文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 6020
レビュー : 535
  • Amazon.co.jp ・本 (1376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062732475

感想・レビュー・書評

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  • 内容(「BOOK」データベースより)
    忽然と出現した修行僧の屍、山中駆ける振袖の童女、埋没した「経蔵」…。箱根に起きる奇怪な事象に魅入られた者―骨董屋・今川、老医師・久遠寺、作家・関口らの眼前で仏弟子たちが次々と無惨に殺されていく。謎の巨刹=明慧寺に封じ込められた動機と妄執に、さしもの京極堂が苦闘する、シリーズ第四弾。

    ・レビュー

     相変わらずの見事な構成。しかし今回に関しては構成よりも知識面での感動のほうが大きかった。禅というテーマはかなり難しいのだけれど、しっかり理解して小説を書けばこういうミステリとして扱えるんだという感動。ストーリーはそこまで複雑ではないし、起こっていることもそこまで理解不能なものではない。「シンプルだけど不思議」という印象が終盤まで続く、終盤に入ってからはお得意の畳み掛け。一気に霧が晴れて「なるほど」と綺麗に終わるわけである。
     前3作を読んでいればある意味短編小説のような楽しみ方もできる。一つずつ事件が解決し、犯人も動機もその他の謎・不思議も最後にはすっきりと片付く。京極堂の解説と憑き物落とし、僧との会話、そして僧自身の言葉もなかなか面白かったし、いい言葉だなと思うところも多かった。今回はどうも登場人物がみなカッコ良かったなぁという感じがした。
     前作までとは違って概ね予想の付く展開ではあったと思うけれど、「~の正体はいかに」と予想するのはなかなか楽しかった。

  • 白と黒の世界に閉じ込められているような、そんな感覚に陥った。ちゃんと世界に色はあるのに、白黒で再生されている。
    この話の舞台になった寺の秘密に、そうきたかとおどろいた。今回の京極堂の蘊蓄は主に仏教、というか禅宗の話だったのだけど、なかなか興味深い話だった。理解できたかといわれれば、できてないんだろうけど。犯人の動機には理解できないところがある、ひとはいるんだろうなあ。わたしはすとんと落ちてきたのだけど。
    結界の中で生きつづけたひとたちは、ようやく結界から解放される。ただ最後の最後まで、縛られてしまうひともいた。その、執着の赤は白黒の世界の中でひときわ哀しみを放っていた。
    キャラ読みすれば榎さんがすてきすぎた。榎さんがかっこよかった。久遠寺翁とあのひとの再会シーン、ぐっときた。こう、深いところをえぐられた。

    (1376P)

  • 文庫本なのに厚さ5cm。
    重い。
    通勤途中で読んでたから、鞄が重かった。
    やっと開放される。
    意地と根性で読破!

    禅宗について
    少し詳しくなった気がする。
    坊主が何人か死ぬわけだが、そっちには
    あまり興味が沸かず
    その舞台となっている特異な寺の設定に
    脱帽。

    「不立文字」ふりゅうもんじ
    禅は文献を重んじない。

  • ヤバい!! かなり好きだこの巻!前作がいまいちノリきれなかったから高揚もひとしお。人物相関図も定着してきて、京極堂の不機嫌の度合いが親→親戚→町内会→東京全土ww…と仏頂面のキャパが拡張していってるのも楽しみな見所になってきました。今回は木場修が影薄の代わりに前作の雪辱を果すかの如く序盤から榎木津節全開のご活躍!!! 榎さん神回といっても過言じゃないかな!? 回を追う毎にこの方の破壊力の降り幅もレベルアップしてるのも魅力の1つです。
    今回は禅寺が舞台なだけに兎に角坊主多しで名前覚える迄大変でした。 どうも私は美貌の容姿で冷酷な目というものに滅法弱いらしい。慈行和尚が榎木津と対峙する所なんて想像するだけで…(♡)。それだけに末路が無念でなりません。
    人は誰しも囲われた空間に生きている。家庭、会社、 学校…その檻の中で悩み迷いながら光を見出だしていく。日々修行なんですね。京極氏の書籍は知識が豊富に詰め込まれ読了後自分も少し高尚になれた気がしてしまいある意味麻薬です。

    • imuzak12さん
      今のところ、この本が京極作品中の私のお気に入りです。いろんな怪しい坊主たちが出てくる辺りが楽しいのです。ディーン・クーンツのオッド・トーマス...
      今のところ、この本が京極作品中の私のお気に入りです。いろんな怪しい坊主たちが出てくる辺りが楽しいのです。ディーン・クーンツのオッド・トーマス・シリーズの3冊目、「オッド・トーマスの救済」にも(違った意味で)怪しい坊主たちが出てきて、何故か両方好きなのですw
      2013/05/18
  • 1000頁あるからね~、根気がないと読めないわ。
    なんて思って読み始めたら、これがまた面白い!!
    1週間くらいで一気に読んじゃったわ~。

