父親の力 母親の力―「イエ」を出て「家」に帰る (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 32
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062722841

作品紹介・あらすじ

日本人の家族問題に深層から答える!大きくゆらぐ家族関係。家族を救う力とは!いま、父親にできること、母親に望まれること、子どもが求めていることがわかる本。

感想・レビュー・書評

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  • 河合隼雄の柔らかい書き口の本。子育てにおける、母親の力、父親の力、家の力などを西洋文明(個人主義)とそれを中途半端に輸入した日本のあり方との対比で描く。

    父性の大切さを説くのだが、日本の父親像は古典的に父性ではなく、母性であったと看破。昔に戻るのではない、新しい父親像を模索する。

    ちょっと「昔はよかった」的論調は気になるけど、全体的には納得納得の本なのでした。

  • 大好きな河合隼雄先生の著書。ほかの本も読んでいたので、内容については、すっと頭に入り、腹落ちしましたが、この本だけ読んだ方はどのような感想を持つのだろうか、とふと、思いました。

  • 子供をこの現代社会で育てようとすると、本当に
    いろんな問題に日々直面します。(ちなみにうちは
    共働き家庭です。どちらもハードなお仕事です。
    しかも、結婚してから旦那の家に同居しています。
    7人家族いれば、いろいろあるわけで・・・。)

    私達の小さい頃とは違って、スーパーに買い物をお願いして
    お遣いさせるとか、寄り道をたくさんしながら、
    暗くなるまで四つ葉のクローバー探すとか、
    ザリガニを毎日とって残酷な遊びをしたりとか、
    学校で誰かが泣くまで雪合戦とか誰かができるまで
    鉄棒遊びとか・・・私はそうやって育ってきました。
    しかも、夫婦げんかとか平気でしたり、おばあちゃんのことは
    大事にするものだと教えられて育ったし。
    ただ、物わかりのいい親というよりは、どちらかというと
    気持ちを全くわかってもらえなかった部分の方が
    大きいです。
    でも、そういう経験があったからこそ自分で考える癖が
    ついた気がするし、それが自分で考えてよりよく生きる
    ってことなのかな?って思ってます。

    うちの子育ては、まだまだ始まったばかり。
    でも、ただの物わかりのいい親にだけはなりたくないし、
    やっぱりちゃんと成長する過程の中でいろんな
    困難とちゃんと向き合わせたいです。でも、
    本当にピンチの時は全力で助ける、そんな親になって
    いきたいです。

    ただ、のほほんと暮らしてきた人や今の状態がベストの
    人が読んでもピンとこないかもしれないので、
    本当に悩んでる人、家族のために笑顔で尽くしてるのに
    なかなかそれが旦那の家族に伝わらない人なんかは
    是非読んでください。

  • 「えーっ ただいま紹介にあずかりました、
     河合でございます。
     本日は このような盛大なる会に呼ばれまして
     誠にありがとうございます…」
    ーと この原稿のとおりに進めますと
     みなさん あぁ またか
    という表情になってしまうのですよね

    という前置きをされて
    それからは、普段の話し言葉で
    喋り始められた

    という お話を
    河合隼雄さんのスピーチを実際に聴かれた
    方から 伺ったことがあります

    それ以来
    河合隼雄さんの本を手に取るときには
    勝手に 関西弁(京都弁)に翻訳して
    読むことにさせてもらっています

    「家族」
    新しくて古い、
    古くて新しい、
    概念ですね

    改めて
    「家族」というものを
    考えさせてもらえる一冊でした

  • 家族のあり方が変わってきているということを認識した。
    家族を持つことは苦労が増えることもあるが苦労をしていないと幸福にはなれない。という意味は実感している。
    親は子どもの苦労を見ていられるだけの強さが必要。
    父親は的確な判断力と強力な決断力、不要なものはどんどん切り捨てていく実行力が必要。
    子どもにとっていい家庭とは何か。をよく考える。
    子どもの言うことを常に聞くのはよくないことは分かる。
    ユングの言葉"旅行に出て行く先が分からない時はとても不安になる。我々の人生の旅において、終着駅がどうなっているか分からないのだから、人間が不安になるのは当然だろう。"
    今は何でもお金や機械で手っ取り早く出来ることが多い為の弊害が出ている。面倒なことが大切であったりするのはよく分かる。
    また問題の犯人探しをするのではなく問題解決が大切である。
    慣れない分野の本であったので読むのに思った以上に時間がかかった。

