イギリス人アナリストだからわかった日本の「強み」「弱み」 (講談社+α新書)
- 講談社 (2015年6月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062728973
作品紹介・あらすじ
日本文化を愛し、日本社会と日本経済の歪を鋭く、イギリス人らしくシニカルに撃つ著者の、ベストセラー『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』に続く第二弾!
ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして、バブル崩壊時、日本の金融機関の不良債権の本当の額をだれよりも早く指摘した著者が四半世紀見続けた日本社会の「強み」と「弱み」を指摘する。また、前著で説かれた日本論や観光立国による成長戦略に寄せられた批判にも応える。
感想・レビュー・書評
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首相・内閣・経営者への提言
日本に欠ける「弱点」は「数値の理解不足、議論を端的に短時間に出来ず、結論を先延ばしする」、よって世界でも異様に映る「生産性効率の悪い国」となっている事に納得する。それは企業のみならず政治の世界でも同じで「メスを入れなければならない(自分達が不利になる事)事項に対し結論、対策に対する「先延ばし」が延々と続いているのも納得いかない。ここにある「過去の長い高度高成長」が由来する主な原因であれば、そろそろ世代交代・次世代が発揮しなければならない世界となっていも良い頃合いだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本人が一般的に「強み」だと主張しているところに、論理性が足りないこと(=wooly thinking)、客観性が足りないことが数字を基に検証されているのが面白かった。
こういったロジカルな議論が乏しい国で、今後グローバルに競争していくのが難しいのではとやはり感じてしまう。日本的な「井の中の蛙」は今後、様々な局面で日本を世界から取り残してしまうのではないだろうか。
日本人が実は個人主義が強い、というのは同感である。文句は言うが、自分ではやらない、自分に飛び火してきて欲しくない、というのは、税金、福祉、国づくり、様々な場所に見て取れる。
全体的に「強み」よりも「弱み」と若干の批判に重きが置かれている気がした。イギリス人ならではのシニカルさか。 -
元ゴールドマンサックスのアナリストで現小西美術工藝社(文化財補修を行う職人大工)社長が、客観的事実を積み重ねた極めてロジカルに日本の現状分析と今後の課題を克服するための方策が綴られている。
主張をサポートする図表も的確だ。辛辣な指摘もあるが、読んでいても不快に感じることのない表現や言い回し。
彼によれば、日本人の面倒くさい文化やwooly thinking、客観的事実に基づかない感覚的施策が、様々な成長機会を妨げてきたのだという。(詳しい説明は著書にて)
論理明快、突きつけられる事実は事実であるがゆえに溜飲を下げるしかなく、日本の評論家や知識人と称する人々の意見もいかに散漫な思考が混じってしまっているのだろうかと感じずにはいられない。
また、教養がある人の書いた文章なのか、余談的な箇所にも情報が詰まっており、興味深く読み進められる。 -
日本文化を愛し、日本社会と日本経済の歪を鋭く、イギリス人らしくシニカルに撃つ著者の、ベストセラー『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』に続く第二弾!
ゴールドマンサックスのカリスマアナリストとして、バブル崩壊時、日本の金融機関の不良債権の本当の額をだれよりも早く指摘した著者が四半世紀見続けた日本社会の「強み」と「弱み」を指摘する。また、前著で説かれた日本論や観光立国による成長戦略に寄せられた批判にも応える。 -
返却期限のため読まずに返却。
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2017年44冊目
元ゴールドマンサックスの金融調査室長であり、今は小西美術工芸社の社長を務めるイギリス人からみた日本の強み弱み。
長年日本に住んでいながらにしても外国人としか見られない著書からみた日本人。
興味深いのは著者自身は京都に住み、古い町家を当時の雰囲気を残して住んでいるのに、京都に住む日本人が古い建物を壊してマンションに住みたがるということ。
そのような指摘がごもっとも。
日本人について一歩離れた視点でおかしいと感じる点も指摘しており興味深い一冊でした。 -
時間があれば
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内容は面白いし提言もその通りなのですが、日本人としてうまく心に響かない内容だなぁ、と個人的には思った。非常に不思議な感覚に包まれた。文化の違いなのか、オイラが日本人の意識に毒されているだけなのか。
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決して読んで不愉快になるようなことはなかったな。終わりに、著者が懸念してたけど。そこまでバカではないつもりだ(苦笑)。まずは数字やロジックというものについて、よく考えないといけないなと思った。