果つる底なき (講談社文庫)

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  • 講談社 (2001年6月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (408ページ) / ISBN・EAN: 9784062731799

作品紹介・あらすじ

「これは貸しだからな。」謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!第44回江戸川乱歩賞受賞作


江戸川乱歩賞受賞の金融ミステリー!

「これは貸しだからな。」謎の言葉を残して、債権回収担当の銀行員・坂本が死んだ。死因はアレルギー性ショック。彼の妻・曜子は、かつて伊木の恋人だった……。坂本のため、曜子のため、そして何かを失いかけている自分のため、伊木はただ1人、銀行の暗闇に立ち向かう!
第44回江戸川乱歩賞受賞作

みんなの感想まとめ

金融ミステリーの世界に足を踏み入れると、次々と繰り広げられる事件が待ち受けています。銀行員の坂本が残した「これは貸しだからな」という謎の言葉と共に、彼の死の真相を追う主人公・伊木の姿が描かれています。...

感想・レビュー・書評

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  • 池井戸さんのデビュー作で、江戸川乱歩賞を受賞した作品。銀行マンの経験をミステリーに活かした内容。
    次々と人が亡くなり、病死や自殺と思わせるが他殺であり、ただ世間には他殺と出回らない。銀行マンの伊木は警察に疑われながらも真実に近づいて行く。派閥や出世争いの激しい銀行内部の動きとともに、融資先の会社を通した熾烈な覇権争い。のちの半沢シリーズや下町ロケットなどの作品につながる原点の作品。
    ミステリー色が強く、色々起きる事件とともに楽しめた。

  • 面白かったです。
    銀行に立ち向かう主人公。
    かっこいいですね。

  • 池井戸潤氏の江戸川乱歩賞受賞作。友人の不可解な死と謎の言葉。その真相に迫る主人公の信念に心を打たれるし、半沢直樹を彷彿とさせるか。徐々に繋がっていくにつれ緊張感も増してくる金融ミステリ。

  • 銀行員の伊木が、同僚で友人の坂本の死をきっかけに、銀行の債権の裏にある謎を解き明かしていくストーリー。
    予想外の展開で、ハラハラしながら読了。

  • 池井戸さんのデビュー作。
    江戸川乱歩賞も受賞してる。
    銀行ミステリー〜!

    「アナフィラキシー・ショック」。聞いた事はあるけど怖いな。別に蜂だけやないみたいアレルギー検査してもらお〜^^;

    何か銀行って、出世!出世!学閥!学閥!ばっかなや?って思ってしまう。(池井戸さんの影響やけど^^;)
    私には関係ないことなんで、少し羨ましくもあるかも(⌒-⌒; )

    お金の為、自分の成功の為に頑張る、自分の道を阻む者を弾くのもええけど、弾き方が命まではね。
    自身にそんな欲がないから(出来ないとも言う)、何でそんなに必死こいてんの?と常に思いながら…

    訳分からん言葉を残して死んでいった同期の為にも調べていくと…出るわ!出るわ!悪事!
    この作品は、銀行を舞台にしてるけど、ドロドロだけやなく、ハードボイルドタッチになってて、面白かった!
    池井戸さん得意の大どんでん返しはなかったけど、最後は、ええ感じに終わるのは同じで安心して読める!
    死亡率は高めの作品でした〜
    しかし、これがデビュー作やから、やっぱ凄いわ!

  • ●本書は江戸川乱歩賞受賞作。著者は銀行出身者でこれを読むと、銀行内部の業務・組織・人間等の事情がよくわかります。
    ●私は、「ゴメイ」や「病院」という銀行用語を初めて知りました。他方、ミステリーとして、読みごたえは勿論ですが、 私は描かれいる人間模様に興味を持ちました。
    ●書中の記述、①人間関係や道義的な問題を指摘し、すみません、と言えば相手が悪い ②官僚的な本部機構のなかに身を置くうちに、知らぬ間に卑屈な競争意識を植えつけられていた ③必要なくなったら子飼いだろうと平気で踏みにじるような連中 など、人間社会の醜い面です。
    ●私は、銀行勤めをしたことはありませんが、何となく理解出来ます。これを他山の石として、道義的な振舞いの出きる人になりたいものです。

