記憶の果て (講談社文庫)

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  • 講談社 (2001年8月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (600ページ) / ISBN・EAN: 9784062732284

みんなの感想まとめ

衝撃的な父親の自殺から始まる物語は、主人公が父のパソコンの中に現れた人工知能「裕子」との関わりを通じて展開します。青春ミステリの要素を持ちながら、サスペンスやSF的な側面も色濃く、読者を引き込む魅力が...

感想・レビュー・書評

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  • メフィスト賞。父親が突然自殺し、そのパソコンの中に人工知能「裕子」が現れる。始まりは、「探偵AIシリーズ」みたいだけど、なんせ1998年の小説なので、全然違う。ジャンルは青春ミステリか。アンチ本格的な切り口もメフィスト小説らしい。
    読んでいて思ったのだが、多分再読。プロットのいうよりも、エリックサティとか、ジョンケージのエピソードが何か記憶に残っている。多分この本だったんだなぁ。ほぼ同世代、多分TVシリーズのエヴァンゲリオンとか直撃してたと勝手に想定される浦賀さん当時19歳の小説なので、めちゃくちゃ親近感わく。キーボードなしでYMOを演奏しようとするバンドとか、エピソードの荒唐無稽さは随所にあるが、魅力的。
    テキストは徹底的な一人称で、自分の心理描写も多く、当時多かったギャルゲーとかの、主人公のテキストみたいです。鼻につく人はいると思いますが、読みやすいには読みやすいので分量は気にならない。

  • 父親の自殺を始めに、何だか衝撃的な事がバンバンと起こる。

    この小説は合う合わないが非常にわかれそうな一冊。
    モヤモヤとしたこの感じ、私は好みです。
    色々な事が謎のまま終わってしまって、少しだけ
    え〜、と思ったのですが
    どうやら『時の鳥籠』と言う本で伏線回収しているのだとか。
    これは時間を空けずに読まなければな。

  • 驚くべき浦賀和宏のデビュー作。この作品を19歳で書いたというのだから恐れ入る。冒頭から父親の自殺という衝撃の事件、父親が残したパソコンの中に住む裕子という謎の女性。SF的な作品かと思いきや、サスペンスのようなミステリーのような展開が続く。少しづつ明らかになる驚愕の真実、読み進むうちにこの世界が現実か幻想なのか解らなくなってしまうようだ。

    後に描かれた『眠りの牢獄』『彼女の血が溶けてゆく』『こわれもの』も面白いが、この作品はデビュー作とは思えないほど、非常に面白い。

  • 文章はかなり好みだし、プロットも文句なし。一気読みした。

    型にはまった展開ではなく、次に何が起こるのか、全く予想ができない。
    安藤直樹を中心とした青春小説としての側面もあり、またミステリ作品としても面白い。

    ただ安藤直樹の屈折、絶望、変化を追っていくだけでも、読者は直樹に同情し、腹を立て、哲学的ともいえる質問に戸惑い、明かされる事実に直樹と同じように驚愕させられる。直樹の内面描写がとても濃く、本書の最大の魅力であることは間違いない。

    ...うーん言葉では上手く表せない。
    とにかく、これは自分にとってはかなりハマった。とても面白く、印象に残る作品。
    すごい。





  • お気に入りの作者の一人でもある浦賀和宏。
    「彼女は存在しない」、「こわれもの」と読んできて、今回、デビュー作となる本書を図書館で借りて来て読了。これが、19歳の時のデビュー作っていうんだから驚く。19歳でこんな内容の本を書けるの!?まさに驚きの一冊だった。10代でデビューする作家も多いし、過去にいろいろ読んだけど、10代のデビュー作でここまで驚かされたのは、羽田圭介の「黒冷水」以来じゃないか・・・?

