黒猫の三角 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 5590
感想 : 501
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734806

作品紹介・あらすじ

一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環視の密室で静江は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • やっとS&Mシリーズを読了し、Vシリーズにたどり着きました。

    Vシリーズの初巻ということで、変な先入観を持ちたくなかったので、まったくのノーガード戦法で読んでみました。
    だからVシリーズの「V」がなんのVなのかも知らなかった(笑)。

    いや、森博嗣節がさく裂で楽しめました。おもしろかったな~。
    S&Mシリーズよりも軽い謎解きのミステリーかな。
    S&Mシリーズは、
      「人間とはなんぞや?意識とはなにか?」
    みたいな深淵な深みにはいっていくからね。

    Vシリーズはキャラクターがみんな魅力的。
    特に主人公の紅子(元華族で、子持ちのバツイチだけど若くて超絶美人w)が素敵すぎる。

    途中の
     天才VS天才
    の戦いは手に汗握るわ。最高でした。

  • S &Mシリーズを読み終えたのでVシリーズに突入。
    前シリーズにも増して濃いキャラが揃っていて面白かった。
    次作も楽しみ。

  • S&Mシリーズとはまたちょっと毛色の違ったお話だった。
    こちらは主要人物が4人?
    ごちゃごちゃしている印象があり、前シリーズ程のまとまり感とかがないように感じる。
    単に主要人物が多いのに慣れてないだけなのかも…

    個性的すぎるキャラクターが多く登場して、個々人にも謎が多い。
    今後はさらに掘り下げていくのかな?
    むしろ今作が序章みたいなものなのかな?
    事件と言うよりキャラクターに圧倒されたお話だった。
    今後も彼らがどう動いていくのか気になる。

  • これまでいわゆる「S&Mシリーズ」、つまり森氏のいわば代表作しか読んだことがなかったが、このたび、かなり久々に、しかもS&Mシリーズではない作品を読んだ。まるで「めぞん一刻」を想起させるような、古そうなアパートとその大家でもある豪邸に住む人たちの間に起きる事件についての物語である。
    S&Mシリーズの主人公たちは「品行方正な変人」だったが、こちら(Vシリーズというらしい)の主人公は、直截な胡散臭さを備えている。
    紹介文に「一年に一度決まったルールの元で起こる殺人」とあるが、そこには森氏らしい数字遊びが盛り込まれている。といっても、難しい数理や公式などが出てくるわけではないので、(私のような)文系人間でも抵抗なく読むことができる。むしろそうした数字遊び的な要素は、事件の本質を撹乱する要素でもあるかもしれない。
    S&Mシリーズとの対比ということになるが、本シリーズはより登場人物が(主人公のみならず)個性的で、繰り広げられる会話も軽妙洒脱である。このシリーズの一作目ゆえ、おそらく、今後このシリーズにレギュラーメンバーとして登場するであろう人物の紹介も書かれている。ともあれ、軽妙でテンポよく進む物語の中に、巧みにプロットを忍ばせる森氏のテクニックにはまたも舌を巻いた。
    凝ったトリックを好む向きには、敬遠される要素もあるかもしれない。幸い、私はミステリー小説を読むときも、血眼になって犯人探しや動機解明をしたりしないタイプである。何気なく読み進め、漠然とした憶測は持つけれど、それが裏切られることに心地よさを覚える。本作はそうしたタイプの読者には、抵抗感はないだろう。
    胡散臭い個性あふれる登場人物たちを忘れないうちに、次作も読んでみようと思う。

  • Gシリーズの前に読むべきと気付き、今さらですが読みはじめました。個性的なキャラクタたちがこれからどう活躍していくか楽しみです。ベタですが紅子が好きです。

  • 再読。

    一回読んでなんとなく覚えていたはずなのに、すっかり騙されて物凄く楽しめてしまいました。
    ホント、ルール違反スレスレだよね?

  • 後半の急展開に目が離せず一気読み。ここんとこ忙しくて全然読めてなかったんですが、急展開始まりが土曜に当たって助かった笑 シリーズ最初の作品で瀬在丸紅子の存在感が犀川・西之園に並びました。話の展開(運び?)も独創的で面白かった。次作が楽しみです!

  • 「黒猫の三角」
    Vシリーズ第1弾。


    結局数あるシリーズは完遂なし。難攻不落の森博嗣作品。文体なのかストーリーなのか、はたまたキャラクターの癖や名前なのか、読みづらい時も結局ある。面白くないわけではないんだが、なんだろう。攻略手口が見当たらない。


    あるルールの下、繰り返される殺人事件。そのルールに該当してしまった女性から護衛を依頼されるのだが、その女性が殺されてしまう。更に、女性の旦那も何者かに殺害されてしまう訳だが、その謎を解くミステリ。


    概要はこんな感じである。タイトルにある猫もkeyなんだろうし、数学の規則性もkeyなんだけど、ミステリそのものに深く関わっていたかと言われるとよく分からない。伏線だろうと思われる所々の文章の方が気になる。個人的には、あっ探偵役はあっちなんだと思わされたから伏線に騙されたのだろう。癖が強いキャラだからてっきり違うもんだと思っていた。


    楽しみどころはどこだろう。軽い感じな会話がわりかしテンポよくでたと思いきや、終盤にはがらりと雰囲気が変わるその切り替えだろうか。Vシリーズってどんなテーマなのか掴めてないから、まだなんとも言えないところなので、第2弾次第かな。

  • S&Mを読了したのでVシリーズ一作目。
    S&Mは萌絵至上主義に辟易していたので、登場人物に対するイライラやストレスなく読めたのはよかった。
    犯人には驚いたけど、肝心のトリックには拍子抜け。
    あと、S&Mにもあったような気がするが、動機云々の話は散々筆者の他の作品で見かけたので胸焼けする。もう分かったよ、と。

  • 登場人物達の名前が読みにくい・・・
    その分とっても個性的です。

    タカナシ ネリナ 何故か女装するものの少林寺拳法の心得あり、身体能力が高く空中で回転する

    ホロクサ ジュンペイ 探偵で要領が良いが胡散臭い。探偵のくせに金を持っている。

    ネゴロ キチエイ 執事 一番名前が読みにくい

    ハヤシ 刑事であり主要キャラだが名前は無い苗字だけ

    カグヤマ ムラサキコ 関西弁の大学に行かない大学生

    セザイマル ベニコ 陽気で貧乏な真賀田四季


    読んでて楽しくなります!

    一応、ミステリーです。


    因みに登場人物に小田原静江と言う人がいますが裏表紙の概要で小田原静子と書かれてます。ただの誤謬でしょうか何かの意味があるのでしょうか?

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著者プロフィール

森博嗣
作家、工学博士。一九五七年、愛知県生まれ。一九九六年に『すべてがFになる』(講談社)で第一回メフィスト賞を受賞しデビュー。以後、続々と作品を発表し、人気を博している。小説に、「スカイ・クロラ」シリーズ、「ヴォイド・シェイパ」シリーズ、『イデアの影』(以上、中央公論新社)、S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズ、Xシリーズ、M&Rシリーズ、Wシリーズ(以上、講談社)、『暗闇・キッス・それだけで』(集英社)など。小説のほかに、クリームシリーズ、日々シリーズ(以上、講談社)など多数の著書がある。

「2023年 『新装版 スカイ・イクリプス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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