  • 池井戸潤のデビュー作。江戸川乱歩賞受賞、1998年出版。

    この人、最初からすごいんだ!と驚いた。
    デビュー作ってことは、書いたときは素人。なのに序盤から本業の作家とした思えない水準の読み応え、引き込まれまくる。

    池井戸潤の真骨頂、銀行内部の情報はやはりすごくリアル。それだけじゃなく、ミステリーとしても面白かった。

    後半、真相が明かされていく過程のところがやや理解しづらかったり、前半に出てきていた登場人物が名前だけ出ても誰だかすぐに把握できなかったりといった、若干の読みづらさは感じた。でも大した不満ではない。

  • 私が読む池井戸潤氏作品の10冊目にして、デビュー作。
    凡人の私には、本作が一番難しかった。
    「割引・不渡・和議・融通手形」など、何言ってるんだかわからないことばかり。
    私は倒産の仕組みすらわからない。
    そういうところは飛ばし読み。
    それでも結構面白かった。

    しかし、本作を最初に読んでいなくて良かったかも。
    もし本書が私の読む池井戸潤氏作品の1冊目であったなら、その先、氏の作品を読んだがどうかはわからない。

  • 池井戸潤デビュー作読了。

    デビュー作だからきっと荒削りであったりまとまりがなかったりするだろうから早めに読まなくては…
    という考えも虚しく最後までサスペンス小説として満足できるものであった。
    池井戸作品はとにかく主人公が熱いものが多いが今作もまわりの環境に流されず自分の信念で行動するタイプで魅力的に書かれている…
    作者が元銀行員融資課のようで銀行の裏のドロドロとした部分をリアルに書いており不正に関しても勉強になるなと…

  • 金融関係に無頓着な私には、言語の意味がよく分からなかった。
    ただしミステリーとしてとても興味深く、どうなっていくのか話しの展開が面白かった。

  • 1998年刊行。
    第四十四回江戸川乱歩賞受賞作。
    池井戸潤のデビュー作。

    バブル崩壊後の不況時代、メガバンクで融資を担当する伊木は、同じ支店で不良債権の処理を担当する同期・坂本から「なあ、伊木、これは貸しだからな」と突然声を掛けられる。その直後に、坂本は不審な死を遂げる。

    坂本の死後、坂本が横領していたという疑義をかけられる。伊木は、坂本の無実を晴らすため、そして坂本の死の真相を明らかにするため、彼の仕事を引き継ぎながらひとりで調べはじめる。

    伊木は、坂本の死が過去の自分の「東京シリコン社」への融資案件と関連していることに気付き、「貸し」の意味を理解する。
    坂本の死はさらに深い闇に包まれており、何者かが伊木の調査を妨害しようとする、、、

    上記があらすじ。


    テンポが良く、登場人物の動きと役割が明確なので読みやすい。

    また、作者は元々都市銀行で銀行員をしていたという経歴を持っており、その経験を活かしたリアリティのある描写が特徴的。

    本作の刊行当時は銀行の倒産、不正融資、幹部行員の横領などの、いわゆる金融不祥事が相次いで報道されていた。
    その中で、元銀行員が書く本格的な「銀行ミステリ」という本作は話題になった(らしい)。

    その後、売れっ子作家となっていく作者の魅力が本作でも既に存分に表れている。

    一方で、荒削りな部分も目立つ。
    特に、主人公である伊木のキャラクターの掘り下げが甘い。

    彼は、エリート銀行員でありながら、出世欲・権力欲があまりなく、かつ家庭も持っていないので会社から掴みどころない存在だと思われている。
    故に、伊木は組織や上司に忖度することがなく、自分の正義を曲げない・曲げられないので、倫理や顧客利益よりも自分の出世を重視する傾向の強い先輩や上司と衝突してきた。
    この対立が本作のひとつの軸として作用している。

    しかし、なぜ伊木がそのような生き方をするのか?についてバックグラウンドが描かれないので、作品のためだけの設定のような感じがして、醒めてしまう。

    また、伊木は自分の正義や顧客志向を重視する割には、取引先の社長令嬢と私的な関係になったり、一貫性に欠ける。
    これも作品を動かすためだけの設定としか見えない。

    このように、やや雑なところが目立つ作品ではあるが、エンタメとしてのクオリティは高い。
    人気作家のポテンシャルを感じることができる小説だと思う。

  • 人死が出る半沢直樹だった。

    銀行員である主人公の伊木。彼の同僚である坂本が急遽、死亡したという事から物語は幕を開ける。
    巨額の債権、不渡倒産の会社、それにまつわる人々。なかなか全貌を見せない深い闇に向かい、その果つる底なき底に落ちていく。
    という感じのあらすじ。

    ミステリーをあまり読まない自分にとっては、殺人の方法やトリックが、なんとなく現実離れしすぎている気がしていたが、とにかく先を読ませる展開が凄まじく、最後まで退屈しない作品だった。

