負けない技術 20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062726061

作品紹介・あらすじ

相談の中で多いのが、「勝つための技術を教えてください」というもの。「格好よく勝つにはどうしたらいいんですか」などと聞いてくる人もいる。そんなとき私はこう応える。「格好よく勝とうなんて100年早いよ」と。これは私も含め、すべての人に言えることだ。「勝ちたい」という欲に囚われてしまっている人の「格好いい勝ち」は、ひどく醜い。しかし、「醜い勝ち方」が「格好いい勝ち方」だと多くの人が錯覚してしまっている。

感想・レビュー・書評

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  • 自分は麻雀知らないし
    ルールも分からないんですが

    勝負事のプロはどういう目で【勝負】を見てるのか気になり読みました

    なんだろ…若干プロレスと似てるような考え方ですね
    麻雀だけでなく
    世の中の争い事や、ギャンブル、スポーツ、仕事に全て通ずる思考だと思います

    【勝つ】と【負けない】の違い
    これは凄い納得!

    気になるかたは読んでみては?

  • 裏麻雀の世界で代打ちとして20年間無敗を誇った「伝説の雀鬼」である著者による、勝負事にかんする彼なりの人生訓・人生哲学といったエッセイです。裏麻雀って何なのかと検索してわかるところでいうと、企業やヤクザなどが賭博を行うためのものだったり、地域への進出や撤退を賭けたものとして行われていたりするものだということです。そういうことで回っている世界があり、そういった世界のあれこれが表の世界に潮の満ち引きのように影響を与えてもいるのでしょう。そういう世界の裏麻雀であまりに伝説的な活躍をしたがため、こうして表の世界で「世に出る」ことになったのかもしれませんし、それこそ名を知られたほうが安全だ、みたいな論理もあったのかもしれない。表の世界のわかりやすいところでこういった話を知ることができるのは、Eテレの「ねほりんぱほりん」がそうだったりしますよね。

    巷で「常識的なこと」としてよく言われる事の真逆を往く考えが多く述べられていて、その理由が独特の論理だったり論理に読めそうだけれど単に論理風だったりもしながら考えを支えています。魅力的な思想に映るけれども、信者にはならないでいたいと思いながら読みました。あくまで「自身で考える種をいろいろと得た」くらいの気持ちで。なぜなら、内容が人生に肉薄するものばかりゆえに、だからこそ、自分から近寄っていって触れてとりこみたい誘惑からできるだけ無になって距離を取っていたい、いちばん大事なのは自分で考えて自律的に生きていたいということですから。本書の教える通りに信じて従ったとして、うまくいかないときに責任をとるのは自分の人生なんです。

    でも、そういった距離感で読んでいても刺さってくる言葉は多いです。なかでも、怒りは被害者意識からくるもので、それを緩和させるには加害者意識を持つことだ、という見抜きには唸りました。被害者意識と怒りの結びつきについては僕もわかっている範囲のことでしたが、そこで加害者意識をしっかりもつことを説くのはさすがです。

    人間、生きていれば、数多の被害を受けながら人生が進んでいくものですが、同時に、意図していてもしていなくても、かなりの加害を多くの他者に加えているものです。そこを、多くの人は意識していなかったりしませんか。被害にばかり意識がいって、加害については大目に見たりすぐ忘れたりしている。それだけ、被害者意識っていうのは、人間の心理の中で強いものなのだと思います。加害しているのだ、と意識すると、自分の被害つまり相手の加害について躊躇がうまれるでしょう。それが、自分だっていろいろやらかしていてお互いさまじゃないか、という意識に繋がっていくと思います。人間って相手に何かをやったりやられたりしているものなのに、いちいち自分の被害だけに感情的になっているのはおかしい、という気付きにもなりそうです。

    そこで厳しく、「じゃあ、今日から自分は相手に加害をしないようにずっと意識していくし絶対にしない。だから、相手からの被害も許さない」という方向へ行くのか、それとも、「自分だって許されたいんだし、相手も許そう」という方向へ行くのか。行き詰らないのは後者だと思いますが、前者の道をいった人も、回りまわって最後には後者に行き着くような気がします。

    人間、年齢を重ねて丸くなる、というのがありますが、丸くなる人はたぶん、自分の加害性に思いが及んでいる人です。いくつになっても丸くならない人は、いつまでたっても自分は被害者だと思いこんでいる人だと思います。

    子どもは人生経験が少ない分、加害した経験が少なく、そして人間本来の性向といえると思いますが被害者意識が強い状態で生きています。だから、癇癪を起したり、小さいことで怒ってケンカをしたりなどするのかもしれない。こういった面では、「子どもの気持ちのままの大人」でいないほうがいいのかもしれません。そういうのはまた違った面の話です。

