OUT 下 (講談社文庫 き 32-4)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 3510
レビュー : 307
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734486

作品紹介・あらすじ

主婦ら四人の結束は、友情からだけではなく、負の力によるものだった。その結びつきは容易に解け、バランスを欠いていく。しかし動き出した歯車は止まることなく、ついに第二の死体解体を請け負うはめになる。彼女たちはこの現実にどう折り合いをつけるのか。大きな話題を呼んだクライム・ノベルの金字塔。'98年日本推理作家協会賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 何事にも動じない感じだった主人公が窮地に立たされだんだんと崩れ始める。

    最後の雅子と佐竹の絡みであったり心情は全く理解のできないものであった。変態なのかサイコなのか、似た人は互いを惹きつけあうものがあるのだろう。

    巻末の解説にもあったように、下層階級の人間がそこから抜け出せずどハマりし犯罪に手を染めてしまう。このような現実を自分は想像しづらく、遠い世界だと感じるとともに自分の今の境遇を幸せだと感じる、

  • 上巻からの続きが気になり、急いで手に取りました。しかし、前半より読むペースが落ちました。
    上巻では、弁当工場で働く四人の結束力が描かれていて、初めの仕事の時のチームとして、またバラバラ死体事件という罪を共有することによって、彼女達は団結していました。しかし、この下巻では、1人裏切り、また1人いなくなり…。秘密の共有をしていたはずが、共有しなくなり、四人のバランスは崩れ、結束力がどんどん衰えていったのが読み進めていくうちにわかります。
    前半は、雅子の頭の良さ、賢さが目立ちましたが、後半は佐竹が沢山登場し、佐竹の過去やらブラジル人やら色々からんできて、よくわからなくなっていきました。
    大ヒットになったとされるこの作品。まだ学生の私にはよく理解できませんでした。「OUT」側ではないからでしょうか。ただ、最後の解説で述べていらっしゃるように学歴などの階級が根づいているのはよくわかりました。
    また大人になったら再読してみたいと思う作品です。

  • 死体をバラバラにしてゴミとして処理する「仕事」てなんやねんー!ラストシーンも適当すぎる。作者が考えることを放棄したのではないかと疑ってしまう。ストレスのたまる読書になってしまった。

  • 夫を殺した女とその死体をバラバラに切断し遺棄した3人の女。
    共通の秘密をもつようになった4人はそれから結束を固めるかと思いきや、徐々にそれぞれが変化し、その結びつきもバラバラになっていく。
    目の前の小金欲しさに、十文字というヤクザに全てを暴露する邦子。
    そして、この物語の主人公、雅子は十文字にその度胸を買われて別の遺体を解体してくれないか?という依頼を受ける。
    金欲しさにまたも犯罪に手を染める雅子とヨシエ。
    そしてそんな彼女たちを監視し脅しをかける人物の影が忍び寄る。

    普通犯罪を知られたら・・・特に相手がヤクザとなると単純に脅迫される所だけど、この話ではさらに犯罪を重ねてくれと依頼するところが変わっている。
    そういう典型にハマってない所も魅力だと思います。

    ただ、以前読んだ時と同じように、今回も読み終えて「後半がイマイチ。ラストがな~・・・」となりました。
    犯罪を犯した女性4人はどれも普通の主婦なのに、後半急展開でハードボイルドタッチなストーリーに突入し、雰囲気がガラッと変わった事に違和感を感じました。
    普通こういう話だとラストにいくごとにスピード感が増すものだけど、これは個人的に失速していると思います。

    私がこの物語で面白いと思うのはラストとか物語の筋よりも、生活が破綻しかかっている4人の女性のそれぞれの状況とか心境が描かれている部分です。
    ホント、リアルだし、他の小説を色々読んでこれを読むと、やはり登場人物の会話が生き生きしていると改めて思いました。
    ほんの細かい描写、会話にも登場人物それぞれの個性が生きている。

    上巻からかなり間を空けて読んでしまったため、どんな場面で終わっていたのか忘れていたし、感情移入に時間がかかってしまったのが残念。
    でもやっぱり、読み応えのある本でした。

  • パート仲間が殺した夫の遺体をバラバラにした主婦たちが、第2第3の遺体を解体するはめになる……。
    普通に考えるといつ警察が自分を捕まえに来るだろうかと落ち着かないはずなのに、何事も無かったような顔をして黙々と勤め続ける雅子がもはやカッコ良かったです。
    それだけに終盤の佐竹との対決には少々納得できなかったのが残念。

  • 一見すると、平和そのものなのに薄皮一枚剥いで中を覗いて見たら混沌が渦巻いている、そんな印象でした。やっぱり真のホラーとは人の心、なのかも知れません。。

  • それぞれの事情を抱えつつ弁当工場での夜勤に従事する主婦4人。一人が勢いで夫を殺してしまい,彼女らはその死体をバラバラに切り刻み捨てることに。物語が描くのは,犯罪の真相が露呈してゆく過程ではなく,主婦4人の人間関係,彼女らの犯行に気づいた裏世界の人間に脅迫される様,警察から濡れ衣を着せられて生活を台無しにされたカジノ経営者の復讐意志との戦いだ。序盤は描写がきつくて読むのに抵抗があり,読み進むのに時間がかかったが,中盤以降は一気読み。

  • (上)刊に感想記入済み。

  • ゾクゾクした
    想像力だけで、これだけリアルな描写の作品を作る彼女の類い稀な才能に脱帽です。

    小説の持つ力・可能性を強く感じる

  • 下巻に入ると、何だか思わぬ展開に。
    まあ、金を持たない奴を強請っても仕方がないが、ここでもやっぱり登場人物の判断はまともではない…。
    警察はすっかり置き去りにされ、取立て屋はやがて存在感をなくし、ブラジル人は都合よく使われるばかり。
    やり直しかけた人生をあらぬ疑いで壊された男の復讐譚となった話は、毀れた男女の心情の交わり合いとなるのだが、何だか陳腐。
    上巻で感じた時代を超えたリアリティからすると、下巻のこの展開はかなりの落差あり。

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著者プロフィール

1951年金沢市生まれ。成蹊大学卒業。1993年『顔に降りかかる雨』で江戸川乱歩賞、1998年『OUT』で日本推理作家協会賞、1999年『柔らかな頬』で直木賞、2003年『グロテスク』で泉鏡花文学賞、2004年『残虐記』で柴田錬三郎賞、2005年『魂萌え!』で婦人公論文芸賞、2008年『東京島』で谷崎潤一郎賞、2009年『女神記』で紫式部文学賞、2010年『ナニカアル』で島清恋愛文学賞、2011年同作で読売文学賞を受賞。2015年、紫綬褒章を受章した。近著に』『奴隷小説』『抱く女』『バラカ』など。

「2016年 『猿の見る夢』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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