- Amazon.co.jp ・本 (1376ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062732475
感想・レビュー・書評
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推理小説としては冗長なんだけど、その冗長の部分が面白いから仕方がない。
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京極堂シリーズ第四弾。
段々と京極堂シリーズへの自分の中で耐性がついて来た為か、最初の話ほどのインパクトはなかったような。 -
坊主入り乱れ
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シリーズ第4弾「京極堂、結界に囚わる」
この作品の雪山世界にもう1度浸りたくなり、4年振りに本棚から引っ張り出して読んだ。
ページ数は1,341(文庫本の限界突破!!)、辞書と見紛うほどの極厚本である。
謎の巨刹・明慧寺を舞台に、僧侶が次々に惨殺されていくという異様な事件。
意外な真犯人と驚きの犯行動機もさることながら、本作で僕が特におもしろい(知的な意味で)と思った箇所がいくつかある。
まず、宗教に脳科学の立場から解析を加えることができるか、という議論。
事件記者・中禅寺敦子が「修行の成果は機械などでは測れないものかもしれない」と考え、古物商・今川雅澄もまた「悟る悟らぬと云うものは、医学的な脳の状態とは無関係ではないか」と述べたのに対し、医師・久遠寺嘉親は「仮令それがどんな状態であっても、凡ては脳の中の変化でしかない」と反論する。
さらに、もし測定されたとしても「結果如何に依っては、修行なんかしなくても同じ状態が造り出せると云うことになり兼ねない」という問題が生じる。
却説、京極堂の見解は…
「数万倍も情報量が豊富な筈の言葉でも伝えられないものが一本の波線で判るか」
まさに見事な領解だ!
次に、京極堂が科学に対する自身の明確な立場を述べていること。
「この世に科学で解明できないものなどないよ」
「妖怪変化—怪異と云うのはそもそも理解不能のものを理解するための説明として発生したものなんだぞ。云ってみれば科学と同じ役割を持ったものなのだ」
禅寺の庶務を分担する主事職―知事と呼ばれる―には主に4つのものがあるということ。
監院(かんいん・総務人事、和田慈行)
維那(いの・風紀教育、中島祐賢)
典座(てんぞ・賄い方、桑田常信)
直歳(しっすい・建設担当、小坂了稔)
「悟り」についての今川雅澄の説明。
「解っていても、解った気になった途端にそれは解っていないのと同じことになってしまう、つまり解った気になると云うのは、解ったこと自体を自分自身に説明している状態な訳です。本当は解っているのに、説明された段階でそれは本質ではなくなっている。だから解った気になっているうちは解ってはいるが解っていないのと変わりないのです。説明抜きで、解ったことそのものを、生きること自体で体現して、それで初めて解ったと云うことになるのでしょう」
禅宗(日本には臨済宗、曹洞宗、黄檗宗という3つの大きな宗派がある)が唐から日本へ齎された経緯が京極堂の口から淡々と語られるが、何のことやら珍紛漢紛だった。
膨大な量の参考文献が作者の宗教に対する造詣の深さを示している。
こんな重い(中身も、物理的な重量も)小説、京極夏彦でなければ絶対に書けない。
「この世には――不思議なものなど何ひとつないのだよ。関口君」 -
最初の最初にいきなり、「拙僧が殺めたのだ」なんて言って犯人登場。
今回は犯人が予想できるのではないかと思いながら読んでたけど、結局わからなかったw
お坊さんがいっぱい登場するから登場人物をイメージするのが大変だったw
姑獲鳥の夏で名前だけ出てたあの人が登場して、ワクワクドキドキした。
後、鈴が怖かった。
禅とか公案はとても難しかった。
「し――釈迦も弥勒も彼の下僕に過ぎない――さあ云ってみよ――彼とは誰か――」
「ぼくだ」
榎木津さん最高!!! -
【本66】宗教をミステリーとして書いた大作。禅を題材とし、読後は一定のレベル以上に禅についての理解が深まる。生きながらにして脳の呪縛から解き放たれようとする法が禅であり、呪縛=檻にいる者は鉄鼠は蝕まれる。しかし、宗教体験が人を殺すのか、といったところは私の理解を越えており、改めて熟考したいと思う。
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禅の勉強になった。