    まず、推理小説なのに奥が深い!
    犯人を解きながらいろんな勉強まで出来ちゃうとこが、今までの推理小説にない作品だな~ってほんと感心しちゃうのよ。
    もうね、目から鱗状態よ。

    する、シリーズ第四弾。

    友達にも自身をもって薦められる作品。
    これで、私は京極ファンになりました~。

    ほんと彼って頭良すぎ!!

  • 本の厚み5cm!
    『姑獲鳥の夏』から読み始めて、厚みには慣れてきました^^;

    厚みがあっても、苦にならないのは面白いことが解っているから。
    今回も期待に違わず、引きこまれていきました。
    過去の作品に登場した人物が登場するのも、すんなり読める一因かも。

    「禅」がテーマでしたが、悟りと言うことを10年ほど考え続けてきて
    この僧達との違いを感じました。
    悟ってもそれはその瞬間の事。普通の人間には生活が続くのです。

    私にとっての悟りは、足るを知ること。全てを受け入れること。
    頭ではわかっても、出来ない場合が多いですが・・・

    京極堂がなかなか活躍しないのが、待ち遠しかったけれど
    殺人場面の異様さ、舞台になるお寺の不思議さ、僧達の身勝手さに驚き呆れ、
    そして京極夏彦の知識の豊富さには参りました。

  • 300ページまで読み、一度挫折し、数年後、また最初から読み直した。

    何 で 4 0 0 ペ ー ジ ま で 我 慢 出 来 な か っ た ん だ 前 の 私 は 。

    400まで行ったら話は急展開し、そこからは止まることが出来ずに一気に読めて、それまでの鬱憤を晴らす勢いで立て続けに色々な事が起こり、もう楽しかった。

    舞台がお寺なので、序盤はその寺の説明や宗教全般の難しい漢字が並ぶ、馬鹿な私にはとても苦しい章でしたが、400越えてからはもうパラダイスでした。

    面白い面白い。私の好きな、不気味な童女の話や、ぼんやりとした薄気味悪い坊主や、謎の死体やら、益田くんの人間臭さや…凄いドラマ感に止まることは出来ませんでしたはい。

    あー何であの時挫折したんだろう。挫折した自分がアホ過ぎる。
    そう思わせてくれた一冊。そこからは、京極作品の長さが苦ではなくなった。

  • 読むのに時間がかかりました。
    ページ数のせいではなく、内容が濃いせいだと思う。
    今回のメインテーマは禅宗。

    お坊さんのフルネームを覚えるのが大変・・・
    禅宗のくだりを理解しながら読むのが大変・・・

    だけど、止められないんだなぁ、これが。

    過去の事件との絡みがかなり面白いです!

  • 711頁の兄妹素敵すぎる。

  • なんとなく敬して遠ざけてきた京極夏彦の長い小説。
    読み始めてみれば、イコノグラフィを思わせるような様々な登場人物同士の含蓄のある会話によって物語が進行する。聖なるもの、卑俗な欲望、少しの飛躍、歴史的ないきさつ。箱根山の人里離れた夢のような檻の中の出来事。
    禅とはこういうものなのかと、どの程度真に受けて理解したつもりになっていいのか、怪異小説の体でもあり、悩ましいところでもある。

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著者プロフィール

京極 夏彦(きょうごく なつひこ)
1963年、北海道小樽市生まれ。小説家としてだけでなく、世界妖怪協会・世界妖怪会議評議員(肝煎)など妖怪研究家であり、他にも装幀家、アートディレクター、俳優など様々な顔を持つ。
広告代理店を経てデザイン会社を設立。1994年、そこで暇つぶしに書いた『姑獲鳥の夏』を講談社に送ったところ極めて評価を受け、同年、即出版・デビューに至る。瞬く間に執筆依頼が殺到する人気作家に上り詰めた。
1996年に『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、1997年『嗤う伊右衛門』で第25回泉鏡花文学賞、2002年『覘き小平次』で第16回山本周五郎賞、2004年『後巷説百物語』で第130回直木三十五賞、2011年『西巷説百物語』で第24回柴田錬三郎賞など、数多くの受賞歴がある。
代表作に「百鬼夜行シリーズ」「巷説百物語シリーズ」「豆腐小僧シリーズ」など。

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