  • 私の人生、まだ70年足らずですが、その間、家族の形態は大きく変わってきたと思います。貧乏だったから家族に会話があったのか、裕福になって個室が増えたから会話が少なくなったのか・・・。職場もバブルまでは、会社が疑似家庭であり男は疑似家庭(仕事)で、女は家事と子育てを、そんな暗黙の役割分担が。バブル崩壊後は男も家庭に。この本は、親子、夫婦、父親、母親、子供、いろいろなことを改めて考えさせてくれました。真剣に会話することも、あいまいなまま過ごすことも、見て見ぬふりをすることも、ケースバイケースなんでしょうね。

  • 無料で出来る、とてもいい施設。納得‼️

    f^_^;

    百年後の家族、どうなることやら?

  • (P86)
    「突撃!」と号令がかかったときに、真っ先に突撃して死ぬのがもっとも強い父性だと思われていた。
    (P87)
    ・昔の父親は強かったと言われるけれど、本質的に昔から強くはなかった。
    ・そこを勘違いして、「昔の強かった日本の父権を復活させよ」と言われるけれど、そうした考えは疑問。
    ・日本でこれから父親が強くなろうとしたら、全く新しい父親像をつくりだす覚悟が必要。
    ・明治の父親は強かったからと、あれを真似しようと思ったら、大きな間違いを起こすことになる。
    ・あれは、父親がいばるための制度。
    ・人間としては鍛えられていなかった。
    (P89)
    ・羊の群れ。オスの羊が1歳になると殺す。
     オスが何頭もいると統率がきかなくなる。
    ・羊の群れをコントロールして人間が生きていく放牧のパターンと、
     「聖書」の1歳の男の子を殺す話はほとんど一致する。
    (P90)
    ・父親の存在感 殺すか生かすかの生殺与奪の権力と、それを行使する判断力や勇気
    (P166)
    ・人間というのは、怒ったり怒鳴ったりするから価値があるというのに。
    (P167)
    ・いい子になんか育たない
    (P169)
    ・そういう子どもの一面を、おもしろいと思うか、不具合と思うかの差
    ・人間というのは、こんなにおもしろいものなんだと思いはじめたら、いろいろなものが見えてきて、どんどんおもしろくなってきます。そこに気づかないまま、あくせく働いているのは、やはり大きな損をしている
    (P170)
    ・いまは電車がちょっと遅れただけでも、みんな怒りまくっています。ちょっと予想外のことが起こると、なかなかそれに対応できないでイライラをつのらせます。機械にそういうことを求めるならいいけれど、それを人間にまで求めるから、おかしなことになるのです。
    (P227)
    ・家族の文化、家族の無意識、とひとことで言うのは簡単ですが、そこにある重さ、深さ、広がりにとてつもない存在感があり、まるで自律した動きを持つべつの生き物が、家族の世代を超えて生き続けているかのように感じられるような事例に出会うことがあります。人知をはるかに超えたところで、予測もしなかったような出来事が起こり、あとはするすると糸が解けていくように物事が展開していくのを体験することがあります。家族に宿る魂という言葉がふさわしいのかどうかはわかりませんが、まるで家族の中心に知恵者としてのなにかが存在し、家族の成熟を促したり、家族全体としての絶妙なバランスを保ってくれているようにも感じます。しかし、家族の大きな変化には、死と再生ということがつきものですし、それが象徴的に起こることばかりとはかぎりません。正直いって、事例を担当することに怖さを感じたりすることもあります。(酒井律子さん 京都市教育相談総合センター カウンセリングセンター)
    (P229)
    ・三代ぐらいたつと、家族のパターンに合わせられない子どもが出てくることがある
     厄介者
     じつはその子が改革へのきっかけを与えてくれる

