アメリカの夜 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 716
レビュー : 82
  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730570

感想・レビュー・書評

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  • どっかで見たことある文体だとおもったら、蓮實重彦だった。

    この主人公なんか知ってるとおもったら、ああ、これ、自分か、って気になった。もちろん、こんなふうに自己言及はできないんだけど、読んでいて、始終いたたまれない気持ちになったのは、「唯夫」の考え方だとか、行動だとかが、いかにも、わたしの好きそうな、やりそうなことだったせいだと思わざるをえないんだぜ。

  • クライマックスで爆笑した。不条理でまるで空気を読まない暴力にウンコの姿を思い出す。

  • 玉ねぎを剥いていくような読書体験であった。
    剥ききった果てには当然何もない。しかしその何もないということが、我々を落胆させることはないでしょう。
    その虚無に何を感じられるだろうか。

  • 2013/10/7読了。
    「好きだな、この本」というのが、一番の感想。
    最初の方は、少しペースが掴みづらく、退屈な気もしたけれど、だんだん「うん、わかる、わかる。」と引き込まれて行った。

    私は誕生日からして、「春分の日」のひとだけれど、何故か気持ち的には、「秋分の日」の人だなぁ。そういえば、私の周りにはこのどちらかの人たちが多くて、夏生まれの人や真冬日生まれの人とは、あまり仲良くなれない。などなど…いろいろと考えることが出来て、幾らか「謎」が溶けた気がする。

    「インディヴィジュアル・プロジェクション」も、読んでみようか。

  • テーマは、ありがちな若者の自分探しの物語だか、主人公は作者の分裂であり、分裂した自己との対話で本書は成り立っている。
    誰よりも「特別な自分」であることを証明するために主人公。結局は「特別な存在」にはとうていなれないという虚しさを募らすだけと知りながらせっせと「特別な自分」の証明を試み続ける主人公。
    日常生活の中での仮構を突き崩す、暑苦しくぶっきらぼうな暴力性を認識しながらも、なお書かねば落ち着かないという、書き手にとっての悲痛さを主人公に投影し、主人公と作者が対話をする。伏線も多く難解だが、面白い。

  • 今でいうところの中二病的思考なシネフィル青年の話。
    「特別な存在」でありたいと願う唯夫は、昼と夜の長さが同一になる「秋分の日」生まれということに特別さを感じ、対する「春分の日」的なるものと闘う決意をする。何の冗談か!と!もうニヤニヤしてしょうがないw 唯夫を記述する筆者もまた唯夫自身の別人格で、それはどうやら小説自身の筆者=阿部和重らしく、虚構の中の虚構の虚構と構造が凝ってる。いきなり訳の分からないブルース・リー論から始まって予想のつかない展開も読みづらい文章も全て阿部和重の狙い通りか。
    時代は90年代。そして非常に90年代的な小説。サブカルな若者の日常、バブル崩壊後の倦怠感、ネット以前の世界。まさに「小春日和の時代」だったバブル時代から「秋分の日」なる時代へと突入した日本。何と闘えばいいのかわからない90年代の若者の代表が唯夫だ。コーネリアスも「太陽は僕の敵」と歌う。当時、同年代だった僕の周りに唯夫は確かに存在したのだ。

  • 本を読む楽しさを知るきっかけになった作品。しみじみ。

  • 阿部和重の堂々たるデビュー作。全部詰め込んで、思いが溢れて自分まで飛び出してしまったというような反則的蛇足に感動した。

  • 今読み返したらどう感じるかはわからないですが、今まで読んだ本の中で、一番グッときた気がする。いや、一番じゃないかな。まあ、どうでもいいですね

  • もう少し前に読んでいたら嫌悪感で溢れただろうし、
    もう少し後に読んでいたら憐れみを抱いただろう。
    このタイミングだからこそ理解。

著者プロフィール

1968年生まれ。『アメリカの夜』で第37回群像新人賞を受賞し作家デビュー。’99年『無情の世界』で第21回野間文芸新人賞、2004年に『シンセミア』で第15回伊藤整文学賞・第58回毎日出版文化賞、’05年『グランド・フィナーレ』で第132回芥川賞、’10年本作で第46回谷崎潤一郎賞をそれぞれ受賞。他の著書『クエーサーと13番目の柱』『IP/NN 阿部和重傑作集』『ミステリアスセッティング』ABC 阿部和重初期作品集』対談集『和子の部屋』他多数。

「2013年 『ピストルズ 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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