コンピュータの熱い罠 (講談社文庫)

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本棚登録 : 397
感想 : 48
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731348

感想・レビュー・書評

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  • こないだ読んだ井上夢人で、「イマイチ!」と思った私だけど、
    やっぱりこの二人の作品は好きなのです。

    1980年代当時の「ハイテク」犯罪を題材にした岡嶋二人の作品。
    相性診断によって男女を引き合わせるコンピューター結婚相談所。
    オペレーターの主人公は、入力されたデータに違和感を感じる。
    データの中身が詳しすぎる?そして、結婚後1か月以内に亡くなった男性がこんなにいる?
    相次いで起こる殺人事件、その真相に迫る・・・。

    初版は1986年とか!26年も前なんですね。すごい先見の明。
    婚活なんてまだ言葉もない時代。
    パソコンが家庭に普及する前の、そういう機械は「オタク」か「専門家」の領域だったころのお話。
    自分用のパソコンなんて持ってないから持ってる人のを使わせてもらい、
    セキュリティとか個人情報保護とかまだ規制も何もなく、
    電話回線でデータ通信をし、
    データの印刷にものすごく時間がかかり、
    そして入手したデータはフロッピーで保存し。。。
    それが「最先端」だったこのころ。
    携帯がないから、個人的な連絡で会社の電話を使って呼び出しちゃうし。

    うちにパソコンがやってきたのがいつだったかな?
    子供たちは興味津々で、でも誰もどうやって使うのかわからなかったから、ゲームばっかりやっていた。
    パソコンが電話線でつながったのはたしか中学生になったころだった。
    電話代がかかるから、使う時間に厳しい制約があって、長く使ってたら怒られてましたっけ。
    そして今、一人ひとりがパソコン及び携帯を所有するようになり、高速でネットがつながるようになり、ウィルスが次々と製造・頒布され、個人情報の保護がやかましく言われるようになり。

    ミステリーとしてはシンプルだけど、何だかとても懐かしくなり、
    そしてめまぐるしい時代の流れを感じた。

  • +++
    コンピュータ結婚相談所“エム・システム”のオペレータ夏村絵里子はある女性のデータを見たいという客・土井綾子の申し出を断わる。綾子の兄は、エム・システム紹介の女性と新婚旅行中、死亡したのだ。ところが、その綾子は翌日、殺された!疑問を抱いた絵里子はデータを調べるうちに、恋人市川輝雄がエム・システムの会員であることを知り衝撃をうける。さらに、データに重大な秘密が隠されていることに気づく!彼女は同僚古川信宏に相談。彼は、コンピュータに仕掛けられた何かに迫るが、殺されてしまう。謎を追う絵里子。二つの殺人事件の交錯するところにさらに大きな陰謀が…?!何重もの“罠”が読者を魅了するコンピュータ推理の傑作!鬼才の才気あふれる推理作家協会賞受賞第一作!!
    +++

    1986年の作品である。当時はおそらく最先端だったであろうコンピュータ用語や、データ処理などの用語が出てくるが、現在では別のものに取って代わられているものも多い。そして、関連会社すべてをネットワークでつなぎ、社員の個人情報をつぶさに管理するなど、現在では普通に行われていることのはじまりを覗き見たようでもあって興味深い。とは言え、人間の考えることは、昔も今もあまり変わりがないようで、ずるがしこい奴はいつの時代も狡猾な手を使って自分だけ得をしようとするものである。パソコンが一人に一台の時代でもなく、もちろんスマホなどない時代の物語だが、意外にも古びた印象はそれほどなく、ハラハラしながら先を楽しみに読むことができる一冊だった。

  • コンピューターっというか、実は裏で操る人物がいる??みたいな(笑)
    岡嶋さんの作品はコンピューターが出てくることも多いので、書かれた当時は最新のコンピューターの知識だったのだろうと感じました。

  • 今読むと懐かしいコンピュータ用語が頻出していて時代を感じさせるが、個人情報を筆頭に書かれている内容は全く古臭くなく、著者の先見性を改めて感じた。かつプロットも申し分なく十分楽しめた。

  • コンピュータを介しての殺人事件。タイトルからはコンピュータの暴走のような印象を受けるが、AIの時代でもなく、結局は人。一昔前のミステリーといった感じ。勧善懲悪一歩手前で少し物足りない気もするがそれは好みの問題。また、叙述トリック一歩手前という印象も受け、なんだかいろんなことが一歩手前だった。

  • 2016年61冊目。
    ってか、これが1986年当時の話なのかーと思うと色々考えてしまう。
    ここまでなる前にもっと色々出来たことあったよなーとか、このテの話が、80年代から既に存在していたのだなーとか。
    音響カプラーとか、マイコンとか色々時代を感じさせる言葉で完全やられた。
    途中で犯人は分かってしまったけど、スリル満点で楽しめた。絵里子、すきだなぁ・・。

  • 2016.3/19〜22。さすがお得意のコンピュータ+犯罪。この作品も1986年のものだそう。この時代に個人情報保護、婚活を絡めたりよく思いつくなぁ。そして個人の趣向やデータを一括管理なんて、現在のマイナンバーを予言しているようで怖い。

  • なかなか、面白い
    最後にグーグルの予言的な事を書いてて作者の先見性が、垣間見れる
    凄いなこの人

  • 読みやすいけど、何故かハラハラ感がなく…ページが薄いせいかな?
    主人公があの男とくっつかなかったのは良かった。

  • コンピュータの事は全く分からないが、最初から最後まで楽しめた。

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著者プロフィール

岡嶋 二人(おかじま・ふたり)
徳山諄一(とくやま・じゅんいち 1943年生まれ)と井上泉(いのうえ・いずみ 1950年生まれ。現在は井上夢人)の共作ペンネーム。
1982年『焦茶色のパステル』で江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。86年『チョコレートゲーム』で日本推理作家協会賞を受賞。89年『99%の誘拐』で吉川英治文学新人賞を受賞。同年『クラインの壺』が刊行された際、共作を解消する。井上夢人氏の著作に『魔法使いの弟子たち(上・下)』『ラバー・ソウル』などがある。

「2021年 『そして扉が閉ざされた  新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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