    で、本書の内容なんだが・・・。
    一言では言えない。ミステリーでもあるし、SFでもあるし、青春小説の匂いもするし・・・。これらの要素がかなり高い次元で文章になってる。主人公の心の描写も丁寧に描かれている。この主人公の性格は好き嫌いの分かれるところかもしれないが、自分は好きだなぁ。こういう青春時代真っただ中の心情・・・。脇を固める二人の友達、これがまた、憎らしいほどよく描けてる。このあたり、青春小説の匂いがする由縁だと思う。

    主人公と他の人物との会話で、けっこう科学や哲学的な内容が含まれているんだが、この辺りはクドイ気がした。ただでさえ長い小説なのに、薀蓄が長々と続くとダレてくるし・・・。しかし、この内容を19歳で書いてるって言うのはスゴイと思う。今なら、もっとスマートに書けるんじゃないだろうか?

    父親の自殺に始まる物語で、いろいろな謎が提示されるんだけど、最後まで読んでも、全ての謎が解明されるわけじゃない。それでも妙に満足感を与える作品だった。
    普通、最後まで読んで、あっちこっちに謎が残ったままだと嫌悪感しか残らないし、続編なんて読む気も起きないけど、この作品は違う。シリーズになってるようなので、シリーズ2作目「時の鳥篭」を読んでみたいと思う。

    ☆4個

    「BOOK」データベース~

    親父が死んだ。自殺だった。俺は安藤直樹。親父が残したパソコンのなかにいるのは裕子。いや違う、あれは単なるプログラムにすぎない。でもプログラムに意識が宿ったのならば…。いったい彼女は何者なんだ!徹底した方法意識に貫かれたテクストが読者を挑発する、第五回メフィスト賞に輝くデビュー作。

    うん、挑発されました!
    前にも書いたけど、この作者、もっと売れても良いと思うんだけどなぁ・・・。
    アホみたいに作品を量産してる某人気小説家の最近の作品より、格段に面白いと思うけどな!

  • 単行本の方ではすでに読んでいて当時衝撃を受けたものですが…という理由でアレですね、珍しくブッ○オフでコレを見つけたもので買ってみて読んでみたわけなんですけれどもまあ…あの当時はまだ20歳そこそこでしたから共感できたものの、すでに三十路近い僕ちんが果たしてこの本を読んで楽しめたかというと…楽しめたのでした(笑)

    ヽ(・ω・)/ズコー

    主人公は大学進学前の男なんですがねぇ…それに共感するってことは僕は自分の20代、まったく成長というものをしていないということの証左なのかもしれません!

    ヽ(・ω・)/ズコー

    ↑でもまあ、そんなに悲観的にもならずに楽しめたんですけれどもね。内容的にちょっと…気持ち悪い部分もあるかもしれませんけれども、僕は浦賀氏をメフィスト賞出身者の中ではかなり高く評価していて個人的に一番好きな作家さんだったりもするんですけれども、世間の評価は芳しくないんでしょうかねぇ…? っていうか、誰か浦賀氏のこと知ってる? ってなもんですよ。

    それくらいの知名度なんでしょうねぇ…こんなに面白いのに…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

  • 安藤の父親が自殺した部屋いあったパソコンには「裕子」という人格が。「裕子」とは自殺した年の離れた姉?育ての母とは違う父と前の母?近親相姦やら幻想的展開やらでよく分からない。
    ここでは語るのはやめようとか言うセリフも出てくるが、そういう展開の話は嫌い。やはり幻想小説は相性が悪いようだ。

  • 第5回メフィスト賞受賞作。妙にところどころひっかかるような読みにくさのある文章なのだが、計算してやっているのだとすると効果は大きいと言わねばなるまい。自殺した父親の部屋に残された奇妙なコンピュータ。そこには<裕子>という意識を持っているのではないかと疑うような奇妙なシステムが残されていた。高校を卒業したばかりの主人公は<裕子>の謎を探るうちに自分自身に隠された謎にいつしか心ならずも辿りついて、というストーリー。なんだか釈然としないラストだし、そこまでいくまでに用いられた膨大な量の言葉に比してもどうかと思う。最後の50ぺージほどはそれまでにくらべてとばしすぎではないか?もう少しバランスがとれていればもっと面白く読めたかもしれない。ただ誤解なきように言っておくけど、粗削りな中にも奇妙にひきつけられるもののある物語であることは確かだ。次作に期待といったところだろうか。

