「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 52
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727112

感想・レビュー・書評

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  • 著書の要旨は「はじめに」と「おわりに」に結ばれていることで、『まずはキャリアアップという幻想を捨てることから始めよう。キャリアにはアップもダウンもない』ってこと。浅い見方だけで言ってしまえばホントにそれだけ。

    前半章では、「転職を繰り返すほど年収は下がる」(リクルートエージェンシーの紹介傾向調査)といった転職やキャリアップにまつわる幻想を取り払う項目に字数が割かれ、人材育成や企業論理に是正を求められる問題点があげつらわれているが、無論、社会批判が目的ではない。

    全般的には、自己啓発が無意味でだったり、むしろ害悪であったり、セルフブランディングや自分磨きの痛い人たちの例が多々引用される。「ツイッターは馬鹿の可視化」とか。読み方によってはけっこうカチンと来たり、ツッコミを入れたくなる部分もあるんだけど、これは人材コンサルとしての視点の内から発する所見であって、キャリア育成の現場におけるリアルな観察事象であることは間違いないわけで、批判しにくいところです。趣旨には反するんだろうけども、いちおう転職するにあたって知っとかないと致命的というか半死にしてしまうテクニックなんかも言及されてます。そこへんはさすがに人事のプロだけあって目から鱗が2、3枚は落ちます。

    終章に「20代のときに私が知りたかった12のルール」なる結びがある。1.広い視野を持て、2.謙虚であれ・・・やらのありきたりな顛末で、普通であればツマンネーで終わってしまう類なんだろうけども、序章でひねり出された展開から一貫性を持って読み込むと、とっても心に突き刺さる読了感になるからまぁ不思議。「明日も頑張って仕事しよっと」って日記に書きたくなりました。

    スキルアップして社会に貢献したいとか、ここではないどこかに野心を持っているとか、何か試みたい思っている人がいたら、読んで絶対に損はないです。文体が粗雑だったり軽快過ぎたりするんだけれども、著者自身の転職変遷にみる経験談というか身の上話から紡ぎ出される警句なんかは、むしろ誠実な書き手の印象をもつに至ると思われます。

    かしこ

  • 著者の転職偏流の章がおもしろかった。自分の目の前にある仕事をやること、ご飯の食べられる仕事をしながら興味のある分野に触れておくこと、自己啓発や資格は読んだきり取ったきりでは意味がない(どう活かすのか)の視点が必要だってことだ。アウトプットしながら揉まれることだ。

  • 意識高い系、リクルート本の原型が、この本にはある。

  • 20代で、これからどう人生を送るかという状況の人を応援する内容

    筆者の仕事や転職体験、それに付随する意識が綴られているので、
    なかなか面白かった

    恋や会社はときに裏切るが、
    愛と仕事は裏切らないは名言

  • 「恋と会社は裏切るが、愛と仕事は裏切らない」そうです。

  • 自己啓発と転職の罠にはまらないためには?

    →頭がいいことと仕事ができることは違うということを認識すべき
    仕事につながる自分磨きである必要がある
    本を読んで、どうすれば自分の生き方、働き方に役立つかと考え、実行する癖を持たなければ意味がない
    自己満足ではなく、常に顧客に役に立つかの視点が必要

  • マジメにコツコツ、真剣にやる。身も蓋もない、唯一の手段。近著にも連なる常見さんのイズムに基づいた一冊。

  • 安易な転職に待ったをかけてくれる。物事の良い面悪い面を見ること。転職に伴う良いイメージ、現状を打破できるのではないかというイメージはよく検証しなくてはいけない。本当に転職するべきなのか、自分磨きやキャリアアップに騙されてはいけない。バカヤロー!ということばで、重すぎず、それでも私たちに投げかけてくれる疑問に出会えてよかった。

  • やりがい、好きなものに携わっているという搾取
    古市憲寿 若者に諦めることを教えねばならない。なぜならあきらめを教えてもあきらめない奴はあきらめないのだから。
    スガシカオ やりたいことがなければ金を貯めろ。
    「生きるとは、働くとは、ここまでやることなのだ」
    ビジネス書著者を見ぬく。
    バルザック、ダンテ、ジョセフ・コンラッド、ディッケンズ ノルウェイの森の引用

  •  リクルート出身で、自らも転職経験のある著者が「キャリアアップ」の不毛さと仕事を通じての成長について論じている。転職とか自分磨きに興味のある人は読んだ方がいいかも。
     そもそもキャリアはキャリアであって、アップしたりダウンしたりするものではない。そして、「やりたい仕事」などというのは妄想にすぎない。
     自分磨きに熱心で、自己啓発本を読み漁ったり異業種交流会に出かけたりする人がいるけど、彼らがみな仕事ができるわけではない。セルフブランディングをするなら、変な肩書をつくるより、日々の仕事を着実にこなしていくべき。ブランドは信頼から生まれるもの。「キャリアアップ」という言葉に振り回されるのではなく、まずは目の前の仕事に全力投球し、成果を出すことが重要。
     著者の主張は決して目新しいものではない。地に足のついた堅実な考え方だと思う。そんな考えの本が「新書」になってしまうぐらい、フワフワした考えの社会人が多いんだと思う。

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著者プロフィール

千葉商科大学国際教養学部専任講師、働き方評論家。1974年生まれ、北海道札幌市出身。一橋大学商学部卒業、同大学院社会学研究科修士課程修了。リクルート、バンダイ、クオリティ・オブ・ライフ、フリーランス活動を経て2015年4月より現職。専攻は労働社会学。働き方をテーマに執筆、講演活動に没頭中。『僕たちはガンダムのジムである』(日経ビジネス人文庫)、『「就活」と日本社会』(NHKブックス)、『「意識高い系」という病』(ベスト新書)、『なぜ、残業はなくならないのか』(祥伝社新書)、『「働き方改革」の不都合な真実』(おおたとしまさとの共著、イースト・プレス)など著書多数。

「2018年 『社畜上等! 会社で楽しく生きるには』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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