霞町物語 (講談社文庫)

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  • 講談社
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レビュー : 122
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730150

感想・レビュー・書評

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  • いままで読んだ氏の作品の中で一番好きかも。色褪せつつも鮮やかな家族のアルバム…その一ページ毎のエピソードが切なく哀しく綴られています。

  • 夜のJ-WAVE 朗読番組で出会いました・・・・

  • こんな美しい小説を読んだときに思うのは,もっと若いときに読んでおきたかったということと,とは言え,死ぬ前に読む機会に巡り会えてよかったなということの2つ。時は昭和,今の西麻布あたり,消えてしまった地名・霞町にある写真屋に生まれ育った,粋でおしゃれな東京っ子・僕の物語。連作短篇集。どれも素晴らしいが,特に,深川の芸者であった美しい祖母の最期と,若い頃に付き合いのあったらしい紳士が遺族の許を訪れる様を描く「雛の花」「遺影」の2篇にぐっと来る。
    (乃木坂文庫版,表紙はおしゃれな伊藤万理華さん,おしゃれなこの小説にぴったり)

  • 短編集、お坊ちゃんの青春もの、今日はとんだスイバレでよう

  • 祖母の粋にしびれる。

  • 戦後の昭和、高度経済成長で東京も都市開発が活況を見せ始める時期、学生運動華々しい時期に、東京の霞町で高校時代を過ごした主人公と家族、そして仲間たちの物語。連作短編という形式を採りながら、少しずつ家族の歴史が紐解かれていく。

  • 「青い火花」の後半、どこかで読んだことがあるなぁと思って思い出してみると、高校時代に受けた模試の現代文で読んだのだった。模試であることを忘れて、ひきこまれたのを覚えている。模試が終わってから、全文読みたいと思っていたのにいつの間にか忘れていた。数年越しに読めたことに運命を感じる。
    「卒業写真」はずるいなあ。感動しないはずがないストーリー。

  • 目次
    ・霞町物語
    ・夕暮れ隧道
    ・青い火花
    ・グッバイ・Drハリー
    ・雛の花
    ・遺影
    ・すいばれ
    ・卒業写真

    著者の青春時代を反映した自伝小説?
    甘く切なくほろ苦い?
    ちょっとナルシズム入っちゃってたりしたら、読めたもんじゃない。

    ところが、主人公であるはずの僕よりはるかに魅力的なのが、彼の祖父母だ。
    江戸っ子で、粋で、気風(きっぷ)がよくて、ボケている祖父。
    写真技師としての誇りが高く、妥協をしない。
    その祖父が心から愛していたのが、元深川芸者の祖母。

    学生運動の嵐が通り過ぎたころの東京の高校生。
    学校から帰るとバリッとしたコンテンポラリィのスーツを着て、タブカラーのシャツに細身のタイを締め、髪はピカピカのリーゼントで固め、ブルーバードのSSSやスカイラインに乗ってダンスに繰り出す。
    酒もたばこも女もあり。
    進学校なので、校内の成績が多少悪くても、まあ慶応くらいには行ける。

    そんな主人公の青春物語よりも、はるかに祖父母の物語の方が深くて濃い。
    ちょっと影は薄いが、両親もいい。
    優しくて、写真の師匠である祖父に頭の上がらない入り婿の父と、あっけらかんと明るい母。

    祖母を巡る、口にされることのない家族の秘密。
    大人が大人であった時代。

    死期を悟り、家族がまだ寝ている早朝に、ひとり荷物をまとめて病院へ向かう祖母も格好いいが、好きなシーンはこちら。

    “僕が高校を卒業する年の冬、祖父はスタジオの籐椅子の上で、ゴブラン織りの絵柄のようになって死んでいた。
     駆けつけた父は、祖父の膝からライカを取り上げると、胸に抱きしめて、わあわあと泣いた。検死の医者や警察官が来ても、近所の人がおくやみに来ても、そのままどうかなっちゃうんじゃないかとまわりが気を揉むほど、スタジオに立ちつくして泣き続けていた。”

    血のつながりより強いきずなのあった祖父と父。
    いつも頭ごなしに怒られていても、二人だけにわかる信頼がそこにあったのだなあと思わせるシーン。
    家族の在り方が、とても美しくて泣けた。

  • 浅田次郎といえば「泣かせ」ですが、この作品集は自伝的小説のせいか、余りエモーショナルに走らず、自制が利いています。私よりも少し年上の、しかも都会の少年の自叙伝になりますが、不思議な懐かしさがあって気持ち良い作品です。
    一族の描き方も良いですね。特にボケが始まった名人かたぎの祖父の正気のときの格好よさ、いかにも明治の江戸っ子。そして深川芸者だった祖母の伝法さ。著者の思い出の暖かさがにじんでくるような文章です。
    一気に読み上げてしまいました。

  • きっと時代そのものが活気に溢れてたんだろうな。それにしてもどうしてこんなにも他人の人生を綴った物語なのに懐かしさを感じるんだろう…。

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著者プロフィール

浅田 次郎(あさだ じろう)
1951年、東京都出身。
1995年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、1997年『鉄道員』で直木三十五賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、2006年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、2008年『中原の虹』で吉川英治文学賞を、2010年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞、2016年『帰郷』で第43回大佛次郎賞それぞれ受賞。2015年には紫綬褒章も授与されている。
2018年現在、日本ペンクラブ会長、直木賞、柴田錬三郎賞、山本周五郎賞の選考委員を務める。2018年12月15日、『輪違屋糸里』が藤野涼子、溝端淳平、松井玲奈らの出演で映画化。

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