ボスだけを見る欧米人 みんなの顔まで見る日本人 (講談社+α新書)

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著者 : 増田貴彦
  • 講談社 (2010年11月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062726870

ボスだけを見る欧米人 みんなの顔まで見る日本人 (講談社+α新書)の感想・レビュー・書評

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  • 空気を読むということを心理学とか民族とかどうにかして裏づけを取ろうって取った本。
    タイトルのキャッチーさからするとかなり真面目。

    割とカナダ(色んな人種)と日本とかの話が多めでメインにすえてあるが、普通にアメリカなんかも入っている。

    世界は意外と広かったり、考え方とか見え方とかは文化的背景によるものだし、普遍的感覚なんてないけど上手くやっていける方法はあるはずだよって本。

  • 世界観とは、世の中はどういうものなのか、ということについてその文化で共有されているものの考え方。
    総じて東アジア文化圏のWebページは欧米文化圏のWebページと比較して、文字数やリンクが多く、スクロールバーの長さも短い。

  • 欧米文化圏と東アジア文化圏の視点の違いを文化心理学の手法で分析したものです。タイトルの「ボスだけを見る欧米人 みんなの顔まで見る日本人」も単なる思いつきで言っているのなく、ちゃんとした実験によって確かめられている傾向らしいですよ。

  • 同じく視界に入ってきたものについてでも、全ての人が同じように認識し解釈するわけではない。文化、習慣などによって、人はそれぞれ異なった解釈をするのである。
    同じ絵や写真を見ても、欧米人は物事の中心となるものに注目し、東アジア人は背景を含めた全体の関係性に注目する傾向がある。これは、欧米人が分析的思考をする傾向があるのに対し、東アジア人は包括的思考をする傾向があるからである。
    文化によってものの見方が異なるということは、外国の人と交流をした際に感じることだが、特に海外で生活すると一層違いが際立つ。日本人の場合、これまで外国=欧米という認識も強かったように思うが、現在は多種多様な人々と交流をせざるを得ない時代になった。最初から違いを受け入れることはもしかすると難しいのかもしれないが、違いが存在することを認めること。まずはそれを意識することは非常に重要だと考える。

  • 「分析的思考様式」と「包括的思考様式」
    「個を見る」か「全体を見る」
    「全ての情報を載せようとするとややこしくなるから、重要な情報だけをとりあげよう」と「たとえ複雑になってもできるだけたくさんの情報を載せたほうがよい」
    分類する差異
    「カテゴリに含まれる物事すべてに共通する要因に着目する」と「カテゴリに含まれる物事に対して、たとえ共通の属性でなくとも、全体的になんとなく似ているかに着目する」

    分析的思考様式:世の中のさまざまな物事はすべて最少の要素にまで分解することができ、その要素がどのように作用するかということや、これらの要素の間の因果関係を理解すれば、物事の本質を理解できるという信念といえる。
    包括的思考様式:世の中は複雑であり、物事の本質を理解するためには、関連したさまざまな要因が複雑に絡まり合っているありよう、つまり物事の全体像を把握する必要があるという信念といえる。

  • 11/08/08
    文化心理学の本。ふむふむ。

  • 最初にこの本の中の代表的な心理学実験を紹介する。画面上に5人の人物を示し、その中心にいるリーダー格の人物の表情(怒り、悲しみ、喜びなど)から、その人物が感じていると思う感情の強さを実験参加者に判断してもらうというものだ。ただしある画像では、中心人物が笑顔を見せ、他の4人も笑顔だが、他の画像では中心人物は笑顔なのに他の4人は怒っているという違いを作っておく。参加者には、あくまでも中心人物の表情からその感情を判断してもらうよう念を押した。

    結果は、日本人の実験参加者は、背景の人々の表情に影響されて中心人物の感情を判断する度合いが強かったという。これに対してアメリカ人の参加者は、周辺人物の表情からの影響をまったく受けないで判断をしたという。さらに画像を見ているときの視線のパターンを測定したところ、日本人の場合は、周辺への注視が平均して15パーセントあったのに対し、日本在住の欧米人の場合は、周辺への注視はほとんどなかったという。総合的な結果を見ると、周辺の人物への注視度は、日本在住の日本人で一番大きく、続いて東アジアからカナダへの留学生、東アジア系カナダ人、そして最後にヨーロッパ系カナダ人とう順が確認されたという。

