大人問題 (講談社文庫)

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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731614

感想・レビュー・書評

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  •  人間の精神活動の一つの手段としての言語とか文章とか、かなり重要なものを背負っているはずの国語、言語の学習というフィールドを、まったくサボって設定している。そこで学習するのは何かといえば、期待される「サボるための答え」を覚えると言う以外あり得ません。(p.38)

    「実験精神」というものがほんとうに少ない社会です。ちょっと試してみる、少し変えてみる程度の実験も、なんとなく遠慮しがちの社会、個人です。
     いまだに小学生の大勢はランドセルです。勤め人は背広にスーツです。もっとふさわしいカバンや服装、限りなくある。それこそ物質的には超豊かな社会なのに、使おうとはしません。よりいいものを取り入れようとは考えません。変える、変わるを恐れます。実験、試行は罪という感じです。(p42)

    「心」っていう字、好きです。あの形。「権」とか「軍」なんて字はみんなガッチリとくっついているけれど、「心」ってバラバラしてる。はじめっから乱れている。心を乱すというのは、心をやめなさい、ドキっとかハッとかモゾモゾっていうのをやめなさい、ということです。確かに、管理者、為政者、まとめ役という立場の人は、みんなが乱れると困るんです。この「一糸乱れず」という要求、つまりは心をやめなさいと言っているのです。(p.53)

     わかり合うことでつながるより、わかっていないことの認識でのつながりのほうが暑いと感じます。わかろうとする、わかりたいと思う意志のようなものが相互関係を熱くします。(p.193)

  • 子どもが読むとスカッとするし大人が読むとイラッとしそうな本。子どもと大人の間の私はけっこう楽しんで読めた。また歳をとったら読みたい。

  •  うーん、『みんなうんち』は自分も好きなのですが・・・。

     なんか言いたいことはいろいろあるんだろうが、よく分からなかった。

     残念。

  • ふむぅ。
    面白い考えだ。
    少し前ならもっと楽しめたのかなぁ、と思う。

  • みんなにオススメできる本ではない。わたしは結構面白いと思う。

  • 理由がないナアナアな問題に疑問を呈している。
    子供は10歳までは観察の時期。
    私も子供にはいろいろと見せようかと。

    娘さんが二人共学校やめたのはちょっとびっくり。
    でも自由でいいかも。

  • 絵本作家、五味太郎さんのエッセイ。

    いわゆる「大人って変だよね」をつらつら書かれていて…一部は違和感があるけど、だいたいが腑に落ちる。

    いかに自分が「大人」(子供、の対義語としての)になってしまったかが分かります。

  • 子供にとって大人は有害である!大人に対する怒りと毒を含んでつづったエッセイ。
    大人は「すっかり疲れきっている」「子供を試したがる」「義務と服従が好きである」などをテーマに、大人の理不尽な考えや行動をばっさばっさと切っていきます。共感できるものそうでないものがあるものの、絵本作家という立場の裏で、子供の視点からこんな想いを抱えていたのかと驚きます。
    大人の都合で扱いやすい“枠”に子供を当てはめてはいないか、子供のことを真に考えて行動できているだろうか。親という立場である方はもちろん教育現場で働く方など、普段の子供への接し方を見直すきっかけになります。

  • [by  azukiko]くるみさんからプレゼントいただいた本です。うんうん、とうなずけて、ニヤリとしながら、ちょっと「イテッ」と思う内容でした☆ 「ぼくは子どもをとらえるときに『新人』『ルーキー』という言葉でとらえるのが好きです」 という一言には、ハッとしました。
    誰もが子どもでもなく大人でもなく「人間」なんですよね。「大人」でも「子ども」でもなく、「人間」でいいじゃん!と感じる方に、ぜひおすすめの本です♪ 

    • book-presentさん
      くるみで~す。今回は「子育て」をテーマに選書しました。で、五味太郎さんは「そもそも、大人ってそんなに偉いんか??」という、超ななめな考えで、...
      くるみで~す。今回は「子育て」をテーマに選書しました。で、五味太郎さんは「そもそも、大人ってそんなに偉いんか??」という、超ななめな考えで、大好きなんです。ついつい、「子供を教育!」となると上から目線な感じになりがちですので、「子供も大人も同じ人間」こうした視点を大切にしたいと思ってます
      2013/12/14
  • もうええかげんにせえよ!
    と 思うことっていっぱいある
    生きていたら
    それこそ いっぱいある

    あぁ 自分だけではないのだ

    と 安心させてもらえる一冊です

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著者プロフィール

五味太郎 1945年生まれ。工業デザイナーを経て絵本の世界へ。サンケイ児童出版文化賞、東燃ゼネラル児童文化賞、ボローニャ国際絵本原画展などで数多くの賞を受賞。絵本に『きんぎょが にげた』『かぶさん とんだ』『さんぽのしるし』『ばったくん』『みんなうんち』『からだの みなさん』『どこまで ゆくの?』『にているね』(以上、福音館書店)『まどから おくりもの』『仔牛の春』『つくえはつくえ』(以上、偕成社)『かくしたの だあれ』『たべたの だあれ』(ともに文化出版局)『さる・るるる』(絵本館)「らくがき絵本」シリーズ(ブロンズ新社)など多数。絵本論『絵本をよんでみる』(平凡社)、絵本の仕事をまとめた『五味太郎 絵本図録』(青幻舎)がある。

「2023年 『おでかけ版 ひよこは にげます』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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