人の心はどこまでわかるか (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 462
レビュー : 51
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062720038

作品紹介・あらすじ

悩み、傷つく心を知ると自分も他人も見えてくる!!人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている「心の専門家」である著者が、「人の心とは何か」に心理療法の現場から答える。

感想・レビュー・書評

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  • 自己啓発本というよりは、人の心を扱う専門家の現場について書かれた本。
    自分とは反対の立場の目線で書かれた本なのに、何故かしみじみと読む事ができた。
    人の心を取り扱う、カウンセラーや心理学者たちも普通の人間なんだな・・・と思ったし、作者の真摯にクライアントに向き合う姿勢に好感がもてた。
    いつも母親のように優しく寄り添うだけでなく、時には父のような厳しさも必要。
    何故、カウンセリングにお金や時間という枠組みが必要なのか。
    それには確かにそうだな・・・と思った。

    心を扱う仕事は難しい。
    一歩間違えば、相手は自殺するかもしれない。
    しかも相手は人の心の機微に敏感な人だから、怠惰な態度で向き合えばすぐにそれを見抜く。
    いつも真剣にクライアントに向き合わないといけない、緊張感や真摯さ・・・それはまるで戦いのようだと思う。
    理解される立場の私が反対の立場の人をほんの少し理解する事ができた。

    どちらかと言えば、前半は私のような受ける側の人間向け、後半は専門家向けに書かれている内容だった。

  •  学校や病院など、様々な場所に勤務する臨床心理士たちからの質問を、著者であるベテラン心理士が回答する形式。臨床心理の現場で心理士たちはこういう問題に直面するのか、ということがよく分かり、興味深い。

  • これも職場にあったので空き時間にちょこちょこと読んで読了。臨床家からのさまざまな質問に河合隼雄が答える、という形の本。それなりに古い本なので時代的にそぐわない部分もあるかもしれないのだけれど、臨床している人が読むと何かしら考える刺激になるものが得られるのでは。わたしとしては、カウンセラーの父性について改めて考えさせられた。

  • 人間の心がいかにわからないかを骨身にしみてわかっている者が、「心の専門家」である、と私は思っている。
    要は、本気でやっているかどうか
    人間が生きていく場合、ある程度、モノがないほうが生きやすいのではないか
    私たちの言語表現能力には限界がありますから、実際の体験、実際に起こっていることのほんの一部しか表現することはできないはずですが、いったん言語化されると、あたかもそれがすべてであるかのような錯覚を招きがちです。だから、つねにそういうことを踏まえていないと、大きな間違いをおかすことになります。
    自分が変わるときには、苦しいもの

  • 今の自分にとって、ジャストタイミングで出会えたと思えた本。

    「答えは問処にあり」という言葉がとてもしっくりときて、折に触れて思い出すようになりました。

    そのほか、「その人にとってほんとうに幸せか」考えること、「相手が攻撃できる可能性を残すこと」、「そこにいること」、言葉と心を一致させることなど、多くの示唆をいただきました。

    また、カウンセリングは本人の心に深くコミットするものであり、連携はコミットのための便宜である、という説明は、とてもすっきりと受け取れるものでした。

    これからも、きっと、読み返す機会が訪れる本だろうなと思いました。この本ができるきっかけとなった本も、ぜひ読みたいです。

  • 心理学に携わるカウンセラーの疑問や問いかけに著者が答えていく。クライエント側としても勉強になった。専門家サイドの現場を知るのに良いきっかけになった。カウンセラーも葛藤があるのだと、(人間なのだから当たり前のことなのだが)知ることができた。面白かったが、タイトルに準じた本ではないという印象。

  • ユング派の権威である河合隼雄の一冊。

    2000年初版なので今は若干古臭く感じる記述もあったが、読みやすくて勉強にはなった。

  • 心理学に携わる人からの質問に答えた企画。

  • 多くの方と同じく河合隼雄の著書とは古くから付き合いで、河合隼雄が流行った(?)80年代からかれこれ数十年な感じですが、多作だったこともありなかなか読み切れていません。
    これは分析やカウンセリングにテーマを絞った対談集。戦いの記録でもあり、問いかけでもあり、河合隼雄らしい内容でよかった。

  • ユング派などなど、何度勉強してもよくわからなかったが、
    河合先生がされていることをよんで、ほんの少しはわかった、気がする。

    最近話題?のコミットという言葉(この本が出てきたのはそれより相当前だが…)の元の意味もおもしろかった。

    子どもの夢は要注意、に関しては、
    私自身うまく対処できなかった経験がある。
    反省。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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