  • 池井戸さん、いい文章だなあ。
    ちょっとしたところにも表現力が溢れてる。

    北川が死んだところで闇の深さを感じ、手に汗握る展開だった。

  • Amazonオーディブルで聴いた。

    しばらくマタイ受難曲ばかり聴いてたし、長時間の車の運転もなかったし、聴きたいものもなくて、久しぶりのオーディブルだよー。
    昨日今日と長時間の運転があったから、はかどった。

    池井戸潤のデビュー作。
    まあまあ面白かったけど、主人公が銀行員とは思えぬ武闘派(笑)。
    これくらいのことで人をどんどん殺すのはちょっとやりすぎだよねぇ。

  • 2025.3.28読了。
    ドラマの原作でたくさん池井戸潤さんの名前は見ていたけど、ちゃんと本を読むのは
    初めてで、ドラマになったものから読むか悩みましたが、「江戸川乱歩賞受賞作」ということでこの本を選んでみました。
    後で知ったのですが、この本も渡辺謙さん主演でドラマになっていたのですね。
    池井戸潤さんはご存知の通り、元銀行マンで銀行の内部に詳しく、リアリティのある設定になっているようです(私には銀行用語が難しすぎてよくわからないけど笑)
    なんでも同期入社で名前のせいで「半沢直樹」のモデルではないかと言われている半沢さんがこの度頭取になられたとか。
    きっと池井戸潤さんも銀行マンを続けていたら、偉くなっていたのでしょうね〜
    で、この本は銀行の融資業務に携わる人たちのお金と地位と権利が絡み合って起こる事件を描いています。
    どの人もちょっと怪しく見えて、最後までハラハラドキドキで一気に読めました。
    一つの融資問題でこんなに殺人が起こるのも、警察が伊木さんの後手後手に回っているのも違和感ありありでしたが、とても面白く読めました。最後の最後に警察の大庭さん良い仕事してくれましたしね〜
    前に読んだ「孤高のメス」もこの本も大きな組織の内部に巣食う悪を描いていますが、やはり果つる底なき暗闇はどんなところにもあるのでしょうね。

  • とても面白かった!前に読んだ鉄の骨よりも展開がスムーズで楽しく読ませて頂きました。とくに最後の〆の文章が個人的には好きでした!ありがとうございました!

  • 池井戸潤『果つる底なき』講談社文庫。

    第44回江戸川乱歩賞受賞作品。長らく未読だったが、テンポ良く、読み応えのある作品だった。半沢直樹のような主人公が活躍するミステリー。

    謎の言葉を残し、アナフィラキシー・ショックで亡くなった同僚の坂本。主人公の伊木は坂本の死を巡り、銀行内の腐敗の構図に気付く…

  • 池井戸潤さんの銀行員シリーズ?
    同僚の坂本が車内でアレルギーショックという不審死。謎の言葉の意味と彼が追っていた案件を解明すべく奔走する伊木。命を狙われながらもやり遂げた彼の執着はすごい。
    ただ、殺された友人の妻でもあり昔の恋人である曜子とすぐによりを戻しちゃったのが残念。。

  • 主人公の伊木は半沢直樹のベースのような人物像のようで、面白くてどんどん引き込まれた。池井戸潤作品はどちらかというと殺人ミステリーとは無縁の作品が多い気がするけど、本作は銀行の内部事情と殺人を織り交ぜたミステリー仕立てとなっているのが良かった。

  • 2021(R3)8.6-8.15

    これまた久しぶりの池井戸作品(『空飛ぶタイヤ』以来?)。
    銀行マンが、行内で起きた事件解決に立ち向かう。

    物語の展開としては、よくありがちな、いわゆら「ベタな」展開だが、推理ものが久しぶりということもあって、どんどん読み進めることがてきた。

    銀行って、資本主義の良さといやらしさの両面が見える所のような気がした。それは、『ハゲタカ』でも同様で、お金のために生きたくはないけど、お金に頼らないと生きていけない。
    銀行というフィルターを通すと、きれいごとではいられない、人の本質的な「欲」みたいなものが見えてくるのだろう。その中で本作の事件も起きているし、主人公の人生も成り立っている。

    最近、「読んでよかった」と思える作品にあまり出会えず、読書熱が下がり始めていたのだが、本作を読んで、ちょっと元気になりました。

    読書への熱が下がった時には、池井戸潤と東野圭吾に助けてもらうとしましょう。

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著者プロフィール

池井戸潤・作家。1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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