本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
本 ・本 (456ページ) / ISBN・EAN: 9784062734479
作品紹介・あらすじ
ごく普通の主婦であった彼女たちがなぜ仲間の夫の死体をバラバラにしたのか!?
深夜の弁当工場で働く主婦たちは。それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから抜け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へ導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点!
感想・レビュー・書評
-
直前に読んだ桜木紫乃
さんの『ヒロイン』の
作中に登場して、
ああ、まだブクログに
登録してなかったなと
思い再読しました。
これ学生の頃に読んで
内容を未だに覚えてる
数少ない作品。
おそらくドラマや映画
になったことで、
記憶が反芻されて頭の
かたすみに住み着いて
しまったのでしょう。
私の内で桐野夏生さん
の代名詞と言えばこの
作品と『日没』
どちらも読了後に自分
が作品に消化される側
だったと感じたもの。
このたび再読してその
思いを新たにしました。
読者の内面にしずかに
忍びこみ柔いとこから
少しずつ溶かしていく。
心を食まれて辿り着く
先は私が夫を殺めてる
パラレルワールドかも。
「常識」という名の檻
の鍵は内から掛けられ
てることを思い出す、
とても危険な作品です。
R18ならぬR女性と
して規制した方が良い
くらい。 -
深夜の弁当工場で働くパートの女性たちが引き起こす事件。読んでいながら胸糞悪くなる。なぜかと考えたが登場人物に感情移入してしまうからかも。多くの人が抱え持つ闇にも。後半が気になるところ。
-
グロテスクが好みだったので、二作目の桐野夏生さん。グロテスクと違って読みやすく、スリリングなエンタメ作品!あー怖い人に目つけられちゃったよ!どう終息させるのか、下巻が楽しみ。
-
弁当工場の深夜バイトでつながる主婦たちが、パート仲間の夫殺しをきっかけに、それぞれの不自由な日常から転がり落ちていく物語。淡々とした文章ながら、終始陰鬱な空気が漂う。
夫の死体処理を請け負うことで話が展開し、ストーリーの先が読めず、一気に引き込まれる。主婦たちの荒んだ生活や人間性の描写がリアルで、特に死体損壊のシーンの生々しさが印象的。人間のドロドロとした心理描写が見事で、続きが気になり下巻へ。 -
桐野夏生を読むのは「グロテスク」に続き、これで2作目。グロテスクが文句なしの傑作だったので、本作も大きな期待を持って読み始めた。
果たして、桐野夏生は面白い。
食品工場の夜勤パートとして働く4人の女性が、夫殺しを隠蔽するために共謀するという話。ジャンルとしてはミステリーかな。
だけど単なるミステリー小説に留まらないのは、桐野夏生の描写力によるところが大きい。4人の女性はそれぞれに異なる個性と家庭事情を抱えている。それが交互に描かれ、飽きること無く楽しませてくれる。
各々の家庭に充満する、ドロドロとした不幸の空気感の描き方がなんとも緻密。
また、歌舞伎町と裏社会のようなパートも登場する。「闇金ウシジマくん」が大好きな自分としては、非常に楽しめたw
歌舞伎町を根城とする男は、先述の夫殺しの冤罪をかけられてしまう。多くを失った彼は、私的に事件の真相を探ることに…というダークサスペンスの様相を呈する。
また、食品工場の同僚としてブラジル生まれの日本人が登場する。彼は事件の真相が明るみになってしまうような(文字通り)キーを掴んでしまう。彼の純なパーソナリティの描かれ方も相まって、ハラハラさせる要因として良い味を出している。
下巻を読むのが今から楽しみ。
(書評ブログの方も宜しくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/%E7%B7%BB%E5%AF%86%E3%81%AA%E9%99%B0%E6%83%A8%E6%8F%8F%E5%86%99%E3%81%AB%E3%83%89%E3%83%8F%E3%83%9E%E3%83%AA%E3%81%99%E3%82%8B_OUT%E4%B8%8A_%E6%A1%90%E9%87%8E%E5%A4%8F%E7%94%9F -
TVドラマが放送されてから、後追いで読みました。
かなり昔なので細かい所は忘れてしまいましたが…
ラストがドラマと少し違っていましたが、ほぼ同じだったと思います。
とにかくグロい。
情景描写がゾワゾワします。
また反比例して、主人公達のたんたんとした行動にもゾッとします。
古い作品なのにベスト100に入っているのは、現在再放送をしてるからかな?