  • 悪意がある、云々以前の問題である。この小説は底知れない意地の悪さがある。
    自殺した父親、そのパソコンの中にいる女とは。
    ミステリだ、いいやSFだ、というジャンル論をかき分けて独自のジャンルを築き上げている。
    この作家は通常、作家がやりたがるような読者のスッキリする展開などもたらさない。人の自意識、記憶、そういったものをごちゃごちゃと混ぜて混沌とし、それでいて様式美のようなものが存在している世界を描いている。作中の時代のテクノロジーだからこそ成り立つ作品である。いやぁ意地が悪い。

  • ものすごく久々に再読。
    やっぱり好きです…。

  • バンドのライブで出会った女の子との話が面白かった。その女の子にいったい何が起きたかは続編の時の鳥籠を読む必要があるとのことで楽しみです。

  • ミニコメント
    父親が自殺した。父親のパソコンの中にいる裕子と出会い、会話するようになっていく…裕子と話していると真実に近づいてきて…裕子とは何者なのか?

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/325185

  • 2015年6月14日読了。
    2015年80冊目。

  • ・萩原は言った。『この紅の花に限らず、我々が見ているものは・・・・・見ているもの、聴いているもの、感じているもの、つまり我々が認識している世界は、すべて自らの脳で作りだされた世界なんだ。つまり脳の数だけ世界はある。そして本当の世界を見ている人間などいやしない』
    ・コンピュータに移植された直樹の産みの親の脳を通じて、意識はどうして生まれるのか、意識とは何か。
    ・NHKオンデマンドで見た[臨死体験 死ぬとき心はどうなるのか/立花隆]を思い出した。
    意識・心って何でしょうね

  • 難しい哲学のような話が次から次へと出てくるので一緒に考えなら読み進めたのですが、その割に、主人公たちの考え方が捻くれ過ぎていて全く共感出来ず、最後まで読むのに苦労しました。唯一の救いは、裕子の素直さと、裕子と一緒にいる時だけ素直になる主人公が可愛いかったところ。後は主人公が未熟で不安定な存在なのに、排他的なところが好きじゃありませんでした。途中まで夢中で読んだけれど、結末も好きではなかったです。
    続編があるようですが、読みません。

  • 不思議な読後感。
    文章はやや拙いが良く考えられたストーリー。
    意識とは何か、コンピュータに意識は宿るのか?
    哲学的な方向に陥りそうで、ギリギリの線でエンタテーメントを成立させている。
    主人公の悶々とした思いが、歯痒くもあったが、共感できた。

  • 読み終わった後にこれを現在に置き換えたらその世界の果てはどうなっているのだろう、と。そして僕が好きな小説だった。

    すべての謎は回収されなくてもいいし、神は細部に宿るというけどその神は魂の座だけ存在しているはずだ。
    だから、主観で見て感じて聞いて触れて味わう嗅ぐというものは脳内に変換された極めて個人的なものだ。
    そういうものと他者との違いにおける違和感があってそれを書いたのが十代の終わりだからもあるのだろうある種青臭いがストレートなまでに書いてある。

    まったくメフィスト賞に思い入れもなく触れてこなかったがこういう作家さんも出していたんだと今頃わかった。他の作品を読むいいきっかけになった。

    分厚いがスラスラと読めてしまった。あと友情関係を回復させない辺りはすごくわかる。

  • 驚きはあったが、正直、「だから何なんだ」という印象。主人公はじめ登場人物が、何だか理解できない人たちばかりだった。

  • エアミスオフにて。

  • うーん。
    なんか、ザルのような世界でした。
    あんまりシンクしなかったな。残念。

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著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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