いつか、ふたりは二匹 (ミステリーランド)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 232
感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705714

感想・レビュー・書評

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  • 事件自体はかなり物騒ですが、主人公が猫の体に乗り移るというSF設定、爽やかな語り口、ちょっとほろ苦い読後感が心地良く、ジュヴナイルらしい一冊に仕上がっていると思います。
    ミステリーとして見ても伏線がロジカルに回収されますし、タイトルの意味が最後に判るちょっとしたどんでん返しもあるので良い出来だと思います。

  • 眠っている間に猫に憑依(?)できるというファンタジー設定のおかげでかなりごまかされてたけど、結構なヤバ治安の街だな…

    園実ちゃん誘拐のあと寝るのを止めようとする久美子でなんとなく「ピーターの中身では?」と察したけど、そう考えると一度ピーターに無視されたのは中身が久美子じゃなかったのかーとか、その後いきなり昼寝しようとしたときに慌てたのはピーター側の準備ができてなくてそれを不審に思われたからかーとかいろいろと合点がいって感嘆。

  • 2013年7月26日
    子ども向けだけど、大人の私が読んでも十分におもしろかった。
    寝ている間に猫の体に入り込める(幽体離脱?)「ぼく」が、クラスメートの事故、不審者、自殺未遂、などをめぐる謎を解く。

  • 少年少女のためのミステリシリーズ。
    僕は寝ると、猫に乗り移ることが出来る。
    人間の時は、義理の兄弟になった久美子さんの食事の世話。
    僕の小学校では、最近まで非常事態だった。やっと集団登校も解除された矢先にまた事件が起こる。

  • グイグイ読める。
    ポール・ギャリコの「ジェニィ」も読んでみたい。。

    悪い癖で、こうじゃないか、ああじゃないかと邪推しながら読んでしまうのだが
    子供だましなオチではないので、楽しんで再読できる。
    (ミステリーランドは事件の結末が現実にように辛い作品多いが。。。)

    小学生の男の子の抱いている女の子のイメージと
    本好き=やや賢い?子の先生へのイメージって
    こういうものなのかな?
    このシリーズを読んでいると
    度々遭遇する。。。

    ラストの義理のお姉さんのセリフとタイトルの関係性を考える。。。
    タイトルが主人公の答えなのかな。。。

    他作者への解説が凄く硬かった作者なのでこの文体は意外だった。
    他作品読んでみようかな。。。

  • 字が大きくてふりがないっぱいなのと、猫になっての冒険が楽しくてミステリーというより冒険活劇系の児童書の気分で読んでいたらラストでびっくりしてしまった。
    最後の久美子さんとの会話が素敵。

  • 眠ると猫の身体にのりうつれる少年が、犬とともに事件を解決していく話。わたしたちは、いつか、ひとりにならなければいけない。その時まで、一緒にいようね。

  • お昼寝すると近所のねこに乗り移って近所の犬と会話できる、って設定なんだけど、
    すんなりと物語に入り込めてしまう。不思議だ。

    私がミステリーが苦手なのは、おどろおどろしたのがすきじゃないから。
    でもこの本や「ほうかご探偵隊」「ぐるぐる猿と歌う鳥」はそういうところがないので読みやすい。

    「ぐるぐる鳥・・・」の文庫本を購入してみたらとても面白かったので調べてみると、
    このミステリーランドというシリーズがあることを知った。
    講談社の名物編集者さんがはじめた企画で、
    「本を読み始めた頃の自分にプレゼントしたくなるような作品を書いて下さい」
    と作家さんに執筆を依頼しているとのこと。
    それで読みやすいのかな。

    ミステリー苦手な人は、このシリーズから入ったらいいかもしれない。

    2012/08/31

  • これは小学生向けなのかな?(ふりがながたくさん…)
    でも面白かった!
    これを読める子どもは幸せだよ!
    本好きになっちゃうんでなかろーか、という読書の楽しみがあります。

    大人びて、家事全般をこなしちゃう智己くんと、ぐうたらで無表情で、でも外面はいいらしい久美子さん。
    久美子さんはでもやっぱり大人で、ぐうたらなところを隠さずにいるけども、実は色々考えていて、素敵な人でした。

    久美子さんが智己くんに教えてくれたことはとってもたくさんあるし、ずっと一緒にいようと言える二人は、血のつながりなんてなくても姉弟です。

    ポールギャリコの本を読んでみよう。

    そして、題名が素敵。日本語も素敵だけど、英訳も素敵。
    two, and two of us

  •  ミステリーランド。一時間ぐらいであっさり読めて良い感じ。
     事件がちょっと重たいかなぁ。直前に読んだ倉知のが日常ミステリだったからそう思うだけか。いや、殺人とかそういうのではなかったんだけれど。
     子猫に憑依できる六年生の男の子が主人公という初っ端からぶっ飛んだ設定。いや、猫になってしまった男の子が主人公の別の話のオマージュらしいんだけれど、その話、読んだことないし。
     ジェニィという名前のその猫とテレパシーで会話が交わせるピーターという犬が、協力して事件の真相を解決して行くというもの。
     冒険小説っぽいアクションもあるし、途中ちょっと長ったらしい話(権力とか征服欲とか)があってうんざりしたけど、そこ以外は普通に楽しめました。
     ちょっと「人死が出る」(空白ネタバレ反転処理)という結果だけ、微妙だなと思うけれど。確かにな、その動機であんなことやっちゃったら、そら「自殺をしたくもなる。」未遂で済んでよかったなぁ。

    05.06.06

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著者プロフィール

1960年高知県生まれ。米エカード大学創作法専修卒業。
『聯殺』が第1回鮎川哲也賞の最終候補となり、1995年に『解体諸因』でデビュー。同年、『七回死んだ男』を上梓。
本格ミステリとSFの融合をはじめ、多彩な作風で次々に話題作を発表する。
近著に『夢の迷い路』、『沈黙の目撃者』、『逢魔が刻 腕貫探偵リブート』などがある。

「2023年 『夢魔の牢獄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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