子どもの王様 (ミステリーランド)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705639

感想・レビュー・書評

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  • 「子どもの王様」の説明の時点で正体がわかってしまったので謎解き感はあんまりなかったけど、一気に読んでしまった。
    ショウタの友人を助けようという純粋な気持ちが、応援してる戦隊ヒーローの影響でヤバい方面に加速されてうわー…っていう後味の悪さ。ショウタ本人も完全な善行だとは思ってないところがまた…
    トモヤからの無言の非難も受け入れて理解を示してるわけで、成長していくに従って自分の罪の重さに耐えられなくならんか心配。

  • 著者の作品、ブクログ登録は初めてです。

    著者、殊能将之さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    殊能 将之(しゅのう まさゆき、1964年1月19日 - 2013年2月11日)は、日本の推理作家。生前は覆面作家だったが、死後、本名:田波正と発表された。

    49歳にて亡くなっています。
    今後の活躍が楽しみだっただけに、残念です。

    で、今回手にした、『子どもの王様』。
    その内容は、次のとおり。(コピペです)

    団地に住む、少年ショウタと親友トモヤ。トモヤは学校に行かずに、部屋に籠もって本ばかり読んでいる。
    そんな彼がするのは、いつも奇妙なつくり話。団地に住む魔女の話や、子どもの国を支配する残酷な王様の話……。
    だが、ある日ショウタは、トモヤが言ったとおりの格好の男を目撃する。まさか、子どもの王様は実在した!?

  • 〈講談社ミステリーランド〉叢書から刊行された作品。「大人にも子どもにも楽しめる本格ミステリ」の内容であるから、これまでの著書からしたら引用や蘊蓄やガジェットが控えめでとてもライト(頁数も少なめ)。ただそこは殊能将之作品、言うまでも無く巧妙なトリックがあり、結末近くの盛り上がりは絶品。子ども向けジュヴナイルとして見事にまとめられている。まあ本格ミステリに飢えて殊能センセーを求める大人は少し物足りなさが残るが、あとがき「わたしが子どもだったころ」で著者の幼少期の姿をほんの少しうかがえることで満たされるのでは。

  • この内容でこの長さは冗長に感じました。展開にもう少しひねりがあると違ったかも。

  • 『かつて子どもだったあなたと、少年少女のための』が合言葉。人気作家が子どもに
    向けた推理小説を書き下ろした『ミステリーランド』。子どもだけじゃなく
    大人も楽しめる内容。とは言え、せっかくなので(?)奇抜さも欲しかったですね。

  • 少年少女向けミステリーシリーズ、書き下ろし作品。
    ぼくショウタには、引きこもりの友だちトモヤがいる。団地での日常、やがて起こる事件。一見普通の少年ショウタが取った行動とは。
    何故かしら、第一回の小野不由美さんにしろ、この殊能将之さんも、子どもを唆している気がしてならない。

  • 小学生の頃読んだらトラウマになりそうな。。。
    整っていないイラストの怖さ。。。

    でも子供の時に読んだら、このやるせなさ感は無いかもしれない。。

    庇護下にある子供は、たとえ庇護されていなくても その環境を自ら変えることは出来ないので、受け入れるしかない。。
    下手したら、疑問すら抱かずに過ごしてしまうかもしれない。。

    主人公の男の子は母親に事あるごとに「大きくなったら何になりたい」と尋ねられている。
    彼が、”子どもの王様”の正体を知った後の回答、
    「大人になりたい。」
    この”大人”に込められている意味を考えると、
    自分が果たして大人か考えると、自信が無く、後ろめたくなってしまう。。。

    ラスト、笑顔で終わらないのもまた、単純なヒーローものではないのだな、と。。。

  • 4-06-270563-x 243p 2003・7・31 1刷

  • 「かつて子どもだったあなたと少年少女のため」と銘打たれたジュヴナイルシリーズ、講談社ミステリーランドの一冊。
    名物編集者と呼ばれた(らしい)宇山日出臣氏企画なのだそうです。
    森博嗣、島田荘司、乙一など錚々たるメンバーが顔を揃えているのでいつか原シリーズを読破してみようと思います。イラストも期待できそうなのです。

    この作品は『ハサミ男』の次に触れたので少し戸惑いましたが、コンセプトを考えれば雰囲気の違いは納得すべきものでしょう。
    団地を部隊にした子どもたちの冒険、スリルとサスペンス。
    しかし、どうにも緩い出来と言わざるを得ません。
    私は子どもの頃から今に至るまで、"主人公がどうしようもないところでやらかすバカ"が大嫌いです。"物語の都合のため"が透けてみえるのが大嫌い。

    クライマックスとなる対決の場面。
    殊能将之本人も鍵っ子だったとあとがきにありましたが、私の知る限り私の世代から下の鍵っ子たちはたいていの親からドアチェーンも必ずかけるよう口を酸っぱく言い聞かせられていました。
    こんなに落ち着いた頭の良い子が、なぜ「子どもの王様」がすぐやってくる事をわかっていながらトモヤの部屋で警察に電話をするの?自宅へ帰れば母もいるのに?トモヤの部屋に駆け込むまで、ドアが開いて大人が手助けしてくれることを願っていたというのに?
    潜在意識下で「殺すしか無い」と決めていたうえでの行動だったとでも?
    ジュヴナイルで究極の暴力によって問題の解決をはかり、あまつさえ自分を許さないであろう友人を自分は許し応援する、となんの内省もなく自らをヒーローであるかのように考える主人公は、私の個人的感覚からは違和感を拭えない存在です。
    でも、著者はこのように描きたかったのでしょう。
    そして賛美する読者もきっと多いのでしょう。

  • 殊能さんの本が小学校にあることにびっくり。

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著者プロフィール

1964年、福井県生まれ。名古屋大学理学部中退。1999年、『ハサミ男』で第13回メフィスト賞を受賞しデビュー。著書に『美濃牛』『黒い仏』『鏡の中は日曜日』『キマイラの新しい城』(いずれも講談社文庫)がある。 2013年2月、逝去。

「2022年 『殊能将之 未発表短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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