私が彼を殺した (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 11997
レビュー : 1047
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062733854

作品紹介・あらすじ

婚約中の男性の自宅に突然現れた一人の女性。男に裏切られたことを知った彼女は服毒自殺をはかった。男は自分との関わりを隠そうとする。醜い愛憎の果て、殺人は起こった。容疑者は3人。事件の鍵は女が残した毒入りカプセルの数とその行方。加賀刑事が探りあてた真相に、読者のあなたはどこまで迫れるか。

感想・レビュー・書評

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  • 小説のテクスト・トリックにおいて、『私』とは女性でもあり男性でもある。そして、それは若いかもしれないし、年配かも知れない。更には、猫かも知れないし犬かも知れないし、もしかすると神かも知れない。そのことを念頭に置いて読み始めた。それは三年前に読んだ、とある東野圭吾作品がきっかけとなって警戒していたからだ。

    各章は三人の容疑者の一人称視点で、それぞれ交互に語られる。そこでキーアイテムとなるのが毒にすり替えられた鼻炎薬。被害者が常用していた鼻炎薬を利用した殺人劇が巻き起こる。この作者・東野圭吾はミステリー好きの読者にとっては、やっかいな腕前の人物だ。まるで腕利きのマジシャン。視点を誘導し、その別のところで重要な仕掛けを着々と用意している。そうとう意地悪だとも言えるだろう。だが我々読者は、嗜虐的なまでにその意地悪に思考を委ねる。

    すべての行動と可能性を精査したあとで、刑事が指差した人物。作中では描かれないが、それこそが真犯人『私』なのだ。きっと背筋が凍りつくことだろう。

  • なるほどなぁ、そう終わるか!?
    なんか、最後はくどいような、動機が薄いような…
    でも、楽しめましたね(^ ^)

  • 加賀刑事の石神井署時代の話。結婚式で殺された男。三人の容疑者の間でクルクル変わる視点。前回のどちらかが〜よりはわかりやすかったけど、やっぱり本編のなかで犯人と手口を明らかにしてほしかった。

  • 犯人を読者に推理させるという終わり方だったんですが、全く分からなかった。
    巻末のヒントを読んでも分からず、ネットで調べても明確な犯人と謎解きが出来なかった。
    不完全燃焼になるからやっぱり結末ははっきり書いて欲しいと思いました。

  • 犯人当てクイズが実装された作品は初めて。
    これで残念なのは、候補者全員に動機となる十分な来し方をつけるしかなく、そちらの設定が甘くなることか。
    そして被害者の恋人の人を見る目が全くないということになってしまうのも、ほんと改良の余地がある。

  • これもまた藪の中スタイルのミステリー。実際に犯人はあの人じゃないかな?という直感のようなものはあるけど、断定はできない。

    しかし加賀シリーズって陰湿だなぁ。一見さりげないけど、じわじわ陰湿さが迫ってくる。

  • 最後まで犯人を明かさず、読者が犯人を解明する推理小説第二弾。
    ストーリー、構成自体は前作の「どちらかが彼女を殺した」より数段面白かったです。容疑者3名の視点からそれぞれに描かれる彼らの価値観や心情、他者描写、導き出される性格や被害者への憎しみが、読者に犯人を推測する面白味をより強く与えます。動機のリアリティさと、平静を装いながら内面に様々なものを抱える機知に富んだ容疑者たちが魅力です。
    反面、前作と比べると推理内容そのものには惹かれませんでした。「重要」だと明記されていたカプセルの個数と行方は結局犯人を導く決定的なヒントとはならず、全く別のところに付箋が敷かれています。その付箋は、読んだ人間が誰でも頷けるものではないと感じました。
    また、分かりやすく犯人を仕立て上げたのに、結局自分で手を下した意図が私には今ひとつ理解できませんでした。全員の視点から物語を把握している読者だから理解できる、容疑者各々ならば知り得ることのないはずの展開に対する犯人の感情の起伏の仕方にも違和感を感じます。ギクリとすることはあっても、ほっとするようなことは、謎解きの場面ではあり得ないのではと感じました。
    全文が第一人称で語られている限り主張は全て信じなければならないので、感情の動きに矛盾があるの気になってしまいます。

  • 190303.続きが気になり一気に読了。4時間くらい?考察に1時間。
    推理小説ってこういうものなの??ラストまで引っ張りつつ、新展開が怒涛に押し寄せ、美和子の変な感じが出たと思いきや、刑事さん、、そりゃないよっていうラスト。
    袋綴じみたけどあんまり腑に落ちない。
    ネタバレ集も見たけどそれでも腑に落ちない。
    実は美和子の自演で、結婚の一つもせずに兄の元に居続けるのもおかしいと感じたうえで、死んだってさほど問題ない夫を悲劇で無くした上での、兄元へ収まるという話かなーと。事件を契機に、信用を無くしたマネージャーとも縁を切り普通の生活に戻れる。犯人とされるのは、兄以外のどちらでも良いという。
    ただしそこに至るまでのトリックが分からなかった。動機も描かれていないし美和子ではないのだろうが。
    うーん。これはやられた。ハマるわ。

  • 再読。
    やっぱり面白い!
    最後の解説を見ても分からず、ネットの解説を見て納得。

  • 殺された新郎に恨みを持つ者達。一体彼を殺したのは誰なのか。。。
    読者の推理力を試される作品。読んでる途中に感じる違和感がやはり犯人を突き止める鍵でした。

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著者プロフィール

東野圭吾(ひがしの けいご)
1958年大阪市生野区生まれ。大阪府立大学工学部電気工学科卒。大学在学中はアーチェリー部主将を務める。1981年に日本電装株式会社(現デンソー)にエンジニアとして入社し、勤務の傍ら推理小説を執筆する。1985年『放課後』で第31回江戸川乱歩賞を受賞し、小説家としてのキャリアをスタート。2006年『容疑者Xの献身』で第134回直木三十五賞を受賞。2013年『夢幻花』では第26回柴田錬三郎賞を受賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞受賞。現在、直木三十五賞選考委員を務めている。代表作としてガリレオ・新参者シリーズに加え、映画化された『手紙』『ラプラスの魔女』。ほかにもテレビドラマ・映画化された作品が多い。2018-19年の作品では、『人魚の眠る家』、『マスカレード・ホテル』、『ダイイング・アイ』、そして今後の映画化作として玉森裕太、吉岡里帆、染谷将太らの共演作『パラレルワールド・ラブストーリー』(2019年5月31日映画公開)がある。なお、中国で『ナミヤ雑貨店の奇蹟-再生-』が舞台化・映画化され、映画はジャッキー・チェンが西田敏行と同じ雑貨店店主役で出演する。2019年7月5日、「令和」初の最新書き下ろし長編ミステリー『希望の糸』を刊行。

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