    さきほど、信者にはならないように読んだ、と書きましたが、それは誰かと対面で話をきく場合もそうです。相手が魅力的な人物だとしても、姿勢は崩さないでいたい。本書は、忌憚のない彼一流の人生哲学です。強さがあり、魅力があります。ただ、そこへの触れかたなんです。あわてて丸のみはせず、ゆっくり落ちついて味わうといいでしょう。

  • 麻雀界の鬼才である桜井章一さんが、麻雀に限らず、他の勝負事でも通用する普遍的な真実を教えてくれている本です。タイトル通り、「勝負事」についてかなり深く書かれていますが、それだけでなく、運気の流れや感覚的なものなどを、達観した視点で書いているところが本書の特徴です。
    特に私の場合、プレッシャーに弱く土壇場で力を発揮できないことがこれまでたくさんあり、この点を克服したいと考えて本書を手に取りました。
    本書では「勝ちたい」と「負けない」は違うということが最初に提示されます。
    「勝ちたい」という気持ちは、自分を示したい・・・といった欲望から生じたもの。「勝ちたい」という欲は際限はなく、自然界を見渡しても「勝ちたい」は存在しないと筆者は言っています。振り返ってみると、私自身はこれまで勝ちにこだわる気持ちが強く出てしまっていたところが数多くありました。しかし、本書が言うように「勝ちたい」という意識は自分の欲に囚われているということ。その状態で勝負に臨んでいたから、これまで望む結果が得られなかったことが多かったのかもしれないと感じました。一方で「負けない」という意識は本能からきているとのこと。故に「負けない」という意識でいることで、力も抜けリラックスできるということでした。
    タイトルこそ「負けない技術」ですが、どちらかというと技術よりも「心構え」が中心の内容です。
    これまでの自分を振り返った時の失敗した経験に当てはめると、本書の内容は本当に的を得るものでした。目下、上手くいかずもがくことが少なくない自分には、考えさせられる言葉がたくさんありました。目先の利益に目を奪わてしまいがちなところが私にはあり、そのことで大切な何かをいろいろ逃していた部分にも思い当たりました。
    他に、勝負強さを養うためには「準備・実行・後始末・そしてまた準備」を習慣づけることが大事、という部分にも納得できました。「準備・実行・後始末・そしてまた準備」・・・これって、つまりPDCAサイクルと同義だと思います。当たり前のことを習慣づけることが、負けない技術なのではないかと感じています。
    今後は「勝つ」ではなく「負けない」を目標にしていきます。
    勝負事での敗北は、99%が意識過剰からくる自滅だと本書は言っています。勝負事に関しては自分を成長させる試練、あるいはゲームとしてとらえ、建設的な結果を残すにはどういう「心構え」でいればよいかを普段から考える癖をつけるようにします。

  • どんな人か気になっていたので購入。

    なるほど、言っていることは分かった。
    この人はかなり感覚的な人なのだな。
    感覚的なことを人に伝えるのは難しい。
    例えば「耳で見る」とか。
    ただ、論理で説明できることは限られているし、最近はこういう感覚的なことこそ本質だったり重要だったりと考えが変わってきた。
    だからこの本は芸術的感性で、全体の話から感じ取るものなのかなと。
    準備・実行・後始末、の考えはわかりやすかった。
    日常的にこういう訓練をしていることが、勝負のときの決断力などに結びつくということか。
    強い人はやはりその勝負だけでなく、その人の人生そのものが強いのではないか。

  • 勝とうとするよりも、負けないようにすれば結果として勝つ。負ける要因の9割は『自滅』である

  • 雀鬼ならではの具体的な体験談を期待して手に取ったが、全体的に抽象論が多く、今一つ入り込めなかった。
    冒頭では勝負事・人生における「勝ちたい」という気持ちの危うさを問いており、いかにしてその気持ちを抑えて無敗の男になったかを知りたいのだが、断片的なエピソードが多くその点が残念であった。

  • 勝とうとするのではなく、負けないようにする。両者は似て非なるものであることがよく伝わってくる。

  • なかなかおもしろかった。基本的には著者の経験則から勝負事(もしくは仕事、人生)において「負けない方法」を伝授する内容なのだが、もちろん具体的なテクニックよりもメンタル的な姿勢に重きが置かれている。で、その内容がよく自己啓発的な本で言われていることと180度違う内容になっていたりすることも多く、それがおもしろい。たまーに麻雀のたとえが入ってきたりもするが、基本的には麻雀のルールを知らない人でも理解できるような内容になっており、そこらへんはうまく一般化できているように感じた。

  • 桜井章一さんという、プロの元麻雀師の方が書かれた本です。
    本屋でちらっと立ち読みした時、書いている内容に惹かれたので、買って読みました。
    大体私は、どこかの高名な大学教授、有名な心理学者などが書いた本よりも、色んな分野において、自分の実際の体験から得たことを書かれている本の方が納得できるし学べることが多いです。
    この本も「そうだよな~」と思う部分が多くてその一部分を挙げると、「ビギナーズラックの必然性」という章で、