若い田中美佐子や、デビュー間もない伊藤英明、今や親分肌の哀川翔も若いチンピラで出演しています。
-
夜勤の弁当工場に勤める主婦が夫を殺した。
親しい3人の同僚が遺体をバラバラにして捨てたが、一部が発見される。
バレるかというドキドキと主人公たちの心の内、人間関係が交錯してとてもおもしろかった。
今後、弁当工場のブラジル人(カズオ)が味方になるのか、何もかも失ったヤクザっぽい人(佐竹)が真犯人をどこまで追い詰めるのかが下巻の見どころだな。 -
このアプリの中かな?どこかで紹介されてたので買った一冊。
バラバラ殺人事件の話だった
いろんな人の人柄や人物像が細かく書かれているので、登場人物の人なりがわかりやすい。
4人の主婦のうち1人は旦那に対する恨み
2人はお金のため
残る1人がなぜ殺人事件に関わったのかがわからない。
これまで偶然もあり事がうまく運びすぎている。
この先どうなるか楽しみになった小説でした。
-
上下巻の長編ですし、「疾走感がある」とは言えませんが、とても迫力のある作品だと感じます。
それぞれの登場人物が、自分が置かれている状況に不満や閉塞感を抱いている様子が丁寧に描かれていますし、殺人や死体遺棄の場面には臨場感があり思わず背筋が寒くなります。
上巻では、主人公たちの工作が上手くいっているように思えますが、犯人と目されて逮捕されていた男が拘留期限切れで拘置所から出てきて新犯人探しを始めたり、雅子に惚れた同僚の行動や、共犯者として引き込んだ邦子の行動が予想できなかったりと不安な点も少なくありません。
下巻の展開が楽しみです。 -
#読了 2024.11.1
(上下巻あわせての感想)
今年の4月に娘が幼稚園に入園してからまったく読書ができずに半年。ひっさびさの読書。やっぱり読書はいいね。自分の感情が動いて、言語化してアウトプットするのが気持ちいい。
毎日毎日特別何もないのに、娘のお世話と娘に対するイライラのアンガーマネジメントにストレスを溜め、発散する相手も時間もない。子育てするママはみんなそうなんだろうなと思うと飲み込むしかない気がしてくる。私も本書に出てくる女たちと同じだなと思う。
ストーリーとは関係ないけど、私自身は他者から雅子のようなイメージをされることが多くて、自分も雅子キャラでありたいし、雅子である自分が1番気持ちよくあるけど、本当は邦子のような人間なんだろうなと思うと勝手に凹んだ(笑)
当初は作者が男性かと思っていた。読むにつれて、こんなに女の心情を書くのがうまいってどーゆーこと?と思ったら女性だったw
作者はきっと雅子のような人だろうなと思う。だって自分とあまり人格がかぶらない人種の邦子の心情?が雑だもの(笑)きっと賢い人。
とはいえ、中グループの女を描くのがすごく上手だなと思った。上の上グループの女とか、下の下グループの女とかはたぶん振り切り過ぎて表現しやすいと思うのよね。でも、その他大勢は中グループであり、その中で確固たる目的や意志を持って生きてる人なんて少ないと思うのね。そりゃその人なりに一生懸命生きてる。一生懸命、もしくはどうにかこうにか目の前に起こることに対応して生きてる。でもきっと向上心を持つことすら疲れてしまった人、向上心なんて言葉の界隈に属したことの無い人とか。ただ生きてるだけでは、歳を取れば取るほど、何かしら不満や不幸やストレスは増え続ける。マイナスをプラマイゼロにするだけでも相当の努力がいるし、努力の割にプラマイゼロじゃ努力の意味も問いたくなる。中年の女のやるせない気持ちは本人たちも言語化が難しいと思う。その本人たちが言語化できないことを文章にするのだからすごい。
前置きが長くなっちゃった。ここから感想。
上巻はハラハラしながら結局嫌な方へ進んでいくかんじと、段々と女4人のパーソナルな部分が綴られ、のちのち繋がって行く佐竹のストーリー。目の前の凄惨さと気付けば仄暗い道を静かに流されている対比。スッと下巻へ導かれた。
クライマックスから結末はまったく想像つかなかった。読後感は爽やかでも暗くもない、アンニュイでニュートラル。深くかき乱されたあとの静けさは心地よかった。最後まで賢く、諦めず、それでいてちゃんと女である雅子が気持ちよかった。
98年の作品ってことでケータイが出てこないんだけど、やっぱケータイが出てこないクライムノベルの空気感って好きだなぁ。
▼上巻
◆内容(BOOK データベースより)
深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから脱け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点。’98年日本推理作家協会賞受賞。
▼下巻
◆内容(BOOK データベースより)
主婦ら四人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。’98年日本推理作家協会賞受賞。
著者プロフィール
桐野夏生の作品






もしかすると奥様が読んでいる可能性が、、、
コルベット警部、あなたに託します!
助けてください。゚(゚´Д`゚)゚。
もしかすると奥様が読んでいる可能性が、、、
コルベット警部、あなたに託します!
助けてください。゚(゚´Д`゚)゚。
頼もしいです( ー`дー´)キリッ
けど、リッツ食べるのは1Qの無念をはらしてからにしてくださいね〜w
頼もしいです( ー`дー´)キリッ
けど、リッツ食べるのは1Qの無念をはらしてからにしてくださいね〜w