神様ゲーム (ミステリーランド)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705769

感想・レビュー・書評

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  • 話題になっていたので気にはなっていたのですが、ようやくやっと読むことができました。いやはやこれは確かに問題作ですね。麻耶雄嵩らしいと言いますか。「少年少女のための」と謳っているミステリーランドでこれを書くのがすごいといいますか、らしいと言いますか。

    小学四年生の芳雄の住む街で起こる連続猫殺害事件。その犯人を名指しした転校生の鈴木くんは、自分のことを「神様」だと言うのだった。鈴木くんの話から芳雄たち探偵団は猫殺しの犯人を追跡するのだったが、殺人事件に遭遇することになったのだった。
    鈴木くんが神様である。だから何でも知っている。芳雄はゲームとして受け取るのだが、徐々に信じざるを得ない状況になっていく。鈴木くんの言葉には芳雄自身も知らなかった出生のこと、そして死のことまでもあった。
    これは怖いです。鈴木くんは神様と言えど慈悲の心から芳雄に真実を告げるのでなく、ただ聞かれたから答えるといった調子なのです。淡々と語られることが真実だと認めざるを得なかった時の芳雄の衝撃。それはその後起こる数々の事件の前触れであり、犯人に対して天誅を望んだ時の結果は衝撃を越えてただ受け取るしかできない虚無のような心持ちだったでしょう。
    そして訪れる驚愕の結果。何故? どうして? 今までの推理の流れは何だったのか。鈴木くんは神様だから間違うことはない。だとしたらこの結末が意味するものは何なのか? ぽーんと放り投げられたような結末に身震いします。

  • 本の装丁、大きい文字と漢字には全てルビが振られている。少年探偵団。お子様向きかと思わせておいて、なかなか重いです。薄ら寒い読後感です。

  • 一応子ども向け作品なのですね、コレ。
    子どもにはとても読ませられないと思うし、
    もし読んだとしても「ねぇこれどういう意味?」と
    大人には答えにくい質問を無邪気にしてくる可能性大。

    ジェノサイドロボとかネクロフィリアロボとか
    全然わからなったけど、意味があったんですね。
    こちらも子どもに聞かれたら答えられない。
    (それを作中の小学生に無邪気に言わせているあたり、
     作者は相当な性格なのではと思う・・・)

    鈴木君が神様だと告白したあたりは
    すごく面白くて、どんどん読み進めていったけれど
    最後に向かって後味の悪い展開にスピードダウン。

    さらに結末。
    まだ芳雄が言っていた犯人説の方が納得がいくのに、
    何故その人が犯人なのか?
    読者はポカンとしたままページをめくり、
    そこには楽しそうに笑う探偵団のメンバーがいるのみ。

    ・・・え、終わり!?

    ハテナマークが頭の中をたくさん巡る。
    でも神様が言うことは絶対だから、なるほどこれが真実なのね。
    理由はわからないけど、これが真実なのね。
    まさに死人に口なしね・・・と納得するより他にない。

    これがアリなのかと言われれば、私はナシだと思う。
    でも好きか嫌いかと言えば、嫌いではない。

  • 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」と謳い文句の基に刊行されたミステリーランド第7回配本。

    字も大きくて行間も広い、装丁は子ども向けだけど、衝撃の展開とラストは子どもにはトラウマレベルじゃないかなーと心配してしまうほど。

    でも麻耶さんだしなー。
    絶対「かつて子どもだったあなた」の方に比重おいて書いてそうだなー。

  • 小6くらいの時に初めて読んでゾッとした。それまで読んできた本は、推理小説でも何でも全て完全にハッピーエンドで終わる本だったので、もしこの本を読んでいなかったらバッドエンド好きな今の私はいないと思う。神様も不気味だし衝撃的な作品。

  • ミステリーかもしれないけど、推理小説ではないような気がします。
    良かったもなにも、それも決まってたんじゃないのかな、神様。
    でも、それじゃ神様はあまりにもつまらなくないかなあ。
    暇を持て余した神々の遊びだというの?胸くそ悪い。

  • ちょっと言葉にならない。
    こんな後味の悪い読後感初めてだった。
    これ児童書として置いといていいの?
    こんな話、子供の時に読んだら2日くらい寝込んでしまうわ。もう、なんと言葉にしていいかわからない。
    しかもこれ続編あるってマジですか?
    読むわ。

  • 9784062705769

  • 初めてミステリーランド読んでみたのがコレでびっくり。小学生の子供には勧められないな。
    神様が早々に犯人教えてくれるけど、読者も主人公目線で神様を信じるかどうか迷いながら読むのが正しいのか、
    読者は神様は絶対のスタンスで推理して読み進めるべきなのか、わからなかった。
    共犯者に関してはミスリードでもないしトリックでもないので騙された!って思いはなくただポカーンでした。

  • 子供向けの本だと思うのですが
    想像以上に面白く、さくっと読めました。

    ただ、ラストはもやっとする方が多いと思います。

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著者プロフィール

1969年三重県生まれ。京都大学工学部卒業。大学では推理小説研究会に所属。在学中の91年に『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビューを果たす。2011年『隻眼の少女』で第64回日本推理作家協会賞と第11回本格ミステリ大賞をダブル受賞。15年『さよなら神様』で第15回本格ミステリ大賞を受賞。

「2023年 『化石少女と七つの冒険』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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