- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062731768
感想・レビュー・書評
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藤原伊織の短編集。
各話其々良かった。
うまく言えないけど、じんわりと来る得体の知れない良さがあった。
中でも「台風」「雪が降る」「紅の樹」が好き。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
前回読んだ表題作がかなり好みだったのでその作品も入った短編を読んだのだが、他の短編もめちゃくちゃ良かった。頭がしびれる作品が多く、特に「台風」と「紅の樹」が最高だった。前者は淡々と語られるモノローグとラストの余韻が素晴らしい。後者は純粋なヤクザものハードボイルド。これが傑作で、ありがちなプロットながら台詞まわしがとことんに粋。それがうすら寒くならずグッとくるのは藤原さんの余計なことを書かない文章に見事にマッチしているからだと思う。まだ半年あるが今年のベスト短編集はこれで決まりだ。
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ハードボイルド短篇集。やはりヤクザ物が多い。しかし、短篇集だからか内容に厚みを感じられなかった。中でもやくざ物として面白かったのは紅の樹でした。
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テロリストのパラソルで、江戸川乱歩賞と直木賞を同時受賞した藤原伊織さんの小説。
作風として大人のファンタジーという趣。ビリヤードの勝負がきっかけで利き手を潰されたピアニストや足を洗い身を隠す元ヤクザ、トマトを食べたくて一時的に人間になった人魚など、非現実的な設定で起こる人情話に、クサさを感じながら思わず涙します。
表題の「雪が降る」が特に優しい気持ちになる良い話でした。 -
毎度同じ感想ですが、大人のハードボイルドだなあと思う。
体制に反抗したり、反社会的な過去があったりするのに、能力が高く、女性にももてるのにクールに対応する、非現実的な主人公の存在はある意味オトコの夢なんだろう。
たまにはこんな作品を読んで妄想するのもいいかも。 -
再読。
やはり「伊織」作品は読み応えがある。構成がしっかりしている証だろう。
新作が読めない事の無情を感じる。 -
ヤクザの話が多い、好きではないジャンルだ。。
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たまらない。
私のお胸のきゅんメーター振り切れました。
そうか、私は気付いた。
男の哀愁の裏には必ず「いい女」がいる。
その「いい女」のために、どこまで行動出来るのか。
心と身体をどこまで使うのか。
その度量が男を「いい男」たらしめるのだ。