スプートニクの恋人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 16308
感想 : 1386
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731294

作品紹介・あらすじ

22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。-そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • 恐らく20年とか昔、読みかけで放り出して忘れてたのだと思う(多分当時の僕は読書より音楽仲間と連む時間を優先してたし)けど、後半の記憶が全くなかったおかげで読み終えた今、新鮮な気分…

    すみれが素敵。ハードカバーで欲しくなりました。

  • 後半は、このまま出口のない迷路みたいな感じで、もやもやと終わるのかな…と思ったけど、ラストすみれが無事に戻って来て、元気そうでよかった!!
    ぼくとすみれの会話はなんだかほっとして安心感があって、運命共同体みたいな関係でいいなぁと思いました☆

  • もう十年以上昔のことである。とあるホテルに泊まったときの話だ。
    フロントでキーを受け取って、自分の部屋へ行くためにエレベーターに乗り込んだ。乗客は僕ひとりだった。扉が開いて、何も考えずに降りた瞬間、体が固まった。辺りがあまりにも暗いのだ。真っ暗と言ってもいい。
    とっさに考えたことは、間違えた階に来てしまったということだ。たぶんボタンを押し間違えて、従業員専用のフロアにでも降りてしまったとか。
    それにしても暗い。暗すぎる。いくらスタッフ・オンリーの場所だとしても、これでは何も見えない。何かがおかしい。ココハナニカガオカシイ……。
    そこまで考えるのに、一秒とかからなかった。僕は怖くなり、もう一度エレベーターのボタンを押した。幸い扉はすぐに開き、僕は中に飛び乗った。もう一回フロントまで降りて、今度は注意深くボタンを確かめながら押した。ドキドキしながら扉が開くと、何の変哲も無い客室の廊下が現れた。あの不気味な場所につながることはなかった。僕は心から安堵した。
    あのとき僕は間違いなく「あちら側」の扉を開けてしまったのだと思う。この小説にも「あちら側」に行って帰ってこない少女が描かれているが、そのような世界は本当に存在するんじゃないだろうか。
    あのとき、妙な好奇心を起こして先へ進んでいたらどうなっていただろう。この本の少女のように、僕は神隠しに遭ったように消えてしまったかもしれない。だから、この物語は僕にとってフィクションではないのである。ばかばかしいと言われようが、あの夜の体験は、僕の脳裡にまざまざと刻みつけられている。

  • 不思議な小説…ラストは夢なのか現実なのか。

  • 「僕」のすみれに対する想い、出会えた喜びが真っ直ぐに伝わってくる。
    成就するとかしないとかはともかく、こんなふうに人を愛せたら、幸せなんだろうなぁ。
    これはミュウとすみれの物語ではなく、確実に僕とすみれの物語だ。

    地中海に浮かぶ、ギリシャの小さな島の風景や、ミュウの観覧車の話は、まるで映画のワンシーンのようだった。

  • 夜遅くに読み終えたのも相まって、とんでもない寂寥感

    "正しいこと"ってなんなんだろう?

  • 不在の存在。
    あちら側とこちら側。
    そうだね?
    そのとおり。

    素敵な不思議な恋の話です。

  • 一緒に孤独になってくれる本。確実に私と同じ孤独を見つめていてくれているのだ、その辺で。

    「…人々は機会があれば、驚くほど率直な表現で自分について語ろうとする。…でもぼくは『傷つきやすい』人間が、他の人々の心を無用に傷つけるところを何度も目にしてきた。『正直で開けっぴろげ』な人間が、自分では気がつかないまま都合の良い理屈を振りまわすことを目にしてきた。…とすれば我々は実のところ自分についていったいなにを知っているというのだろう?」

    そして、
    最後にすみれが帰ってきて本当に本当に良かった。
    「ぼくらは同じ世界の月を見ている。ぼくらはたしかにひとつの線で現実につながっている。ぼくはそれを静かにたぐり寄せていけばいいのだ。」

    面白かったな〜〜〜
    初村上春樹さんでした。これから先何度も読み返すことになるであろう本。

  • 村上春樹さんの作品は、ずいぶん昔に読んだっきり、最近は途中まで読んでも読み切れなかったりしていたけれど、久々に本棚にあったのを見て読んでみた。
    ああそうそう、と思う村上春樹さんの文体、描写で、心の動きや世界の捉え方がいいなあとおもって、なかなか面白かった。

  • 自分が分割されるような感覚。そして片方の自分が失われるような感覚。

    物を書きたくて書き続けているすみれ、とその理解者である僕。
    すみれは年上の女性に恋をするが、そのミュウさんはすでに片方の自分を失っていた。
    ミュウさんの秘書としてギリシャの島にいる間、すみれは向こう側に行き、煙のように消えてしまう。

    行方は、わからない。

    ・・・
    ラストは、すみれから夜中に電話がかかってきて、迎えにいく、どこへでもいけると答え終わり。

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著者プロフィール

1949年 京都府生まれ。著述業。
『ねじまき鳥クロニクル』新潮社,1994。『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』新潮社,1985。『羊をめぐる冒険』講談社,1982。『ノルウェイの森』講談社,1987。ほか海外での文学賞受賞も多く、2006(平成18)年フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短編賞、2009年エルサレム賞、2011年カタルーニャ国際賞、2016年ハンス・クリスチャン・アンデルセン文学賞を受賞。

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