メビウス・レター (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
3.20
  • (18)
  • (64)
  • (183)
  • (28)
  • (6)
本棚登録 : 674
感想 : 96
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730921

作品紹介・あらすじ

男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。数年後、作家・阿坂龍一郎宛てに事件の真相を追跡した手紙が、次々と送りつけられる。なぜ阿坂のもとに?そして差出人の正体は?阿坂は人妻のストーカーに付け狙われ、担当編集者は何者かに殺害された。すべてがひっくり返る驚愕の結末とは!?傑作長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • どんでん返しがいくつかあるが、衝撃というほどではないというか、何というかその動機はダメだ。

  • 封印した過去をもつ主人公のもとに過去の罪を告発する手紙が送られてきます

    そして、身の回りで殺人事件が起きる


    現在の話を進めつつ手紙で過去の話を描いていきます

    現在と過去がどう結び付くのか考えさせながら読ませるうまい書き方だと思いました

    また、読者を飽きさせないように所々に驚きをちりばめてあり、ラストまで一気に読めました

  • どんでん返し、で検索したらひっかかった1冊。

    関係者が誰かはなんとなくわかる。
    実は全く違う人物を装っていることも。

    ただ、じゃあ誰なのかというと、そこまでは当たらない。

    ちょっと凝りすぎたかなぁ。トリッキーすぎるというか。

  • 全てがひっくり返るほどではない。まぁそんなもんか、というところに落ち着く。個人的に手紙で話が進むのは大好物なので星3。

  • 男子高校生が謎の焼身自殺を遂げた。数年後、作家・阿坂龍一郎宛てに事件の真相を追跡した手紙が、次々と送りつけられる。なぜ阿坂のもとに?そして差出人の正体は? 阿坂は人妻のストーカーに付け狙われ、担当編集者は何者かに殺害された。すべてがひっくり返る驚愕の結末とは!? 傑作長編ミステリー。
    (1998年)


  • 作家である主人公を追い詰める、「過去」からの手紙。登場人物が多くないことも読み手の想像や推理を掻き立てます。
    過去と現在が入り混じるまさに「メビウスの輪」のような複雑なストーリー。そして過去と現在が重なった先は驚きのラストでした。
    自分の頭の中で整理して道を切り拓きながら読み進めていくので、作者の作り出す世界に放り出されるような感覚になりました。
    主人公の目線で感情的に読んでも面白いし、作者の挑戦状を受けて論理的に読み進めるのも面白いと思います。

  • 入り組み絡み合った真相。
    登場人物が少なくて、結末は終盤に予想が出来てしまったのが残念。
    半分くらい読んだところで、物語の鍵となる部分も予想できてしまう。。。

    ただ、終盤で一度夢オチならぬ、書落ちを挟むのだけれど、その部分にはエンターテイメント性というか、読者を楽しませる工夫を感じました。

  • 高校生の焼身自殺と連続殺人、作家を取り巻く編集者とストーカー主婦の死と放火事件、そして過去からの手紙。
    謎が謎を呼ぶドンデン返しの応酬でした。過去からの手紙といえば、当然アレですし、一人称がぼくといえば、やっぱりアレだよなと思いつつ、読み進めましたが、大きく裏切られる展開でした。

  • 作家、阿坂龍一郎のもとへ、ある日、奇妙な留守番電話のメッセージとともに、一通の手紙が届いた。
    一通だけに終わらずその後も届く手紙には数年前に焼身自殺を遂げた男子高校生の死の真相が語られていた。
    なぜ今頃?なぜ阿坂のもとに?
    過去に追い立てられるように落ち着かぬ日々を送る阿坂の周辺で殺人事件が起きて…。

    *****

    声を変えての留守番電話、そして、差出人不明の手紙…出だしから不気味。
    出てくる人物たちも何だか少し奇妙な部分があったりと、ハラハラしながら読み進める。
    編集者やストーカー女性といった、物語の中でも“日常”に存在するひとたちがちらりと見せる“狂気”の部分。
    怖かった。
    主人公?阿坂が手紙になぜおびえるのか、そのあたりの謎も徐々に分かってくるのだけれど、途中何度か「えっ」となりながら。
    最後に明かされる謎に「えぇっ」と驚く。

    男子高校生の自殺の謎。

    阿坂の抱える謎。

    その他のひとたちの謎。

    様々な謎が交錯する。

    『冬狐堂シリーズ』にも登場する根岸&四阿(あずまや)コンビに会えるのは嬉しかった。

    *****

    北森さんが亡くなってから、私は作品を読み始めました。
    現在になって、少しずつ読んでいる読者としては新作が今後出版されないことはとても寂しいです。

  • これは、アレな叙述トリックだろうなと目星はついたものの、入れ子式にあれやこれやと目まぐるしく転向展開し、あっと驚く大団円?!過去からの手紙が紡ぐ犯罪のメビウスの輪。

全96件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1961年山口県生まれ。駒澤大学文学部歴史学科卒業。’95 年『狂乱廿四孝』で第6回鮎川 哲也賞を受賞しデビュー。’99 年『花の下にて春死なむ』(本書)で第 52 回日本推理作家協会賞短編および連作短編集部門を受賞した。他の著書に、本書と『花の下にて春死なむ』『桜宵』『螢坂』の〈香菜里屋〉シリーズ、骨董を舞台にした〈旗師・冬狐堂〉シリーズ 、民俗学をテーマとした〈蓮丈那智フィールドファイル〉シリーズなど多数。2010 年 1月逝去。

「2021年 『香菜里屋を知っていますか 香菜里屋シリーズ4〈新装版〉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

北森鴻の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×