スプートニクの恋人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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レビュー : 1249
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731294

作品紹介・あらすじ

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。-そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • たまに必ず読みたくなるんです。村上春樹さんの小説。熱狂的なファンがいる一方、素敵なストーリーを求める読書には敬遠されがち。では私が何故、時々彼の小説が無性に読みたくなるのか、自分でも無意識だったが、素敵なストーリー性よりも、村上さんの独特な不思議ワールドのなんとも言えない奇妙なパラレルワールド的な世界観、そして見事に美しい文章(音読したくなる)にどこか惹かれているのだろう。だから他人に勧めるかと言えばNOだが、自分が満足したかと言われればYESである。

    スプートニクとはソ連の初の人工衛星の名前だが、人工衛星同士はなかなか交わる事はなく地球の周りをグルグル周り、ほんのある瞬間、交差するときに近くをすれ違う。

    主人公と、すみれ、ミュウと言う三人が、それぞれに両思いにはなれずに、まるでスプートニクの人工衛星のように恋愛感情がすれ違う様子が丁寧に描かれています。

    最後、あぁこのまま終わっちゃうのかなぁと思っていたところ、ほんとに最後の2ページでバシッと流れが変わり、エンディング、、あぁ、まさかの余韻が来ました。

    きっとまた村上さんの作品は読みます。別の著者の感動的なストーリーの作品を何冊か読んだあと、無意識に何かを求めて。

    • kanegon69 さん
      麻理さん、いつもコメントありがとうございます。実は私も苦手なんです!^_^ 私はヒューマンドラマ系や、素敵な話、あとドキュメンタリー系...
      麻理さん、いつもコメントありがとうございます。実は私も苦手なんです!^_^ 私はヒューマンドラマ系や、素敵な話、あとドキュメンタリー系、ミステリー系などが好きです。でも、何故か読んでしまう不思議^ ^ ハルキストの皆さんには申し訳ないが、ストーリーはあまり面白くない、惹きつけない、、そもそも村上春樹氏が読者を喜ばすために書いてないそうです 笑 でも文章が綺麗で、なんか不思議なワールドなんです。ちょっとダークな。だから一切誰にも勧めないです。自分にも勧めてないのに、気が付いたらレジに、、笑 ほんと不思議な出会いです。
      2019/02/24
    • mikahayashiさん
      『女のいない男たち』を読んでから、村上春樹を読んでみようと思いつつも、何を読めばいいのか?となかなか手を出せないでいました。
      『スプートニ...
      『女のいない男たち』を読んでから、村上春樹を読んでみようと思いつつも、何を読めばいいのか?となかなか手を出せないでいました。
      『スプートニク…』読んでみます!
      2019/02/24
    • kanegon69 さん
      mikahayashiさん、コメントありがとうございます。私は今年からプクログ始めましたので、去年読んだのですと、アフターダーク と 色彩を...
      mikahayashiさん、コメントありがとうございます。私は今年からプクログ始めましたので、去年読んだのですと、アフターダーク と 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 の2作は good でした^ ^
      2019/02/24
  • 「僕」のすみれに対する想い、出会えた喜びが真っ直ぐに伝わってくる。
    成就するとかしないとかはともかく、こんなふうに人を愛せたら、幸せなんだろうなぁ。
    これはミュウとすみれの物語ではなく、確実に僕とすみれの物語だ。

    地中海に浮かぶ、ギリシャの小さな島の風景や、ミュウの観覧車の話は、まるで映画のワンシーンのようだった。

  • もう十年以上昔のことである。とあるホテルに泊まったときの話だ。
    フロントでキーを受け取って、自分の部屋へ行くために、僕はエレベーターに乗り込んだ。乗客は僕ひとりだった。扉が開いて、何も考えずに降りた瞬間、固まった。あたりがあまりにも暗いのだ。真っ暗と言ってもいい。
    とっさに考えたことは、間違えた階に来てしまったということだ。たぶんボタンを押し間違えて、従業員用のフロアにでも降りてしまったか。
    それにしても暗い。それに何やらがやがやと声がする。間違いなく何者かがいる気配がする。何かがおかしい。ココハナニカガオカシイ……。
    そこまで考えるのに、一秒とかからなかっただろう。僕は思わず怖くなり、もう一度エレベーターのボタン押した。幸いエレベーターはすぐに開き、僕はそれに飛び乗った。もう一回フロントまで降りて、今度は注意深くボタンを確かめながら押した。ドキドキしながら扉が開くと、何の変哲も無い客室の廊下が現れた。あの不気味な場所につながることはなかった。僕は心から安堵した。
    僕はあのとき、間違いなく「あちら側」の扉を開けてしまったのだと思う。この本にも「あちら側」行って失踪してしまう少女が描かれているが、そのような世界は実際に存在するんじゃないだろうか。そこには鏡合わせのようにもう一人の自分がいる……。
    あのとき、変な冒険心を起こして、先へ進んでいたらどうなっていただろう。この小説の少女のように、神隠しに遭ったように消えてしまったかもしれない。だから、この物語は僕にとってフィクションではないのである。ばかばかしいと言われようが、あの夜の体験は、まざまざと僕の脳裡に刻みつけられている。

