翡翠の城 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (520ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062731980

感想・レビュー・書評

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  • 洋風と和風の入り混じった建築物。
    日本人の夫とイタリア人の妻。
    文章のみなのでなかなかイメージ出来ないけれど
    今までで一番建築についての薀蓄が多かった作品。
    映像があればなぁ。。。

    作家さんの何が凄いって
    登場人物も多いのに、ゴチャゴチャしないところ。
    不思議だ。。。

    京介氏より、蒼の存在のデカさ、貴重さのが目立つけれど
    目立たぬようにしているからなのか。。。


    解説倉知淳氏によると
    4作目が京介と深雪の出会い。
    5作目が蒼の生い立ちについて。

    取りあえず5作目を目指して読み進めたい。

  • シリーズ三作目にして教授登場。主要キャスト出揃った~~。
    トリック云々より、堪能しましょうこの雰囲気を   ってのがゴシックホラー的楽しみ方だと思うのだ。
    美少年、美青年、美中年と、漫画みたいにキャラがたちまくりだけど、過去とかほとんどかかれてない。なぜそこにいるのか、もほとんど説明がないのですが、これが今後のシリーズ作にかかわってくるようだ。
    もはや桜井京介の顔面ちらみせは、水戸黄門の印籠ですな。
    でも好き。

  • ■異形の館に秘められた謎を京介が追う

    長く一族支配が続いた名門ホテルで、内紛が持ち上がった。創業者の娘で95歳になる老女が今も住む別邸・碧水閣の取り壊しをめぐり意見が対立、骨肉の争いに発展したのだ。湖に沈んだ焼死体、血染めの遺書。沼のほとりに佇む異形の館に封印された、百年にわたる秘密とは。桜井京介が鮮やかな推理で解き明かす!

  •  桜井京介の事件簿も3冊目。いやあ相変わらず大時代的な設定というか、古き良き探偵小説を思わせる舞台装置。先代からの因縁のある旧い屋敷と入り組んだ系図の中の血族の争い。ここまでくると、これ今どきのミステリー?と心配になる。これで売れるんだろうか。
     狭い範囲のできごとなので、事件そのものや真相はアッと驚くほどのものではない。あくまでも郷愁さえ感じる雰囲気を楽しむべきものということかもしれないが、それにしてもひねりがなさすぎ。さすがにおどろおどろしい舞台装置だけではミステリとして弱いよな。今回は京介、蒼と深春のレギュラー陣に加えて留守をしていた神代教授が帰国して登場している。この教授のキャラもしかしもうちょっと何とかならんもんかね。早稲田大文学部教授ってこんななのか(笑)。

  • 建築家探偵・桜井京介シリーズの第3弾。 
    3作目にしてようやく!ようやく京介の師でありW大学文学部教授の神代教授がご登場ですよ!
    神代 宗:身長170そこそこ。脚の長い均整のとれた姿態、ゆるく波打つ長めの髪、顎の細い繊細な顔立ちの御歳50歳。その風貌を裏切った下町べらんめぇ口調の江戸っ子(笑) ステキだ…v

    1年前の遊馬家の事件の関係者・杉原静音から京介宛に手紙が届いた。明治創業の名門ホテルの一族で内紛が起きており、彼女の友人で創業者の娘・巨椋真理亜の住む別邸・碧水閣が取り壊されそうになっているという。彼女の助けになってほしいという内容であったのだ。
    始めは興味のなかった京介だが、碧水閣の設計に修士論文のテーマ・下田菊太郎が関わっていると感じ、一行はそろって日光へと向かう。そうしてもてなされた晩餐会にて、一族の対立の様を目の当たりにする。社長の巨椋月彦、実権を握る専務・埴原久仁彦、傀儡の会長・巨椋雅彦、月彦の双子の妹であり真理亜の実質の後継者・巨椋星弥…そして、病院先を知らせずに入院している95歳の老女・真理亜の間での権力と血の繋がりと思惑が渦巻く一幕を…。
    碧水閣を訪問するが途中で追い返され、真理亜本人と会うこともできず一行はそのまま戻ることとなるのだが、家出してきた常務の娘・さやかから詳しい内情を聞いている際に彼女の父が背中を焼いた死体となって沼の中で発見された。
    巨椋一族の中で渦巻く思惑の中に巻き込まれる京介たち。しかし京介の意識はただひたすら碧水閣の建築と、そして創業者・巨椋幹助の碧水閣に残した”想い”へと向かい、真理亜の見た”過去”を解きほぐす。碧水閣の、美しい情景を伴って…。

