人狼城の恐怖 第一部ドイツ編 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (672ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731812

作品紹介・あらすじ

「本格ミステリ・ベスト10」(1999年版)をはじめ、あらゆるミステリ・ベスト10を総なめした本格ミステリの金字塔。独仏国境の険しい渓谷の上に屹立する双子の古城・人狼城に招かれた10人の客に用意されていたのは、凄惨な殺しの宴だった。謎と伝説に彩られた古城に隠された秘密とは何か?全4部、4千枚を超える本格推理小説の大傑作。※「第1部」「第2部」はどちらからでもお読みいただけます。


著者渾身作!本格推理小説の金字塔

独仏国境の険しい渓谷の上に屹立する双子の古城・人狼城。ドイツ側《銀の狼城》に招かれた10人の客に用意されていたのは、凄惨な殺しの宴であった。二重に閉ざされた密室での首切り、中世の石弓による射殺……。謎と伝説に彩られた古城に隠された秘密とは何か?全4部、4千枚を超える本格推理小説の大傑作!
※「第1部」「第2部」はどちらからでもお読みいただけます。

感想・レビュー・書評

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  • 世界最長の本格推理小説。隔世の立地、密室、大量殺人、王道を行く作品です。
    とりあえず第1巻完読。
    長いが案外読みやすくどんどん進められます。
    長いだけあって、情景や登場人物が丁寧に描かれるため、後半の無差別殺人の恐怖感がより一層引き立ちます。大量の謎をばらまいていった第1巻ですが、本格推理小説として、トリックと動機はきちんと回収できるのかな?ラスト人狼出てきちゃってオカルト系?嫌な予感はしてますが2巻以降も読み進めてみたい。

  •  ただただ人が殺されまくる。ドイツ編で広げた風呂敷をどう畳むのか楽しみ。

  • ー 「このヨーロッパに、太古から二つの勢力が相まみえていると考えてみたまえ。一つは実存に基づいた勢力。もう一つは神秘に基づいた勢力だ。あるいは単純に、神の勢力と悪魔の勢力と換言することができるものどもだ。
    この二つの勢力の超大な力はほとんど拮抗しており、闇の世界の中で、有史以来、ずっと熾烈な抗争を繰り広げてきている。彼女が、そのどちらかの一派に付く下っ端であることは充分に考えられることだな。

    若い君らも、あのアドルフ・ヒトラーがオカルトの信奉者だったのは知っておるだろう。そもそも、ヒトラーのドイツ労働者党が、トゥーレというオカルト秘密結社を母胎としておることは有名な話だ。アンダルーシアは、そのトゥーレの儀式に深くかかわっておった。私が聞いた話では、アンダルーシアは、戦時中にヒトラーに拘束され、星気体による軍隊を整備するよう命令された人員の一人だった。これが成功していれば、当時、たいへんなことになっただろう。何故なら、この軍隊は実体がなく、ほとんど不死身なのだからな。戦争の結果に、間違いなく多大な影響が出ておっただろう」

    テオドールは、すっかりオカルトじみた教授の話に、完全に面食らった。 ー


    1970年のドイツを舞台とした第一部。
    長い長編小説としてギネスにも登録された作品。
    300ページまで事件が起きないなんて、さすが。

    フランスとドイツの国境の渓谷を隔てて屹立する双子の城を舞台に繰り広げられる事件。ミステリーの宝石箱のような作品。
    早くフランス編も読みたいなぁ(@ ̄ρ ̄@)

  • 3+

  • 蘭子シリーズなのにすごく読みやすい、と思ったらまだ蘭子が出てきてませんでした。人狼城は双子のお城。第一部ではドイツ側の「銀の狼城」に招かれた十人の客と城主夫人と使用人たちの間で話が進みます。閉じ込められた彼ら、連続殺人、見え隠れする不気味な影。再読なのに全く覚えていないので展開が変わるたびにドキドキします。さて、次はフランス側、双子のもう一つのお城です。いざ!

  • トリックがすごい……。気付いたらハマる!おすすめの傑作ミステリー小説

  • 世界最長の推理物で、ギネス登録されているそうです。あらすじに「身の毛もよだつ殺人事件が起きた」とありますが、かなりグロテスクな殺人が、しかも次々起こります。背景設定の効果で、そこに閉塞感と重圧感が加わって鳥肌物でした。ただ、舞台となる人狼城が旅行の最終目的地で、その2日位前から始まります。戦争や歴史や伝説や登場人物の生い立ちまでもりだくさん。ちょっと辟易してきます。個人的にはハーメルンの笛吹きは必要だったの?という感じでした。

  • 双面獣と同じパターンかしら。大戦中の非道な実験の結果生まれたヒトならざる者の悲しい話だとすると、この先なんとも進む足が鈍るなあ。
    ちゃんと伏線は回収されるのでしょうか。
    ジプシーの予告、集められた人々の理由、それぞれの殺害方法、犯人、伯爵の正体、ブロッホの「地下室の死体を確認しろ」の意味、ロンギヌスの槍のありか、そして、ハーメルンの笛吹き男との関係性…。
    ざっくり気になっただけでも、かなりの伏線が張り巡らせております…。大風呂敷にならないことを祈りつつ。

    フランス編に進みます。

  • 残酷なグリム童話のような世界観好きです。最後まで読んで謎ばかりだけど、探偵が登場するまでにはまだまだ。でもたくさん人が亡くなったから、犯人は大体絞り込まれたかな?

  • 大大大傑作。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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