    『賭け事の世界では、初心者が瞬く間に大金を稼いだりすることがある。いわゆるビギナーズラックというやつだ。そういう初心者に対して「ラッキーだね」「ツイてるね」という言葉だけで片付けてしまってはいけない。ビギナーズラックはけっして偶然ではない。ビギナーズラックは起こるべくして起こっているのだ。「難しく考えない」ここにビギナーズラックの必然性がある。人は、ものごとがわかってくるとだんだんと難しく考えるようになる。知識や情報が増え、考えが広がっていくとそこに迷いが生じてくる。(中略)勝負は複雑にすればするほど、「負け」へと近づくことになる。勝負の世界でも「シンプル・イズ・ベスト」ということがいえるのだ』

    こんな風に書かれてあり、全くその通りだと思いました。
    この作者は裏プロの世界で20年間「代打ち」をしてきて一度も負けたことがなかったそうです。
    そして、
    難しく考えずシンプルに打ってきた。
    行き詰ったときは自然に学んできた。
    と書かれてありました。

    だけどただカンに任せてあるがまま打ってるわけじゃない。
    普段の生活の中から漫然と生きてないというのが垣間見えました。
    例えば、今いる場所から別の場所にいる時、10個用事ができてからじゃないと動かなかった、そうです。
    私なんてたった一つの用事ですら移動途中に忘れたりするのに・・・。

    あと物事には準備や後始末が大切だとあり、やはりそういう努力はキチンとされてるのだと思いました。
    難しく考えないのがいいからって、何もしないで適当にやって勝てるほど勝負は甘くないですよね。

  • 本書の概要
    麻雀界の鬼才である桜井章一さんが、麻雀に限らず、他の勝負事でも通用する普遍的な真実を教えてくれている本です。タイトル通り、「勝負事」についてかなり深く書かれていますが、それだけでなく、運気の流れや感覚的なものなどを、達観した視点で書いているところが本書の特徴です。

    本書を手に取ったきっかけ
    特に私の場合、プレッシャーに弱く土壇場で力を発揮できないことがこれまでたくさんあり、この点を克服したいと考えて本書を手に取りました。

    本書では「勝ちたい」と「負けない」は違うということが最初に提示されます。
    「勝ちたい」という気持ちは、自分を示したい・・・といった欲望から生じたもの。「勝ちたい」という欲は際限はなく、自然界を見渡しても「勝ちたい」は存在しないと筆者は言っています。振り返ってみると、私自身はこれまで勝ちにこだわる気持ちが強く出てしまっていたところが数多くありました。しかし、本書が言うように「勝ちたい」という意識は自分の欲に囚われているということ。その状態で勝負に臨んでいたから、これまで望む結果が得られなかったことが多かったのかもしれないと感じました。一方で「負けない」という意識は本能からきているとのこと。故に「負けない」という意識でいることで、力も抜けリラックスできるということでした。

    本書を読んでどう感じたか
    タイトルこそ「負けない技術」ですが、どちらかというと技術よりも「心構え」が中心の内容です。
    これまでの自分を振り返った時の失敗した経験に当てはめると、本書の内容は本当に的を得るものでした。目下、上手くいかずもがくことが少なくない自分には、考えさせられる言葉がたくさんありました。目先の利益に目を奪わてしまいがちなところが私にはあり、そのことで大切な何かをいろいろ逃していた部分にも思い当たりました。
    他に、勝負強さを養うためには「準備・実行・後始末・そしてまた準備」を習慣づけることが大事、という部分にも納得できました。「準備・実行・後始末・そしてまた準備」・・・これって、つまりPDCAサイクルと同義だと思います。当たり前のことを習慣づけることが、負けない技術なのではないかと感じています。

    本書を読んで今後どうするか
    今後は「勝つ」ではなく「負けない」を目標にしていきます。

    勝負事での敗北は、99%が意識過剰からくる自滅だと本書は言っています。勝負事に関しては自分を成長させる試練、あるいはゲームとしてとらえ、建設的な結果を残すにはどういう「心構え」でいればよいかを普段から考える癖をつけるようにします。

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著者プロフィール

1943年東京・下北沢生まれ。昭和30年代から、麻雀の裏プロの世界で勝負師としての才能を発揮。“代打ち”として20年間無敗の伝説を築き、“雀鬼”と呼ばれる。現役引退後は、「雀鬼流漢道麻雀道場 牌の音」を開き、麻雀を通して人間形成を目的とする「雀鬼会」を始める。
主な著書に『決断なんて「1秒あればいい』(ソフトバンク文庫)、『感情を整える』(PHP文庫)、『努力しない生き方』(集英社新書)、『体を整える』(講談社)、『「実践」で身につけた本物の教養』(クロスメディア・パブリッシング)、『超絶』『金メダリストの条件』(以上、竹書房)などがある。

「2021年 『瞬間は勘と愛なり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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