偽薬 (講談社文庫 え 9-12)

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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (431ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733649

感想・レビュー・書評

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  • 製薬系の企業小説が読んでみたくてチョイス。
    ちょっと時代設定が古いのですが、
    古き良き時代?の製薬業界のドロドロが書かれていてとても面白いです。
    今は、こんな営業をMRがしていたら、逮捕ものですが、
    昔はこんな感じだったんだなぁ…とか、
    お医者さん(特に大学病院の)も倫理的に素晴らしい人もいたんだろうけど、
    権力におぼれた人多かったんだろうな…とか(まさに白い巨塔の世界!)、
    色々と感じるところがありました。

    薬を世に出すプロセス(臨床試験)も結構細かくも分かりやすく書かれていて、
    とても参考になりました。
    僕は専門家や業界の人ではないので、ちゃんと理解しているわけではないですが、
    このプロセスは今も大きくは変わっていないはず。
    小説を通じて、大まかな流れが理解できたのは、
    僕にとってはとても良かったです。

    江波戸さんの企業小説は、過去ちょっとだけ読んだことがあるような気がしていて、
    その時はそこまでハマらなかったのですが、この小説は結構面白かったです。
    最後のオチがやや無理があるな…とも感じつつ、
    でも一定の面白さを担保してくれていて、
    純粋な小説としても楽しめるのではないかと思います。

  • 製薬会社の新薬開発と、その治験をテーマにした企業小説。脳梗塞の予後を改善し再発を防ぐ夢の新薬777は大協製薬の危機を救うと期待され、開発の担当者たちは治験のデータを集めて検討することに余念がない。だが野口が担当する病院で治験者がふたり死んだ。単なる脳出血の再発のように思われた死亡例には共通の既往症があった。喘息の治療薬コフナールと777の併用が死を招いたのか?777に欠陥があるとなると、リストラの風が吹き荒れる大協製薬は崩壊する。疑惑を隠蔽しようとする経営陣は二派に割れ、海外企業との合併を目論む社長派と研究開発に忠実であろうとする会長派のかけひきに野口らは揉まれる。

  • 新しく作り出した薬を巡っていろんな人が右往左往する話。
    主人公がダメな奴すぎる。

  • 同業者にお勧めします。

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著者プロフィール

1946年東京都生まれ。東京大学経済学部卒。都市銀行、出版社を経て、’83年作家活動を本格的に始める。政治、経済などを題材にしたフィクション、ノンフィクション両方で健筆をふるっている。『銀行支店長』と『集団左遷』が2019年4月からのTBS日曜劇場「集団左遷!!」のドラマ原作に決まる。近著に『ジャパン・プライド』『起業の星』『新天地』『定年待合室』など。

「2020年 『リストラ事変 ビジネスウォーズ2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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