死体を買う男 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733151

作品紹介・あらすじ

乱歩の未発表作品が発見された!?『白骨記』というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ-南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド。

感想・レビュー・書評

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  • 作中作ってヤツやな。
    作品の中に出て来る作品。

    結局、お前は、兄なのか?弟なのか?どっちやねん!って最後まで引き摺ってしまう…
    更に今は、どの作品の中や?というのもあって、何か微妙に、絡んでて混乱して…(^^;;
    二段三段にトリックしてて、「う〜ん…う〜ん…」と唸らされながら終わりまで〜
    雰囲気は、江戸川乱歩とかが活躍するので、時代がかってる感じやけど、ええ感じ。

    ミステリー小説というより、推理小説って文言が似合う。
    タイトルの「死体を買う…」ってどこに関係するんやろ?
    と思ってたら最後に登場。

    トリックだけだなく、登場人物の心情にもホロリ(T . T)

  • 白骨鬼:南紀白浜で女装青年が首吊自殺。事件に違和感を感じた乱歩と朔太郎が探偵となり事件を探る。
    現実:作家細見が白骨鬼(西崎作)を休載させる。
    白骨鬼の事件の裏に隠された真実が「死体を買う男」
    白骨鬼は警官の犯罪捜査記録が下敷。事件関係者は現存。乱歩と朔太郎に目が行くが,事件には裏がある。

  • 作中作品の小説でした。
    作中作品が何かの鍵を握っているのは考えたが、余計にわからなくなった。
    作中作品も現代も一癖あり、楽しめました。
    ただ、少し読みにくいのが難点かな。


    乱歩の未発表小説に隠された驚愕のトリック
    乱歩と詩人朔太郎の名コンビが紀州白浜の首吊り自殺の謎に挑む!

    乱歩の未発表作品が発見された!?「白骨記」というタイトルで雑誌に掲載されるや大反響を呼ぶ――南紀・白浜で女装の学生が首吊り自殺を遂げる。男は、毎夜月を見て泣いていたという。乱歩と詩人萩原朔太郎が事件の謎に挑む本格推理。実は、この作品には二重三重のカラクリが隠されていた。奇想の歌野ワールド!

  • ブクログ開始の本は、
    歌野晶午の「死体を買う男」。
    乱歩と萩原コンビの探偵物語を楽しく読み、
    終わりの結末と、どんでん返しの演出は、流石の歌野晶午のミステリーだと思った。

    ミステリー小説(映画やドラマでも)は、展開を予想して、5割は予想通りの展開になっていくけれど、今回はまた残り半分でしたね。
    やっぱり!
    からの終章、今回は後日談での種明かしが、物悲しく、あの男の狂気じみた必死さが寂しく、みっともない中の美しさが好きだった。
    あんまり読んではないけれど、乱歩のような文体はすっと頭に入って良かった。

  • 最後の二転三転の所は ん?ん?ん?で読み止める事が出来なくなった。歌野晶午さんはやっぱり凄かった。

  • 同じ歌野晶午作品の「葉桜〜」のような驚きや感動を期待しているとちょっと肩透かしを喰らう。

    作中作の形式で江戸川乱歩を真似た文体で書かれているとのことですが、私自身が江戸川乱歩作品を読んだことがないこともあって、文体や時代描写の魅力や上手さがわからなかった…。

    乱歩や朔太郎が好きな読者なら楽しく読めたのかもしれませんが、2人がじゃれてる場面がちょっと冗長だなぁ…と思いながら読みました。

  • 先日のお出かけ先で「3000円以上お買い上げで駐車料金割引」という謳い文句が。平日上限が1500円。んー、どうせなら本を買おうということで3000円分、歌野晶午さんの文庫本を4冊ゲット!その内の1冊がこれ。まぁ1200円に…割引300円か、微妙。まぁ出版業界に少しでも貢献したと納得だけども。

    そしてこの本、作中で「白骨鬼」という乱歩の未発表作が発見!?言わずと知れた江戸川乱歩と詩人の萩原朔太郎、2人が事件の謎を解明する物語。なのだが度重なる仕掛けにワクワクする本格ミステリ!ミステリ好きにはおススメ!さすが歌野さん!

    作中作「白骨鬼」では、白浜の宿で夜な夜な似合いもしない女装をし、月を見ながら泣く男。そして一本松での首つり自殺。その死体が消えた。乱歩と朔太郎は犯人捜しの冒険に出る。

    本編の物語では、乱歩の未発表作があったのか?作者は誰だ?と主人公はその作者と対峙し、その作中作を我が物にしようと企むのだが…。二転三転する物語。そして二重三重のしかけが!タイトルも「したいをかうおとこ」→「とおいかこをしたう」とアナグラムに!読めば納得のタイトル。

    そして後日、4冊のうち1冊「絶望ノート」は既読だった事実に愕然とした。(笑)

  • どっちが犯人なんだろう…と最後まで考えながら読むことができた。時代背景は現代ではないが、想像しながら読めた。

  • 乱歩と萩原氏の掛け合い、舌戦が面白く、読めば読むほど引き込まれた。
    確かに二重三重のカラクリが隠されていて、読み進めていくうちになんとなくわかった気にはなっていたけれど、最後は「やられた。」と思った。

  • 「白骨鬼」
     江戸川乱歩の未発表作品がある文芸誌に掲載される。 江戸川乱歩と萩原朔太郎の2人の作家が探偵役を努めるその作品にはある秘密が隠されていて・・・。 作中作と現実パート、そしてミステリの遊び心光る技巧派作品。

    がっつり作中作を取り込み、しかも江戸川乱歩の文体の寄せる徹底ぶり。 現実パートに仕組まれた仕掛けに驚嘆。 

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著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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