軍事力が中国経済を殺す (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
2.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 21
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062728614

作品紹介・あらすじ

2014年春、ついに中国でデフォルトが始まった! しかし、世界不況下、かつての日本が行ったように欧米へ「集中豪雨的輸出」をすることもできない。そこで工業設備の活用のため、お鉢が回ってきたのが軍事力の増強、すなわち軍拡である。
 こうして中央銀行たる中国人民銀行は、この軍拡と、治安維持、不良債権の買い取り、環境対策のため、政府へのマネー供給機関に成り下がる。すると中国元の信認が失われ、インフレが亢進していく。そして、中国経済の命脈は2017年に途絶える――。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2014年刊。著者は埼玉学園大学経済経営学部教授。
     
     中国破綻を煽る書だが、厚みのなき内容で、短時間でのスキッピング・ザッピングに適している。
     結局、日本の平成バブルに酷似した現中国の資産バブルがどの程度か、そして米サブプライムローン破綻に類似するオフ・バランス目的の証券価値の暴落が、どの範囲の金融機関の体力を、どの程度痛めつけるかにかかるのだろうなぁとの感。
     これは公開情報が乏しく(実際本書でもデータ的には大したことは書かず。かつ資産バブルは簿価と時価をどうとるかで損失規模を隠蔽できるので判断が難しい)不明点多し。
     そうなる可能性もあるし、破綻範囲・損失規模が小さければそこまでには至らず、ソフトランディングは可能。というくらいしか言えない。

     エネルギー・資源問題は別として、軍事覇権よりも、軍装備品輸出大国を指向した軍備の技術的進展(さらには米へのキャッチアップ)を狙っているのではという印象。
     さすがに、正面切って米国と現在対決できると考えているほど、能天気ではあるまい。

     なお、中国のエネルギー問題は、石炭=環境という観点以外、本書では余り触れられない。

     そもそも、著者の著作を見ると、金融論(恐慌やバブル等を含む)・金融制度論(中央銀行論を含む)が専門のように見える。生データに信憑性の置けない中国の金融政策論をどこまで論じられるのかは疑問なしとしない。まして軍事政策論は著者のテリトリーとしてはどうなんだろうか…。

  • 2014年春、ついに中国でデフォルトが始まった! が、世界不況下、かつての日本のように欧米へ「集中豪雨的輸出」をすることもできない。そこで工業設備の活用のため、お鉢が回ってきたのが軍事力の増強、すなわち軍拡である。こうして中央銀行たる中国人民銀行は、この軍拡と、治安維持、不良債権の買い取り、環境対策のため、政府へのマネー供給機関に成り下がる。インフレの亢進で、中国経済の命脈は2017年に途絶える!

全2件中 1 - 2件を表示

著者プロフィール

1950年秋田県生まれ。埼玉学園大学経済経営学部教授。法政大学経済学部卒、慶應義塾大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。経済学博士(慶應義塾大学)。( 財)日本証券経済研究所主任研究所員、長崎大学経済学部教授、埼玉大学経済学部教授をへて現職。主著に『GNP大国になる日本』(講談社)『日本銀行論:金融政策の本質とは何か』(NHK出版)『環境と人間のための経済学:転換期の資本主義を読む』(ミネルヴァ書房)など多数。

「2015年 『よみがえる日本、帝国化するドイツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

相沢幸悦の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジャレド・ダイア...
ウォルター・アイ...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×