死体を買う男 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733151

感想・レビュー・書評

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  • 最後の二転三転の所は ん?ん?ん?で読み止める事が出来なくなった。歌野晶午さんはやっぱり凄かった。

  • 先日のお出かけ先で「3000円以上お買い上げで駐車料金割引」という謳い文句が。平日上限が1500円。んー、どうせなら本を買おうということで3000円分、歌野晶午さんの文庫本を4冊ゲット!その内の1冊がこれ。まぁ1200円に…割引300円か、微妙。まぁ出版業界に少しでも貢献したと納得だけども。

    そしてこの本、作中で「白骨鬼」という乱歩の未発表作が発見!?言わずと知れた江戸川乱歩と詩人の萩原朔太郎、2人が事件の謎を解明する物語。なのだが度重なる仕掛けにワクワクする本格ミステリ!ミステリ好きにはおススメ!さすが歌野さん!

    作中作「白骨鬼」では、白浜の宿で夜な夜な似合いもしない女装をし、月を見ながら泣く男。そして一本松での首つり自殺。その死体が消えた。乱歩と朔太郎は犯人捜しの冒険に出る。

    本編の物語では、乱歩の未発表作があったのか?作者は誰だ?と主人公はその作者と対峙し、その作中作を我が物にしようと企むのだが…。二転三転する物語。そして二重三重のしかけが!タイトルも「したいをかうおとこ」→「とおいかこをしたう」とアナグラムに!読めば納得のタイトル。

    そして後日、4冊のうち1冊「絶望ノート」は既読だった事実に愕然とした。(笑)

  • どっちが犯人なんだろう…と最後まで考えながら読むことができた。時代背景は現代ではないが、想像しながら読めた。

  • 江戸川乱歩の遺作として発表された「白骨記」を巡る、作中作形式のミステリー。
    月恋病、女装の美青年、詩になぞらえた自殺死体。不気味な始まりに反して、語られる真実は生々しく現実的。読者を騙すことに重きを置いた「葉桜の季節〜」よりも楽しく読めました。
    でもそれだけでなく、第四章からの急展開、タイトル「死体を買う男」へと繋がる一連の流れには感動しました。
    特筆すべき奇抜さはありませんが、全体的に綺麗にまとまっていてすらすらと読める作品です。萩原朔太郎、いいキャラしてる。

  • これはとても読み応えがあった。
    プロット、ディテール、キャラクター…、すべての要素がもう完璧に近いんじゃないかと思うぐらいに存立していて、紛れもない徹夜本の1つ。

    由緒正しく、どこか懐かしい古典ミステリーの文体を見事に踏襲した作中作も見事なら、それをパッキングしている外箱もまた見事。
    また、江戸川乱歩のみならず萩原朔太郎を登場させ、あまつさえ彼に名探偵の役どころを演じさせているとは、なんという奇想か。
    読了して初めて腑に落ちるタイトルも抜群にいい。

    それにしても、今文壇でミステリーと呼ばれる分野で活躍している作家の中には、乱歩の薫陶を受ける人たちのなんと多いことか、ということを改めて感じさせられる。
    著者の歌野晶午氏の書く世界は実に幅広く、この小説のようなテイストの作品はどちらかというと少ないと思うが、それにしても乱歩ワールドの王道を押さえた上で、さらに二重三重に捻りを加えて現代の目が肥えた読者をも唸らせるミステリーをここまでの完成度で書き切るとは、いやはや恐れ入る。

  • 作中作スタイルの本格ミステリです。
    文庫本のあらすじに「二重三重のカラクリ」とありますが、まさにその通りでした。
    これぞ、本格ミステリという内容でした。
    なぜ「白骨鬼」は書かれたのか。
    そのトリックは、鳥肌ものでした。

  • 江戸川乱歩作品を知らなくても面白く読めると思います

    生粋のミステリ好きが書くミステリ!!
    という感じ

    種明かし部も、これでもかこれでもかと出るわ出るわで
    しかも、ひとつ残らずすべて綺麗に伏線回収がされているし、
    文章自体はちょっと時代を感じるんだけど
    それでもちゃんと全部理解できたし
    作中作?スタイルなんで
    またすごいお得感

    桜葉…
    絶望ノート
    など
    もう歌野晶午さん最高です

    もう

  • 面白かった。
    歌野晶午は「葉桜の季節に君を想うということ」しか読んだことがなく、そしてそれはあまり私の琴線には触れなかったのだが、本作はかなり刺さった。
    「どんでん返し」の強さはさほどでもないけど、面白い。
    タイトルの意味は自分なりに解釈したものの…「ああああ!!!」みたいな衝撃が欲しかったなというのが本音。
    ただ、作品内容はとても面白く、一日で読み切ってしまった。

  • たまたま手にとって購入した本。乱歩と朔太郎とともに読み進めていく感じでした。すんなり入り込んで一気読みでした。おもしろい、それ以上の言葉で表すと嘘くさくなりそうなので、これ以上は本を読んで自分で感じていただきたい。

  • 2回も3回も展開があって面白かった。
    最初登場したとき、凛としていた塚本直の印象が読み終わると可哀想な人にみえる。

著者プロフィール

1988年『長い家の殺人』でデビュー。2004年『葉桜の季節に君を想うということ』で第57回推理作家協会賞、第4回本格ミステリ大賞をダブル受賞。2010年『密室殺人ゲーム2.0』で第10回本格ミステリ大賞をふたたび受賞。

「2022年 『首切り島の一夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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