  • 共感できる部分もあるし、そうなんだろうなと思う箇所も多々あったが、結局は著者の思いであったり考えであって、データなどの裏付けや理由付けなどがほとんどなかったため、ただ著者の考えを聞かされてるだけで全く面白くなかった。まぁ本は著者の考えを述べるものなのでそれはそれでいいし、面白くなければ読むなよというはなしなんですけど。

  • 家族の問題について各現場から河合隼雄に寄せられた質問に、自説を述べながら答えている。目新しいことはないけれど、わかりやすく納得しやすい内容。。
    一貫して言われていることは「世の中、何でも自分の思い通りに行くわけではない」ということ。
    だからこそ生きていく上で拠り所が必要で、それが今失われつつある宗教やイエが果たしていた役割。
    日本社会の質・形の変化を悪者に、「昔は良かった」とするのではなく、変化に適応できていないのをどうにかすべき。

    ・長い個人主義の歴史をもつ欧米と、最近個人主義を大切にする風潮が出てきた日本。
    個人主義が悪いという訳ではない、和を尊ぶことでうまくやってきた日本では強い「個人」を育てる仕組みが弱い。
    →道徳規範が弱まって統制のとれない個人の暴走が増えている気がする。教会や儒教、神道(ご先祖様orおてんと様)の存在は躾の中にある。
     
    ・必要なものは簡単に手に入る、お金があれば大抵のことは外注できる、時間をかけなくても帳尻が合う便利な時代。
    昔は母親のアカギレや夜なべ姿から親の愛情は自然に感じて育つことができたが、家族の有難味を感じる機会が減っているいる今は、子へ対話して伝える必要がある。でもうまくいかず形骸化しがち(Ex.「〇〇してやってるだろう!」)
    才能がなくても気まぐれに語った子供の夢を応援する経済的余裕があるせいで、子供を宙ぶらりんにさせてしまう親の問題もある。
    →月並みだけど、物よりも心を通わせるコミュニケーションが大事。

    ・昔の日本の父親は強かったというけれど、威張っていただけで父性としては弱かった。母親の役割を下請として父親がやるのも意味がない。父性とは「子供が自分を信じてやることに対しては、誰からも守ってやる」というもの。
    →迷惑だから危険だからと何かとリスク回避型になっているのは、子供に対しての父性を日本全体が失いつつあるのかもしれない。

    ・「家族の絆」という言葉も昔は「家族に絆(ほだ)されて」という、束縛やしがらみなど悪い意味で使われていた。
    今では家族の繋がりが薄くなりすぎて、あって当たり前の「絆」が大切なものと扱われるようになった。

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著者プロフィール

河合 隼雄(かわい はやお)
1928年6月23日 - 2007年7月19日
兵庫県多紀郡篠山町(現・篠山市)出身。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。1952年京都大学理学部数学科卒業後、京都大学大学院で心理学を学びつつ、数学の高校教諭を兼業した。
天理大学で助教授時代にユング研究所に滞在し、ユング派分析家の資格を取得。日本における分析心理学の普及と実践に邁進。箱庭療法導入者としても知られる。欧米の心理療法を日本文化に根ざす仕方で導入を試みており、日本論・日本文化論の著作も多い。
主な受賞歴に、1982年『昔話と日本人の心』で大佛次郎賞、1988年『明恵 夢を生きる』で新潮学芸賞、1992年日本心理臨床学会賞受賞、1996年NHK放送文化賞をそれぞれ受賞。1995年紫綬褒章、1998年朝日賞、2000年文化功労者顕彰。
なお2012年に一般財団法人河合隼雄財団が設立されており、そこで本人の名を冠した「河合隼雄物語賞・学芸賞」が設けられている。

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