OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 4167
レビュー : 414
  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734479

作品紹介・あらすじ

深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。「こんな暮らしから脱け出したい」そう心中で叫ぶ彼女たちの生活を外へと導いたのは、思いもよらぬ事件だった。なぜ彼女たちは、パート仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたのか?犯罪小説の到達点。'98年日本推理作家協会賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 東京の端の食品工場で仲が良い訳でも信頼しあってる訳でもない主婦4人がある犯罪を犯しその罪の意識をどう処理していくのかという話

    まず主婦のキャラクターが際立っています
    こういう人いるいる、とリアリティを深め臨場感となって読者に迫ります

    以前から女性の方が困難に立ち向かう気力はあると思っていましたが確信へと変わりました
    目の前の起こってしまった状況に対する覚悟を決める潔さは説得力があります

    終盤の展開が女性にしか分からないものなのでしょうか、少し想像と違いましたがある意味物語としては有終の美を飾ったと思います

  • 先日読んだ『IN』の、他の方のレビューで好評だった為挑戦。

    おもしょい。

    『IN』とは無関係のようだ。

    いい小説には、ムカつくキャラが必ず登場する。
    そのムカつくキャラをどれだけ愛情持って描ききるか、ということなのだろう。

    ウチも風呂場は広い。
    イケる!

  • 何かが乗り移ったかのような、わかりやすく、精緻な文章。
    日常的な生活と、いかにもいそうな人物に潜む暗い面。
    抱えている問題が噴出したとき、思いも寄らない展開に。

    何とも怖いけど…
    たくましさもあり。
    後半はかなりノワールな犯罪小説に。
    誰にでもお勧めというわけではないですが。
    脱帽ものだったのは確かです。

  • この本で桐野夏生さんの本をもっと読みたいと思いました。ただ最後のほうが……うーん?と、思いました

  • 1998年日本推理作家協会賞受賞作品。
    痴話喧嘩の衝動で夫を殺害してしまった弥生と、その勤務先の深夜の弁当工場の仲間の雅子・邦子・師匠の4人は奇妙な連帯感を持ち、遂には夫の死体をバラバラに切断して隠蔽を図る。
    しかし程なくして、バラバラ遺体は発見され、直前に弥生の夫と暴力沙汰を起こしていた佐竹に疑いが掛けられる。
    嫌疑をかけられた佐竹は、遺体をバラバラにした真犯人に対して恨みを抱き始める。
    全体を通して暗くて重い雰囲気が漂い、ドロドロした金絡みの薄暗いやり取りで話が進行していき、時に激しく揺れ動きます。
    特に最後の、佐竹と雅子の邂逅は圧巻でした。
    読んでいて気持ちのいいものではありませんが、作品としては秀逸だと思いました。

  • 見事なまでに幸せそうな人がいないというか、ため息が似合いそうな登場人物たちにこっちまで鬱々としてきます。それなのにテンションが下がるってわけじゃないんです。逆に上がってくる。
    何度読んでも衰えない魅力にぐいぐい引き込まれます。というより引きずり込まれるという感じが近いです。
    この人達は自分から何かを変えようとはしないんですね。降りかかってくるものを受け止めて対処するだけ。夫を殺した弥生はアクション起こしたようで実は違う。突然降りかかってきた夫殺しという出来事を受け止めただけで、自分はただ雅子たちに従ってる。雅子たちも弥生に知らされた事実に対処してるだけ。誰もその先を望もうとしない、せいぜいがお金ですか。
    そんな4人の人生を変えてくれそうな佐竹がアクションを起こす決意をするところで下巻に続く流れは、やってくれるなーという感じです。
    とりあえずタバコを吸う女は苦手だなと改めて思いました。

  • あまりに有名な桐野夏生さんの代表作。
    桐野夏生さんの本で初めて読んだのがこの本でもありました。
    読んだ時、序盤から衝撃を受けました。
    それは深夜の弁当工場という職場の様子が本当にリアルに描かれていたから。
    そして、そこで働く訳ありなパートの女性4人の様子が。
    そこに引き込まれぐいぐい読み進め、あっという間に読み終えました。
    すごい作家さんが出てきたもんだと、その後すっかりハマり、出ている本は全て読み、新刊が出ると必ず読むようになりました。
    ただ、この話に関しては序盤に比べると後半は現実実が薄れ、ハードボイルドタッチのちょっと違うストーリーになっていって入りこめなかった記憶があります。

    訳ありなパート4人組。
    主人公でしっかり者の雅子。
    美人で良妻賢母の弥生。
    義母の介護をする面倒見のよいヨシエ。
    小心者で見栄っ張りの邦子。
    皆それぞれに家庭の事情を抱え、深夜の弁当工場というキツい仕事をしている。
    その内の一人、弥生が夫を殺した事からこの物語は動き出す。
    弥生が真っ先に相談したのは雅子。
    雅子は困っている弥生を助けると約束し、死体をバラバラに切断し捨てる。
    その際に協力を頼んだのがヨシエ。
    最初は恐がり渋ったヨシエだったが「金」のひと言で手伝うことを決意する。
    そして、偶然そこに居合わせた邦子も金目的で手伝うこととなるが、うかつな邦子のせいで事件はすぐに発覚してしまう。

    弥生が夫を殺した理由ははっきりしているし、ヨシエと邦子が死体を切断し捨てるのを手伝った理由もお金目当てとはっきりしている。
    しかし、主人公の雅子の理由だけは本人にもはっきりとしない。
    ただ、人を切断し捨てたという事は彼女たちをそれまでと別世界の、外の世界に引き出していく。
    その様が自然かつリアルで、4人の女性それぞれのパートに別れた心理描写にぐいぐい引き込まれていきます。
    特にこういう話ではありがちな邦子という存在-小心者で信頼できない人間が仲間に加わったという事が危うげな展開を予想させ、話を面白くしている。
    その他の雅子に惹かれる弁当工場の若い男性の話、弥生の夫を殺した容疑をかけられるヤクザの話のパートは個人的に楽しめなかった。

  • それほど固い友情があったとも思えない夜勤パートの女たちが、一人の突発的殺人を隠ぺいするため、死体損壊・遺棄を行う。。損壊のシーンは生々しすぎて・・・・胃液があがってきそうになるほど。

    老人介護に疲弊しながら家に縛りつけられているヨシエや、多重債務で首が回らない見栄っ張りで強欲な邦子、夫婦の貯金を夫に博打と女遊びで使い込まれた弥生、夫とも息子とも絶対的な遠さを感じている孤独な主人公雅子…。女たちの闇と、佐竹や十文字、宮森ら男たちの闇。下手人も動機も犯行内容も最初から明かされているが、この先の展開が読めない。。

  • 弁当工場のパート主婦たちは、仲間が殺した夫の死体をバラバラにして捨てたが・・・
    それぞれが、お金や家族の問題で悶々としている様子がリアル。
    長い間読まないでとっておいたけれど、予想以上におもしろかった。

  • 正直こういう小説を読みなれていないので、最初読んでいて気持ち悪くなってしまい気持ちが元気なときに少しずつ読みました。でもそうさせるのは描写が上手なんだなぁと思った。あのジメジメした感じ、人間模様、解体シーン。。解体シーンは怖くてさらっとしか読めませんでした・・。下巻になるとジメジメ感に慣れて話の展開も面白くなり一気に読みました!いつも平和なべた甘小説ばかり見てるのでこういうのもたまにはいいかも・・!

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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