スプートニクの恋人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 13707
レビュー : 1251
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731294

作品紹介・あらすじ

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。-そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 私が初めて出会った村上春樹作品は、この『スプートニクの恋人』です。淡い記憶がずっと心に残っており、私にとって大切な作品であります。

  • 再読。
    圧倒的な孤独感に苛まれることの多くなったいまのわたしにとって、7年前に評価したときよりもずっと、心にくる表現があったように思う。

  • 美しい文章。
    記号と象徴。
    小説とは夢。
    心地が良い。
    心が軽るい。

  • 小学校の教師をしている「ぼく」と、同じ大学の後輩で小説家を志す「すみれ」、そして「ミュウ」という女性との、ミステリアスなラブストーリー。

    すみれがローマから送ってきた手紙が、この本のテーマをつかむ手がかりになると思う。

    「… もちろんこれまでの経緯をたどっていけば、『わたしがここにいること』にはそれなりの理由がつくんだけど、実感として納得がいかないのです。どうリクツをつけても、ここにいるわたしと、わたしの考えるわたし自身とがひとつになじまないのです。べつの言い方をすれば、『わたしはじつのところ、べつにここにいなくてもよかったんだ』ということです。 … 」

    日々の暮らしの中で行うさまざまな取捨選択。
    時として、失われた「あり得た自分」を思うことはある。
    「こちら側」と「あちら側」の関係に対する三者三様の向き合い方が描かれる。

    「どうしてみんなこれほどまで孤独にならなくてはならないのだろう」と、「あちら」と「こちら」を感じながら、「こちら側」の世界を生きる「ぼく」は考える。
    「… ぼくは眼を閉じ、耳を澄ませ、地球の引力を唯ひとつの絆として天空を通過しつづけているスプートニクの末裔たちのことを思った。彼らは孤独な金属の塊として、さえぎるものもない宇宙の暗黒の中でふとめぐり会い、すれ違い、そして永遠に別れていくのだ。かわす言葉もなく、結ぶ約束もなく。」

  • 今回で村上春樹の小説を読んだのは8作目くらいだが、分かりづらく、比喩表現もかなり多かったが読みやすかった。それはそのような分かりづらさや表現にもうクセになったようにハマってしまってるからなのかもしれない。それと分かりづらさはあるがそこまで混沌とはしてなかったようにも感じる。そしてこの題名は小説の内容にドンピシャだし、ミュウのあらゆる印象が想起され素晴らしい。

  • すみれという主人公も好きだったし、仕事をし始めたりギリシャでの急展開でどうなるどうなる!?とわくわくしながらおもしろく読めたけど
    神のこども〜もスプートニクも最後がどうなったんだろうという終わり方なのですっきりしなかった。
    村上春樹はそういう作品が多いのかな。
    個人的にはもしかしから最後すっきりー!な作品が好きなのかも。

  • わたしたちは素敵な旅の連れであったけれど、結局はそれぞれの軌道を描く孤独な金属の塊に過ぎなかったんだって。遠くから見ると、それは流星のように美しく見える。でも実際のわたしたちは、ひとりずつそこに閉じ込められたまま、どこに行くこともできない囚人のようなものに過ぎない。


    どれだけ深く致命的に失われていても、どれほど大事なものをこの手から簒奪されていても、あるいは外側の一枚の皮膚だけを残してまったくちがった人間に変わり果ててしまっていても、ぼくらはこのように黙々と生を送っていくことができるのだ。

  • 登場人物が少なめだが、深みを感じれる物語で、その後は一体どうなったんだろうと余韻に浸れた。
    主人公とすみれの関係がとてもうらやましく、こういう「好き」の形もあるのだと教えられた。
    村上春樹をもっと読みたくなる作品でした。

  • 3人の男女のラブストーリー。三角関係といえば三角関係なんだけど、互いに求めていることが食い違っていて、とても切なくもどかしい。
    現実と幻想が交錯していくので、どこが現実なのかわからなくなっていく不思議な世界観。

    冒頭文が強烈な比喩で、ここで一気に引き込まれたように思います。

    村上春樹の定番パターンを踏まえた小説。
    主人公と、すみれと、ミュウの3人の物語が絶妙に絡んでいくところも、共通点かもしれない。

    美人ではないけど、本と音楽を愛するすみれが魅力的。
    すみれがミュウを求める気持ちに好感が持てました。
    村上春樹の登場人物は、どこか冷めていて共感はしにくいのですが、すみれはそういったなかで特殊なキャラクターかもしれません。
    すみれという人物が語られるところがもっとも面白いのですが、彼女が恋するミュウも不思議な魅力があります。

    ラストシーンはいろいろと深読みができると思います。

  • 挫折。

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著者プロフィール

村上春樹(むらかみ はるき)
1949年、京都府京都市伏見区生まれ、兵庫県西宮市芦屋市育ち。早稲田大学第一文学部映画演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーター・キャット」を国分寺・千駄ヶ谷に開店していた(1981年、店を人に譲渡)。1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴がある。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年発表時期に日本国内でニュースになる。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけ、翻訳家としての仕事も高い評価を受ける。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、作家としての成長を続けている。新作が発表されるたび大きな話題となるが、近年は特別番組「村上RADIO」にてラジオDJも務め(不定期放映)、数々の名言も注目を集める。代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。2019年7月31日に『神の子どもたちはみな踊る』が舞台化。アメリカのサックス奏者スタン・ゲッツの伝記翻訳を2019年8月刊行。2019年9月10日発売の『文藝春秋』10月号で「至るところにある妄想 バイロイト日記」を寄稿。

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