    ようやく…ようやく建築に対する薀蓄が事件に関わった気がする…!いや、多分気のせいじゃない…(笑)
    明治という時代は、日本の文化が花開いた時でもありますが、外国からの文化を取り入れようとした混乱の時代でもあるんですね。その中で、下田菊太郎というひとりの建築家が『建築界之黒羊』と呼ばれた歴史がある。…うーん建築探偵っぽくなってきたなぁ!今回はそれ以外の薀蓄もいっぱいですよ!
    今回京介が解き明かすのは、「未明の家」と違い過去の出来事です。自殺した真理亜の母・カテリーナ、碧水閣を異様に改築した後自害した幹助、消えたカテリーナの従兄弟…。その想いを引き出すのです。とても、哀しい想いでしたね…。
    現実の事件については、実は京介はほとんどタッチしてないのが少し…不満です…。あれよという間に巻き込まれていったみたいな…。犯人も途中で見当ついちゃうし…せめてあちらの事件にも、救いが欲しかったなぁ…;

    今作にて蒼くんにもひとつの区切りがついたようです。次作品からは、気になる過去編の模様…。

  • 建築探偵桜井京介シリーズの3作目です。
    今回の舞台は「碧水閣」。
    老舗ホテルの創業者が建てた館で一族の暗い歴史を象徴する存在。
    洋風の壁に和風の屋根を載せた帝冠様式の建築です。

    それにしても・・・。
    創業者の娘を筆頭に生きている人間だけでも4世代、
    過去の事件も絡むので創業者も入れれば5世代。
    加えて妾腹の血族やら姻族やら「一族」というのに相応しいややこしさ。
    巻頭の家系図を確かめてやっと頭に入りました。
    一般人には馴染みの薄い旧家ならでは(?)のドロドロは、
    ある意味昭和の匂い漂う推理小説という感じでした。
    私個人のイメージですけど、こういう設定よくありませんか?
    別に悪い意味ではなくて私は楽しく読み耽りました。
    明治から大正にかけての建築業界の事情も説明がありましたが、
    これは分かり易かったです。

    蒼には瞬間的に見たものを細部まで記憶する能力がありますが、
    眠っている間にその記憶が整理されて、
    結果、見る夢は核心に近い一種推理のようなものになります。
    京介は探偵役として、
    集められた情報を元に更に理路整然とした推理を展開します。
    この二段構えがこのシリーズの推理展開のパターンなんだと、
    ここに至ってようやく認識しました。

  • シリーズ3巻。
    登場人物の関係がややこしくて何回も家系図を見ました(笑)が、さらっと読みやすい本だと思います。

  • 長崎の洋館の見学の際の説明で知り、いつか読んでみたい一冊

  • 長く一族支配が続いた名門ホテルで、内紛が持ち上がった。創業者の娘で95歳になる老女が今も住む別邸・碧水閣の取り壊しをめぐり意見が対立、骨肉の争いに発展したのだ。湖に沈んだ焼死体、血染めの遺書。沼のほとりに佇む異形の館に封印された、百年にわたる秘密とは。桜井京介が鮮やかな推理で解き明かす

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著者プロフィール

東京都生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。1991年、ミステリ作家としてのデビュー作『琥珀の城の殺人』が第二回鮎川哲也賞の最終候補となる。著書に、『建築探偵桜井京介の事件簿』『龍の黙示録』『黎明の書』『レディ・ヴィクトリア』『イヴルズ・ゲート』シリーズなどがある。

「2022年 『レディ・ヴィクトリア完全版1〜セイレーンは翼を連ねて飛ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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