OUT 上 (講談社文庫 き 32-3)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 501
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  • Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734479

感想・レビュー・書評

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  • ドラマになっていましたね。
    続き(下巻)が気になります。

  • 読みやすい。ひとりひとりの女性の心情がうまく表現されているし、ドラマとかの「ザ・サスペンス」的な物語を丁寧に小説で紡いでいるイメージ。後編に期待。

  • どうしようもない旦那を咄嗟の劇場で殺してしまった主婦。何と、その遺体の始末をおなじ弁当工場の深夜に働く仲間が
    切り刻んで処理してしまう。思いがけない展開に、やくざなど毒のある登場人物が登場してきて、物語の展開に引き込まれていく。あっという間に読み進んで行ける。

  • 2020

  • 複数巻を平行に(めちゃくちゃ間を空けて)読了するシリーズ。分厚いの取ってしまった。

    深夜から早朝にかけて、主婦とブラジル人たちが働く弁当工場。それぞれ家庭に問題を抱える、4人の主婦が働いている。その中、弥生が「夫を殺してしまった」から、4人は逃がれられない運命を背負う…。

    ミステリ界においても、名作と言われているそうで、タイトルだけは知っていたので手に取った。なかなか、最近読まないタイプのウェットな内容である。

    元金融業で、退職、息子の高校退学から、歯車が狂ってしまった雅子。冷静ではあるが、場当たり的に、やけになって行動することが、ある意味この上巻においての不可抗力であり、どちらに転ぶかわからないという危うさの根幹となっている。

    それ以外の人物が、絡まなくてもよいのに絡んでくる部分の不安定さに関しては、それぞれのモチベーションなどが明らかに有るため、行動に予想はつく。なるほど、こういう無鉄砲な人物は、非常に柵作りには重要である。行動の動機が明らかな人ばかりでは物語はできないのだ。

    長編ゆえ、すべての関係者に相当の癖や背景があり、その説明にページを割いているところは仕方がないだろう。一部の刑事などのようにまだ薄っぺらな部分も無いわけではないが、彼らにもそれなりの業というものがこれから生じていくのであろう。そうでないとつまらない。

    上巻では、説明部分がかなりの部分を占めているが、それぞれに理解できる部分も有り、辛いなりに目が離せない。

    上巻終了時には、まだ事件は始まったばかり。下巻はどうなりますかね?あと、この表紙って何?

  • 目をそむけてはいけないと言い聞かせながら読んだ。
    その辺にいそうな4人の女性(主婦でもある)のうそっぽくないない生き方にぞっとし怖かったのだ。

    死体をバラバラにすることではない。
    死体解体をするはめになった、個人個人の事情があまりにもリアルなことに愕然としたのだ。
    その臨場感に、筆者の力量を思う。

    私はホラー小説は好きではないし、読まないだろう。この小説はホラーではない。だが、すごい迫力に追われるように読んだ。

    これは戦場だ。精神を自立させて生きるための戦い。
    全編を通して、ヒロイン香取雅子の性格描写に好もしいものを感じた。
    壊れていくようで、しっかり立ち直る、理想かもしれない。(2004年4月4日)

    *****

    再読です、今回の感想は(下)に。

  • レビューは下巻にて。

    2020年読了、46冊目。

  • ‘98年日本推理作家協会賞受賞作。とのことで、およそ20年前の作品。深夜の弁当工場で働く4人の主婦が犯した犯罪物語。普段の生活に於いて、それぞれが抱える闇の部分にもがき、そこから抜け出したいという思い。漂う重苦しい雰囲気に緊迫感。とてものめり込んで読んだ。

  • いやいや、もうただただ気持ち悪い。
    描写だけじゃなくて、物語の雰囲気が気持ち悪い。
    下巻はやっとミステリーっぽくなるのかな。
    そうじゃないと辛い。。。

  • 久々に読みやすくて一気に読んだ本。
    なんとなくあらすじは知っていて、やっときちんと読んだ。
    内容面白いし、引き込まれる。早く下巻読みたい。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。1993年『顔に降りかかる雨』で「江戸川乱歩賞」、98年『OUT』で「日本推理作家協会賞」、99年『柔らかな頬』で「直木賞」、03年『グロテスク』で「泉鏡花文学賞」、04年『残虐記』で「柴田錬三郎賞」、05年『魂萌え!』で「婦人公論文芸賞」、08年『東京島』で「谷崎潤一郎賞」、09年『女神記』で「紫式部文学賞」、10年・11年『ナニカアル』で、「島清恋愛文学賞」「読売文学賞」をW受賞する。15年「紫綬褒章」を受章、21年「早稲田大学坪内逍遥大賞」を受賞。23年『燕は戻ってこない』で、「毎日芸術賞」「吉川英治文学賞」の2賞を受賞する。日本ペンクラブ会長を務める。

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