地球儀のスライス A SLICE OF TERRESTRIAL GLOBE (講談社文庫)
- 講談社 (2002年3月15日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062733878
作品紹介・あらすじ
「黒窓の会」。西之園萌絵を囲んで開かれるその秘密の勉強会にゲストとして招かれた犀川創平は、古い写真にまつわるミステリィを披露した。屋根飾りと本体が別々になった奇妙な石塔は、何のために作られたのだろうか。S&Mシリーズ二編を含む、趣向を凝らした十作を収録。『まどろみ消去』に続く第二短篇集。
感想・レビュー・書評
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この短編集を読んでとりあえずS&Mシリーズは終了ということですね。
10篇の短編集のうち、犀川先生と萌絵ちゃんが出てきたのは2編。
森先生といえば理系ミステリなんだけど、本書はあまり理系という感じはせず、どちらかというと『純文学』的な要素が強かった。
ミステリーというよりもちょっとホラーちっくというか、ファンタジーというかそんな感じがちがね。
森先生のすべてのシリーズを読破するという僕の読書人としてのライフワーク。これで現在まで読破したシリーズは、読破順に
『スカイ・クロラ』シリーズ
『ヴォイド・シェイパ』シリーズ
『Wシリーズ』
『S&Mシリーズ』
ということになる。
本当の森博嗣信者から見たら、こんな順番で森先生のシリーズを読んでいたらすぐに異端狩りにあって焚刑に処されることは間違いないのだけれど(笑)。
というわけで、次はちゃんと順番通りVシリーズに移行しますね☆詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
綺麗な短編の話しが沢山あり、楽しかったです。どれもいい話でしたが、あとがきが冨樫義博というところですべてを持っていった感じがします。
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再読。短編集。犀川先生や萌絵ちゃんが登場する話もあれば小鳥遊練無が主人公の話もある。全体的にミステリミステリしてたかな。最初読んだ時「僕に似た人」の最後の部分が全然意味がわからなくてネットで調べた記憶がある。今作は内容を殆ど忘れてる話ばかりだったので新鮮な気持ちで楽しめた。好みなのは「片方のピアス」「石塔の屋根飾り」「僕は秋子に借りがある」かな。
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前作に比べると、理解しやすい作品が多かった。難解なのも多少あるけれど。やっぱり、シリーズキャラクターが出てくると安心感がある。⌈素敵な日記⌋⌈石塔の屋根飾り⌋⌈気さくなお人形、19歳⌋あたりが好み。
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S&M2編、Vシリーズに繋がる話が1編含む全10編の短編集。S&Mはいわゆる日常系のミステリーで、犀川先生、喜多先生、睦子叔母さんが出ているだけで満足なのです。Vは、小鳥遊が主役。なかなか個性的なキャラでこれからシリーズを読むのが楽しみ。それ以外のところでは『小鳥の恩返し』がファンタジーとみせかけておいて、一転な感じが面白かったし、『片方のピアス』もぞわぞわとする面白さがありました。
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森博嗣さんの作品に出会うまでは、叙述トリックが大嫌いだった私ですが、大嫌いだった理由は、本当に面白い叙述トリックを読んだことがなかったからだと分かりました。
1冊目の短編集『まどろみ消去』とは、また違ったテイスト…ストーリーは記憶に残りにくいが、加速度の緩慢な衝撃が潜在意識の奥に刻まれるような作品が多いと思った。特に巻末の「僕は秋子に借りがある」は、最後に読んだせいもあるかもしれないが、僕の心に鈍い傷を残した。若い男達は一般的に、自分勝手で欲望の対象にならない女性の気持ちを斟酌する能力に欠けている。そして、そのような女性は奥ゆかしく文学的で、要望をストレートに言葉にしない。その魅力が彼の中で開花するのは、彼の知恵と心が成長し彼女と再会する道が断たれた頃なのだ。
真ん中あたりまで読み進めたところで、おなじみのメンバーが登場した。やっぱり、キャラが頭に入っている人物との再会は嬉しいです。
大御坊が登場するので、『数奇にして模型』を読んでからにした方が良いかもしれない。
『地球儀のスライス』に収録されている「気さくなお人形、19歳」で活躍する“れんちゃん、しこさん”は、Vシリーズに登場するキャラクターらしいのですが、昨日、その辺をググっていて、うっかり相関図を視てしまい、Vシリーズの主役である瀬在丸紅子と犀川創平の関係を知ってしまいました…orz -
久しぶりに西之園さんと犀川先生の話を読んで嬉しくなった。
面白い話もあったものの、全体的に物足りなかった。
やはり森博嗣の本は長編で読みたい。 -
犀川、西之園コンビの話は面白い。諏訪野さんがイイ。
ただ、ピンとこない話があり、評価を下げた。文系的と表現されたストーリーが、ピンとこない原因。少し辛口すぎるかもしれないが。 -