OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

著者 :
  • 講談社
3.68
  • (440)
  • (718)
  • (897)
  • (88)
  • (22)
本棚登録 : 5626
感想 : 485
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734479

作品紹介・あらすじ

深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから脱け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点。'98年日本推理作家協会賞受賞。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 桐野夏生を読むのは「グロテスク」に続き、これで2作目。グロテスクが文句なしの傑作だったので、本作も大きな期待を持って読み始めた。

    果たして、桐野夏生は面白い。

    食品工場の夜勤パートとして働く4人の女性が、夫殺しを隠蔽するために共謀するという話。ジャンルとしてはミステリーかな。

    だけど単なるミステリー小説に留まらないのは、桐野夏生の描写力によるところが大きい。4人の女性はそれぞれに異なる個性と家庭事情を抱えている。それが交互に描かれ、飽きること無く楽しませてくれる。

    各々の家庭に充満する、ドロドロとした不幸の空気感の描き方がなんとも緻密。

    また、歌舞伎町と裏社会のようなパートも登場する。「闇金ウシジマくん」が大好きな自分としては、非常に楽しめたw

    歌舞伎町を根城とする男は、先述の夫殺しの冤罪をかけられてしまう。多くを失った彼は、私的に事件の真相を探ることに…というダークサスペンスの様相を呈する。

    また、食品工場の同僚としてブラジル生まれの日本人が登場する。彼は事件の真相が明るみになってしまうような(文字通り)キーを掴んでしまう。彼の純なパーソナリティの描かれ方も相まって、ハラハラさせる要因として良い味を出している。

    下巻を読むのが今から楽しみ。

    (書評ブログの方も宜しくお願いします)
    https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E7%B7%BB%E5%AF%86%E3%81%AA%E9%99%B0%E6%83%A8%E6%8F%8F%E5%86%99%E3%81%AB%E3%83%89%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%81%99%E3%82%8B_OUT%E4%B8%8A_%E6%A1%90%E9%87%8E%E5%A4%8F%E7%94%9F

  • TVドラマが放送されてから、後追いで読みました。
    かなり昔なので細かい所は忘れてしまいましたが…
    ラストがドラマと少し違っていましたが、ほぼ同じだったと思います。

    とにかくグロい。
    情景描写がゾワゾワします。
    また反比例して、主人公達のたんたんとした行動にもゾッとします。

    古い作品なのにベスト100に入っているのは、現在再放送をしてるからかな?

    若い田中美佐子や、デビュー間もない伊藤英明、今や親分肌の哀川翔も若いチンピラで出演しています。

  • このアプリの中かな?どこかで紹介されてたので買った一冊。

    バラバラ殺人事件の話だった

    いろんな人の人柄や人物像が細かく書かれているので、登場人物の人なりがわかりやすい。

    4人の主婦のうち1人は旦那に対する恨み
    2人はお金のため
    残る1人がなぜ殺人事件に関わったのかがわからない。

    これまで偶然もあり事がうまく運びすぎている。

    この先どうなるか楽しみになった小説でした。



  • ずっと読みたかったけど読んでなかった。やっぱり名作だった。
    もともとOUTな人が更にOUTをしてしまう話。最後に出口はあったのだろうか。
    映画もあるので見てみよう。

  • 2023.3.20読了
    3.5
    個人的に1番関わりたくないタイプは、邦子みたいな人。

  • 深夜の弁当工場で働く4人の主婦たち‥この中のひとりが夫を殺害し、それを隠蔽するために他3人が遺体をバラバラにして遺棄した‥。設定に現実味は感じられませんが、次の展開が気になって一気読みしました!事件の真相はどんな過程を経て、この4人がどうなるか‥また、4人の家族はとうなるか‥下巻が楽しみです。

  • 深夜の弁当工場で働く4人の女性。
    夜0時出勤。全身をきれいに消毒し、今日も工場のラインに立つ。それぞれの事情を抱え働きにくる女性たちだが、ある日1人の夫を殺しバラバラにしまった。グロ描写が多々あるが、人間の内面を描き出す筆力に圧倒された。続きがとても気になる。。

  • 譲れないものとお金

  • 死体解体するとき気持ち悪くなった、、

  • 上巻を読み終えた時点では
    先が見えない
    下巻も読みたくなる

全485件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年金沢生まれ。成蹊大学卒。93年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞を受賞。99年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、04年『残虐記』で柴田錬三郎賞、05年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、08年『東京島』で谷崎潤一郎賞、09年『女神記』で紫式部文学賞、10年、11年に『ナニカアル』で島清恋愛文学賞と読売文学賞をダブル受賞。15年紫綬褒章を受章。

「2023年 『私たちの金曜日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

桐野夏生の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×