  • はじめての春樹。
    人間の、心とか感情とか、ふわっと、ゆるゆるっとした部分をずっしり重く書く人だなあと。
    リアルなファンタジーといいますか。無国籍風な感じがより世界観を作り上げていた。

  • テンポが、ボヘミアン・ラプソティのように緩急があって一気に読めてしまいます。後半はさしずめ村上春樹流、欧州怪談といったかんじで、ありえないことなのだけれど、ありえるかもしれないと思わせられじんわりとした恐ろしさと味わいました。

  • 相変わらず刺激的な文章だ。
    読んでるときはすごく面白い。
    でも、やはりどこにも行きつかない話だった。

  • 読まなきゃいけない本が他にいっぱいあるにもかかわらず、新たに図書館から借りてきた村上春樹(笑

    すみれちゃんとは共感できる部分がいっぱいあって、(しゃべり方とか、考え方とか、そのスタンスまたは左右違う靴下、など)すごく似ていると感じた。そのおかげで、もしかして私に恋をする男の子はこんなことを考えるのかな、とかすごく傲慢というか場違い的な事を思ってしまった‥

    そうよね?
    そのとおり。

    これも私が心の中でよくつぶやく言葉。

  • 小学校の教師をしている「ぼく」と、同じ大学の後輩で小説家を志す「すみれ」、そして「ミュウ」という女性との、ミステリアスなラブストーリー。

    すみれがローマから送ってきた手紙が、この本のテーマをつかむ手がかりになると思う。

    「… もちろんこれまでの経緯をたどっていけば、『わたしがここにいること』にはそれなりの理由がつくんだけど、実感として納得がいかないのです。どうリクツをつけても、ここにいるわたしと、わたしの考えるわたし自身とがひとつになじまないのです。べつの言い方をすれば、『わたしはじつのところ、べつにここにいなくてもよかったんだ』ということです。 … 」

    日々の暮らしの中で行うさまざまな取捨選択。
    時として、失われた「あり得た自分」を思うことはある。
    「こちら側」と「あちら側」の関係に対する三者三様の向き合い方が描かれる。

    「どうしてみんなこれほどまで孤独にならなくてはならないのだろう」と、「あちら」と「こちら」を感じながら、「こちら側」の世界を生きる「ぼく」は考える。
    「… ぼくは眼を閉じ、耳を澄ませ、地球の引力を唯ひとつの絆として天空を通過しつづけているスプートニクの末裔たちのことを思った。彼らは孤独な金属の塊として、さえぎるものもない宇宙の暗黒の中でふとめぐり会い、すれ違い、そして永遠に別れていくのだ。かわす言葉もなく、結ぶ約束もなく。」

  • 物語の真髄が分からなかった。
    村上春樹はノルウェイの森しか読んだことがなく、スプートニクの恋人を読むまで苦手な部類だった。

    スプートニクの恋人はノルウェイの森より抽象的で分かるにくいんだけど、とても心地が良い。
    ギリシャの穏やかな空気のおかげかな、リラックスできる本だった。
    うーん、とにかく不思議だ。
    分からないんだけど分かる。
    取り留めもないんだけどすごく大切なことを言っている。
    抽象的なんだけど至極具体的。

    この本を本当に分かるには、あとどのくらいの出会いと別れを経験すれば良いのか…
    最後になったけれど、すごくいい本。好きだ。

  • 話の終わり方が好きだ。気持ち良い終わり方だった。村上春樹の小説でも好きな方だ。相変わらず音楽に関する描写が丁寧で、個人的にはそういうところが読みたくて、村上春樹読んでる感じ。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。2019年8月7日発売の『文学界』でロングインタビュー「暗闇の中のランタンのように」掲載。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月末に刊行予定。

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