- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062729321
作品紹介・あらすじ
筆者は1通の手紙でポール・マッカートニーを口説き落とした男
「文章力ゼロ」からプロの物書きになった筆者だから書けた「21世紀の文章読本」。
(本書に登場する名文家)
村上春樹氏、山本周五郎氏、井伏鱒二氏、茨木のり子氏、川上弘美氏、酒井順子氏、志水辰夫氏・・・・・・・ほか
(本書の主な内容)
SNSのプロが気づいたこと
文章がどんどん短くなっている!
オーガニックな文章の書き方とは
わたしをプロにした編集者の指導法
沢木耕太郎さんの教え
「詩を読む」のが文章上達の近道
孫正義「17歳の企画書」
ユニクロ柳井正氏の「檄文」に学ぶ
まるでダメな謝罪文の例
頭のなかの映像を説明するように
(本文より)
さて、ここまでSNSの投稿、メッセージに出てくる文章の特徴を挙げた。
だからといって、わたしは特徴に合わせて漢字を少なくしよう、句読点を増やそうなどと言いたいのではない。
むしろ逆だ。ここがこの本の大事なところだ。
短くて、しかも絵文字が出てくる文章を書くのは容易だ。それよりも、誰もが短い文章を書く時代になったからこそ、長くても、わかりやすい文章にすればいい。語彙を増やし、句読点を減らし、それでいて読みやすい文章を書くことが、これからのビジネスパーソンにとっては絶対に必要になってくる。
感想・レビュー・書評
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201冊目読了。
SNS時代の文章の特徴は、記号や句読点が増えて文が短く漢字が少なく、賢い人・面白い人・物静かな人に見られたがっている。
目指すべき文章はこれらのむしろ逆であり、長くてもわかりやすく、語彙を増やし、句読点を減らし、読みやすい文が必要。その修業、準備から執筆、ビジネス文書の書き方、表現、五感や名言の活用を挙げている。
無理に個性を出そうとせず、オーガニック(プレーン)な文章を目指すこと。
描いて削って書き直しか。
良い文章をもっと読んで学ばないと。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2017/12/08 15:20:01
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SNS時代において、どんな文章を書けるかが望ましいかを記した指南書。
SNSに限らず普遍的なものだと感じた。 -
読みやすいです。基本的な事が多いので、参考になります。
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内容としてはSNSに限ったことではないので、SNSに縁のないかたも読んで参考になると思います。
SNS時代の文章の特徴(著者および3人の共通する意見)
1. 文章に写真や動画、絵文字が付いてくる…他のメディアを駆使、たとえばURL添付なども
2. 記号、句読点が増えている…疑問符、感嘆符はもはや当たり前
3. 読む人を意識した文章になっている…添加物のない「オーガニックな文章」がウェブ上で好まれる
4. 読む人に目の高さを合わせた文章が好まれる…上から目線は嫌われる
5. (ここからは野地氏が気づいた点)文章の中の漢字が減った
6. 文は短くなり、体言止めが多くなっている…反射的に返事しないと、相手が不機嫌になるので「また明日!」のような体言止めばかりになる
7. コロケーションが間違っている…コロケーションは豊かな文章を書くための武器で、正確に使えば言語表現は知的に感じられるものだ
8. 個性と賢さを出したい人たちが文章を書いて投稿している
この8についてですが、「SNSに頻繁に書いている人は自分のイメージを『賢い人、面白い人、物静かな人』と思ってもらいたいのではないか」との著者の類推は興味深いです。
「嫌われるような内容はあえて書かずに中庸な態度を保ち、しかし、難解な本を持ち出したり、美術について評論したりしてどこかで知性を主張している」
「『この店で爆食』なんてこともたまに書くけれど、それは仮面だ。お茶目な自分を表現しようとしている。」
「彼らはわかりやすく、平易な文章を書く」
「彼らは伝えたい内容よりも、自分がどういう存在に見られるかの方が気にかかっている。『賢い人、面白い人、物静かな人』に見られたい。」
なるほど言われてみると、いろいろな投稿を見て、確かにそういう面はあるかも。
私の場合、ときどきレビューからの足あとがあってそれはとても嬉しいのですが、彼らからは私はそんなふうに見えているのかしら?
ところで3にある「オーガニックな文章」とは
➀ 記号、カッコ、句読点が少ないもの
Ⅰ あおり文句、これでもかといったような押し売りの言葉、大げさな擬音語がない…淡々と事実を書いて、そこに説得力を持たせるのが文章の力、安っぽい文句は書かない。ただし、話す場合は別(例:ジャパネットたかたのCM)
Ⅱ カタカナ用語、テクニカルターム、IT用語は必要最小限に…文章は伝えるためにある。伝わらない文章は存在する意味がない
さらに工夫したいのは
ユーモアの気配が感じられる文章を書く…素っ気なさを補い、読みやすくなる。決して笑わせろと言っているのではない
色っぽい部分をいれる…読者が読んでいて気を惹かれる部分を。平坦にならないために
起承転結はビジネス文書に向かない…前置き、結論、説明の三部構成をすすめる
こういうことを念頭に置いて書いていると、自然と8に書いたような人になっていくのではないでしょうか? -
三葛館新書 816||NO
SNSというツールは、現代社会から切っても切り離せないものとなりました。それに併せて、文章の書き方や表現方法も変化を遂げてきました。本書はSNS独特の文章も意識しながら、時代が変わっても変わらない、良い文章の書き方のコツなどを紹介しています。
著者がオススメの名言・名文もありますので、どうぞ文章の書き方に悩んだりアドバイスのほしい方は、ぜひ本書を開いてみてください!
(うめ)
和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=86583 -
SNSに絞った文章術の秘訣を知ろうとページを繰れども繰れども、さしたる秘訣はなく、どの媒体にも共通する文章読本だった。かいつまんで書くと以下となる。
〈留意する4ポイント〉
◉何を書くかテーマを明確に。
◉簡潔に明晰に書く。
◉オーガニックに書く。
◉ユーモアの気配を滲ませる。
だそうな。
この4点、とりわけSNS時代での文章はオーガニックを心がけなければならないと。この4つを押さえておけば、後はパソコンの前に座るだけで書けると。
ほんまかいな?
〈オーガニックな文章とは何ぞや?〉
・平易で飛び跳ねた表現を慎む。
・形容詞の多用を抑える。
・ありふれた言葉は排除。
・カタカナ用語は最小限。
・事実だけを淡々とユーモラスに書く。
だそうで。
〈文章修行はどうすれば?〉
好きな作家の文章を書き写すこと。
文章読本を読むよりはるかに効果あり。ちなみに著者は沢木耕太郎氏とのこと。
ふ〜ん。
野地さんの著作を読むのはこれで5冊目。この本は編集者からの要請で書いた匂いがプンプンとしますわ。「コレを書きたい!」という前のめりな強い訴えが欠乏してまっさ。
この感想文をオーガニックな文体で書こうと試みるも、そもそもオーガニックやナチュラルさを醸す人が苦手。ゆえに己の中に敬遠する因子がありましたわ(苦笑)。 -
20160730 その通りなんだと思う。自分で感心したところから意識してみるつもり。オーガニックか、サラリといければ良いが。