのに、嘘を吐き、人を嵌め、盗聴を警戒するような、そんな紫苑を見るのが辛かった。自分のためではなく、どこまでも他人のためを思ってそうなってしまったことが何より辛かった。

    「ネズミの日々」紫苑のもとを去ってネズミは世界を彷徨っている。ここで紫苑の父親に出会うのだけれど、この父親がああもうな人物。どうして火藍さんこんな人と結婚したの?というのが正直なところ。力河の方がどうしようもなさは上でも、よっぽどいい男だと思うんだけどなあ。話がそれたのでネズミに戻して。ネズミはすごく紫苑に依存してしまっているし、紫苑を理想化してしまっているなあと思った。紫苑に出会う前の彼とはまるで別人。ネズミは人が変わることをちゃんと理解しているはずなのに、紫苑だけは変わらないと思ってしまっている。「紫苑の日々」の後にこのネズミを見るもんだから切なさが倍増した。♯9での「再会を必ず」のセリフには、早く紫苑とネズミが再会してほしいと願ってやまなかったけれど、ネズミの日々を読むと、もうこの二人の生きる道は二度と交わらないんじゃないかなんて気がしてくる。交わらない方が二人は幸せなんじゃないかと思ってしまう。NO.6への憎しみから解放されて、ネズミはやっと本当の意味での自由を手にしている。一方紫苑はNO.6の中に再び囚われ、西ブロックで得ていた自由も満足も失っている。同じ部屋で同じときを過ごしていた二人が随分隔たってしまったことが悲しかった。イヌカシだけがずっと変わらずにいて、その明るさがとても印象深かったし救われた。

    全部読み終わって、目次の次の「ぼくたちは人を信じ切れるだろうか」という言葉がとても重く響いた。最初はさらっと読んでいたけれど、いろんな想いが詰まってるなあと思う。

    本当に長々書いちゃった…。とりあえず今年一番の本はこれに決まりです!だいすき!

  • No.6番外編。
    後半2編は本編のその後の二人の話。
    紫苑は変わりはじめていて、変わるなと言ったネズミの方がむしろ変わらない。支配者の立場に立つとどんな人間も変わるんだろうか。
    ネズミが傍らにいなくても、ちゃんと清廉なままの紫苑でいてほしいし、紫苑と別れて自由に気ままに生きるネズミでいてほしい。
    そういう未来があるような気はする。
    どうも、続きが気になる終わり方で、本編終了の時よりも逆に続編が読みたくなってしまった。

  • 紫苑のブラックな面が垣間見えたり、
    ネズミが予想以上に紫苑を求めていたりと、
    本編の研ぎ澄まされていたイメージが少し曖昧になっている。
    人間らしさが伺えるといえばいいのだろうが、
    私としてはそれがちょっと残念。
    いかようにも続きが書けそうな終わり方だけど、
    本編の切なさが好きな私は、これで終わっとけと言いたいです。

  • 好きだったシリーズの続きが読めるのは嬉しいような微妙な感覚です。イヌカシの過去話は面白かったのですが新しい社会を作ることで変わっていくシオンを正直恐ろしく感じました。先生、その辺り続編でシリーズで書いてくれ!!
    それも含めて君は人を信じられるか、と言うことなのかな。
    でも昔からシオンは結構怖い子だったので目的の為なら手段を選ばないとは思うんだなあ。そして彼の作る世界はネズミが見に戻ると言う一点でモラルが守られているんだろうか。それもそれで恐ろしい。読んでいて凄くさみしくなりました。ハイ。

  • 本編の続きかと思ったら、本編で書ききれなかった話も含めて4つの短編が収録されていた。登場人物たちが、その後どのように生きるのかの、予兆のような話でもある。これは、もっとその後の話が読みたくなる。でもバッドエンディングになりそうで怖い気もするという、中途半端な立ち位置の本だと思う。

  • ナンバーシックスのその後
    紫苑のパパ生きてた。
    みんな前を向いて歩いていってる。

  • こんなに問題山積で終わるんですか。
    一番気にかかるのは、紫苑のやったこと。負の連鎖になりそうで怖い。

    しばらく続きを書かないのなら、ずっと書かない可能性もあるのなら、こんな思わせぶりな中途半端な状態にしないで欲しかった。巻末の著者からのメッセージを読んで、余計にそう感じました。

  • 【あらすじ】過去と未来を超え、光と闇を超え、それぞれの人生が熱く交差する。紫苑とネズミの知られざる貌に迫る連作集。NO.6崩壊後に待つ過酷な現実へと向かう紫苑の姿を描いた「紫苑の日々」など4編を収録。

  • 近未来SF小説(^O^)マンガのような展開なのでサラサラ読めました。イヌカシがお気に入りのキャラクター▽・ω・▽
    バナナフィッシュのアッシュと英ちゃんのような、ネズミと紫苑の関係ですが、紫苑の方がいなくてはいけない必然性があり、納得できるし応援できました(^O^)
    マフィンがすごく食べたくなります。
    やりすぎコージーを見ていたら、ちょっとこの本の展開も怖く感じます(;・∀・)

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著者プロフィール

あさの あつこ
1954年生まれの小説家、児童文学作家。岡山県英田郡美作町(現:美作市)湯郷出身。幼少の頃から本に親しみ、中学の頃から創作日記をつけはじめ、中学2、3年生の頃から作家を志す。青山学院大学文学部入学後、児童文学サークルに入り活動。卒業後小学校の臨時教諭を2年間務め、結婚。日本同人協会「季節風」同人となり、そこに連載した『ほたる館物語』で作家デビュー。
代表作に、1996年から執筆を続ける『バッテリー』。97年野間児童文芸賞受賞、99年『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、2005年『バッテリー』全6巻で小学館児童出版文化賞をそれぞれ受賞。シリーズ1000万部超の大ベストセラーとなり、映画化・アニメ化された。

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