「病院」がトヨタを超える日 医療は日本を救う輸出産業になる! (講談社プラスアルファ新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062726986

作品紹介・あらすじ

世界が絶賛! 逆転の発想で低コスト・高品質医療を実現!!
東京・八王子で「病気にならない街づくり」を実践。医療を「商品」として輸出産業化するドクターの挑戦!

日本がバブルに浮かれていた1980年代後半、大学病院で勤務医をしていた私は、この国の保険診療システムは遠からぬ将来に崩壊すると危機感を募らせていました。財源をどこに求めるか。膨れ上がる一方の医療費を、どうやって捻出するか。たどり着いた結論は、2つです。国内に新たな財源が期待できないなら、国外に財源を求めること。そしてもうひとつが、医療コストそのものを抜本的に引き下げること。両極端の結論のようですが、別にどちらか一方を選ぶ必要はありません。国内では「世のため人のため より良い医療をより安く」を追求し、それと並行する形で「日本の医療を輸出産業に育てる」ことで外貨を稼いでいけばいいのです。

●お金のかからない最高の医療
●ワンコイン診療で医療費半減
●医療崩壊の正体は「医療費崩壊」
●「世界に誇る国民皆保険」の真実
●「安さ」があなたの命を縮める!
●安易な医学部定員増加が招く不幸
●医療は35兆円規模の巨大産業
●日本の医療にいまこそCEOを!
●日本発の低コスト・高品質医療
●医療崩壊は最後の大チャンス

感想・レビュー・書評

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  • 「お荷物」というイメージの医療を「産業」に転換できれば、日本の未来は明るいという内容。

    「増大する一方の日本の医療費」というのは、裏を返せば「確実に拡大する市場がある」ということに他ならない。このチャンスを生かすには医療を産業とするには何が必要である。ということで、筆者自身の考えとそれに基づいた事業を紹介している。
    政策を動かすのは難しい。よって、できること、つまりマネジメントから変革を起こそうとする筆者の姿勢に好感をもった。

  • 現代医療の問題点、特に国民皆保険制度、診療報酬制度についてわかりやすく書かれていて、筆者の主張は抜きにしても勉強になった。確かに、現代の日本にフィットしない、問題のある制度であると感じる。
    病院の経営を株式会社化し、市場の原理に任せるという考え方はとても好きだが、そのために何ができるか?というところまでは想像がしにくかった。加えて、もしこのモデルが実現したとしたら、実力のない医師は排除されるはずで、非常に身の引き締まる思いだった。

  • 成長産業の一角に医療を位置付け、メディカルツーリズムの誘致を唱える政策も立ち後れている事が良く分かり、目からウロコでした。

  • 来たる超高齢社会においていかに効率的で質の高い医療の仕組みを構築するか。
    病院組織をビジネス視点から捉え再構築しようとしたパイオニア的な本。

  • 東大の医学部を卒業後、病院での勤務経験を積んだ1995年に東京・八王子で自らの名を冠した「北原脳神経外科病院」を開設、「世のため人のため、より良い医療をより安く」・「日本の医療を輸出産業に育てる」という理念のもと、「ニッポンの医療を変える男」として注目を集める北原医師。国家予算の半分に迫る勢いで増え続ける国民医療費や、医師不足による医療崩壊という大問題を解決するには、医療を「福祉」ではなく利益を生みだす「産業」に転換することが唯一にして最善の方策と考える。多忙な診療の傍らで経済学や海外の医療事情を学んだ著者は「今の日本経済にとって最大の成長産業は医療」と結論付け、医療の危機を「産業化」で乗り切ろうという斬新な発想を展開する。その理念どおり2016年にはカンボジアに病院をオープン、産業としての医療を極め、「日本の病院まるごと輸出」を実現した。評論家ではない行動家が熱く語る医療改革論。

  • 壮大な野望は感じるが、具体的な方策については、ピンと来たり来なかったり。
    海外事業の将来性についてもっと具体的に述べて欲しかった

  • 医療機関と患者の間でお金のやり取りが発生する以上、医療についても産業として捉えるべき。
    また、サービス提供者と顧客という観点から見直すことが必要。

    著者の主張はそのとおりだと思う。
    お医者さんたちにとっては耳の痛い話だろうが。

    ただ、タイトルの輸出産業の部分は、具体策が書いてあるわけではなく、著者の提案が述べてあるだけでした。
    その点に関心があって読んだので、なーんだという感想になりました。

  • vol.192 医療が産業として進出するために必要な5つの要件とは?
    http://www.shirayu.com/letter/2013/000387.html

  • 国民皆保険全廃を唱える北原氏の医療民営化論とでもいうべき本。アメリカ型の医療経済を志向し、反面教師としているとのことだが、その志は高いと思うが、アメリカの陥っている状況と同じにならないようにするにはどうしたら良いかという掘り下げは残念ながら本書では省略されているようであった。医療が効率化しなくてはならないのは確実であり、その方策が皆保険全廃というショック療法であることは理解できるが、アメリカ型にならないという理由が日本人であるからというのは少し弱いように感じた。

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著者プロフィール

(きたはら・しげみ)
1953年、神奈川県に生まれる。医療法人社団KNI(Kitahara Neurosurgical Institute)理事長。東京大学医学部を卒業後、同大学病院脳神経外科入局。1995年に北原脳神経外科病院を開設。2010年12月に医療法人社団KNI、北原国際病院と改称し、現在に至る。「世のため人のため より良い医療をより安く」「日本の医療を輸出産業に育てる」を経営理念に、入院患者家族の院内業務への参加、ボランティアに病院内で使用できる地域通貨「はびるす」発行、駅ビル内の総合クリニックで「ワンコインドック」実施等、次々と斬新な取り組みに挑戦している。東日本大震災の被災地の医療による復興支援のほか、内戦で荒廃したカンボジアの医療を立て直すべく、総合医科大学と附属病院建設のために奔走している。
著書には『「病院」がトヨタを超える日』(講談社+α新書)がある。

「2011年 『「病院」が東北を救う日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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