    この実験結果をうまく使って出版社が作ったのが、『ボスだけを見る欧米人 みんなの顔まで見る日本人』というこの本のタイトルなのだろう。

    この実験は「文化心理学」の立場から、その考え方を立証するために行われた実験のひとつである。文化心理学では、個々人の信念や考え方の差もあるだろうが、それを超えた文化による差も大きいと考える。日本をはじめとした東アジア文化圏と、アメリカ、カナダ、オーストラリア、そして西欧など欧米系文化圏とに二分したときに、それぞれの文化圏に特徴的な考え方やものの見方が見いだせるのではないか、という予想のもとに研究がすすめられている。東アジアと欧米という二つの文化圏で主流の世界観が、私たちのものの見方に影響を及ぼす可能性を心理学実験により実証しようとしているのだ。そして過去十年の各国での継続的な研究から、「こころと文化の切っても切れない関係」を示す有力な証拠が、数多く積み上げられているという。

    文化心理学では、東アジア文化圏で特徴的な思考様式を「包括的思考様式」、欧米文化圏で特徴的な思考様式を「分析的思考様式」と定義し、こうした思考様式の違いが私たちの物事のとらえ方に影響を及ぼしていると主張する。

    分析的思考様式は、世の中のさまざまな事物はすべて最少の要素にまで分割することができ、その要素間の相互作用や因果関係を理解すれば、物事の本質を理解できるとする考え方だ。科学技術の基礎となっている機械論的な世界観といってもよい。男性原理の世界観だともいえる。

    一方、包括的思考様式は、物事の本質を理解するためにはまずその全体を把握する必要があるとする考え方だ。これは東アジアで花開いた老荘的、大乗仏教的な世界観が反映されている。機械論的な世界観に対して生命論的世界観といってもよい。まず全体があって全体のなかで個々の部分も意味をもってくるというとらえ方だと思う。

    この東西の世界観の違いは、双方の医学の考え方の違いで説明するとわかりやすい。西洋医学は、どちらかというと体を機械のようにとらえ、その部品をなおすことを主眼とするようなイメージだが、漢方などでは体全体のゆがみやバランスの崩れから各症状をとらえて、全体的視点からの治癒をめざすようだ。

    この二つの世界観の違いは、「自己観」の違いとしても現れるようだ。欧米文化圏の人々は、「人とは他の人やまわりの物事とは区別されて独立に存在するもの」という「相互独立的自己観」をもつ傾向がある。一方、東アジア文化圏では、「人とは周囲の人々との役割や立場を介した関わりの中で成り立っているもの」という「相互協調的自己観」が多くの人々に受け入れられている。

    そういう自己観の違いから、東アジア文化圏の人々に比べ欧米文化圏の人々は、自分を三人称的に(第三者の目で)見ることに慣れていないだろうという予測ができるが、実験結果はその通りであったという。理想の自分像と現実の自分像の間にどれほどずれがあるかを尋ねる実験では、日本人はそのズレを充分に認識していたのに、アメリカ人はズレを認識する度合いが低かったのである。つまり自分を第三者の目から客観的に見れない傾向が強いということだ。

    ◆他にも興味深い心理学実験がいくつも紹介されている。文化心理学の画期的なところは、昔から言われていた東西の世界観の違いを、実験心理学的に実証的に確認したことだろう。しかも、その違いが私たちの日常的な物事の認識の仕方や、対人関係の認識の仕方、自己理解の仕方にまで、影響を及ぼしていることを実証的に示したことであろう。

    ただ、欧米文化圏、東アジア文化圏という分け方はかなり大雑把で、欧米でも地域差はあるだろうし、東アジアでも中国と韓国、日本とではかなりの違いがあるだろう。その辺の違いは、実証的に確認されているわけではない。農耕・牧畜的で民族間の紛争を繰り返した大陸の人々の世界観と、稲作農業中心で他民族による侵略のほとんどなかった日本人の世界観の違いという視点からの、実証的な差異はほとんど見えてこない。

    しかし、こういう手法を用いて研究を重ねるならば、東アジア文化圏の中での地域差も実証的に明らかにされていくのではないか。

  • 各文化のなかで、育まれた人間関係のありかたまでもが、ものの見え方と密接に結びついているとして、心理学を研究している。第3章の’文化によって異なる注意力’は納得。
    分析的思考&包括的思考の対比。

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