黒猫の三角 (講談社文庫)

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レビュー : 456
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734806

感想・レビュー・書評

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  • 没落貴族の令嬢、瀬在丸紅子を主人公としたVシリーズの一作。謎、もといトリックはやや反則めいているように感じるが、記述そのものはフェアである。あくまで前提条件の食い違いというのが肝ではあるが、初読の衝撃を過ぎ去ってしまえばどうしても地味に写ってしまう。動機そのものは面白く、キャラクタも魅力的なため、それでやや底上げされている感じがした。キャラの魅力に関して謂うならば、やはり探偵役である瀬在丸紅子であろう。特定の人格に縛られず、その局面に応じて無邪気な少女だったり、妖艶な貴婦人であったりとくるくる入れ替わる様は本当に素晴らしく、また魅力的であった。天才的なキャラクタというのは数多いが、やはり「底が知れない」という断固とした評価基準があるので、その点で言えば瀬在丸紅子は合格である。加えて「現代社会に対して決して馴染めない」という条件も満たしてはいるのだが、そこに対する葛藤や屈託が一切なく、天衣無縫のままに没落貴族を楽しんでいるというのが非常に良かった。シングルマザーを描くとどうしても重くなったり、それを嫌うあまり不自然なまでに明るくなるものだが、瀬在丸紅子にはそのどちらも感じなかったのが新しいといえば新しく、それが「囚われなさ」を示しているのでいいとは思う。結論として、謎やトリックはいまいちではあったものの、瀬在丸紅子というキャラクタをもう少し長く見たいと思わせただけでかなりの良作であるとは思う。

  • 過去の既読本

  • ミステリの謎解きよりも登場人物たちのやりとりに惹きつけられた気がする。

  • 終盤の疾走感に一気にドキドキしました。読み終わって混乱します。そう言われれば確かにちらほらヒントはあったなーと思いつつ、でもそれってどういうこと?!ってまだ納得がいかない部分もあり。
    きっと作者が随所に仕込んだトリックの半分以上も気づけてないんだろうなあ、気になるなあ。
    S&Mシリーズと比べて、キャラクター性が強い印象。登場人物達の会話のやりとりはS&Mシリーズのほうが好きかも。でも、林選弱桑と黒猫のデルタのくだりは洒落ていて好き。

  • 新しいシリーズ。なんの前情報もなく読み始めたので、誰がレギュラーメンバーなのかも、誰が探偵役なのかも知らない新鮮な読書だった。彼らの関係性が今後どう変化していくのか楽しみ。

  • Vシリーズに手を出してみる。

    S&Mシリーズの犀川、萌絵に比べると、登場人物にまだ愛着がわかない。
    というより、被ってしまう。

    ゾロ目という共通性の殺人、黒猫の三角、宇宙人のなぞなぞなど、興味深い要素が多いのだが、その決着は少々物足りない。

    ぜひこのメンバーの麻雀に混ぜてほしい(笑)。

  • 2018.5.15

    森博嗣Vシリーズ1作目。
    過去ではたぶんFしか読んでないので森氏2作目。
    最近では最速!2日で読破。(御手洗から続けてだったからか?)超絶読みやすくて、さくさく展開するから止まらず・・・。2日で読めたことに感動。私読めるじゃん。

    探偵:保呂草(ほろぐさ)潤平を筆頭に、同アパートの住人:小鳥遊練無(たかなし ねりな(男))、香具山紫子(かぐやま むらさきこ)、アパート向かい屋敷の居候:瀬在丸紅子(せざいまる べにこ)の4人が事件を解決する。名前(笑)。なぜこんなにヘンテコなネーミングにしたのか謎。作者の意図が気になって調べたけどヒットせず。紅子の元執事は根来機千瑛(ねごろ きちえい)。
    探偵保呂草の元に、日付と被害者の年齢に規則性のある「ゾロ目連続殺人事件」に関わる依頼。4人が居る中、4人目の殺人が密室で行われてしまう。4人+紅子元旦那、林刑事が知恵を出し合う。解決編は紅子独壇場。

    大どんでん返しパターンだったが、想定の範囲内でやや物足りなかった。
    Vシリーズと言われているくらいだから紅子が主人公扱いでいいはずなのに、本背面紹介文では「探偵:保呂草と他3人が~」みたいになっていることに違和感しかなかった。保呂草今回でフェードアウトしてもシリーズ続くじゃん、と思ってしまって、序盤から保呂草犯人説濃厚だった。また、各章最初に添えられている引用がやたらと「まさかの犯人です」みたいに暗示してくるから、余計に保呂草・・ってなった。
    けれど中盤らへんで(森氏を調べている過程で)ウィキぺディアを見たら、シリーズでも保呂草の名前が出てくるから保呂草フェードアウト説なしか・・と。
    思ったところで解決編。ほんとにそのパターンか!っていう衝撃はあったけど、やられた~とはならなかった。
    動機に関する独特な思想を難しく述べる描写があって好きだった。ミステリーってこういう独特な社会的思想を連ねるのつきものなの?(御手洗しか知らないけど)他ミステリーも要確認と決意。

    ところで・・・
    森氏の小説って全部こうなの?Fもそうだったっけ?
    未解決事項があって読後もやっとする。
    小田原兄弟のいざこざ、終盤の紫子への来客など。あえて、みたいだけど、全部納得したい派閥だからどうにか理由をつけてほしかった。今思ったけどそれが無意味って話だったなこれ。
    しかも!解説でさらなる謎を残された。
    ・2重のトリックが2つある。
    ・登場人物による嘘があり、前後の矛盾がある。
    ・紅子のクイズ(離れた宇宙人が中間地点で会おうとしたが会えない。なぜか)
    などと森氏が供述しているらしい。もちろん全力で調べたけれど明確な答えはなかった。気になる。
    2重トリックの1つは普通に本書のトリックのことだと思う。もう1つは不明。
    登場人物の嘘と矛盾は、最後に長野で紅子と保呂草が会わなかったこと。2人とも同時刻に保呂草の地元にいたはず・・これは読んでて違和感あったからすぐにこれかなって思った。なのにネットでこれ説が全然なくてビビってる。これしかなくない・・
    紅子クイズは色々な解釈と正解がありそうだからまあ。個人的にはそれぞれの外見認識の相違かな。いるのに認識できてないやつ。
    というか、この残った謎を血眼で調べてたら衝撃のネタバレが。本書で全くフューチャーされていないへっ君があのひとだったなんて。本書犯人以上にびびったわ(笑)。やられた。
    調べるほど、このシリーズが他シリーズと繋がっていることが匂わされていて、シリーズ単位での伏線も多数(?)ある模様。読後の深追いができない・・・。レビュー読むのも危険。
    読後の謎が多いのに深追いできないもどかしさ。やってくれるわ。

    とにかくシリーズ読破したい。
    一気に読んだ方がよさよう。読みやすいしね。
    S&Mシリーズ読破してからにするべきだったと後悔。まいっか。

  • 登場人物がそれぞれ個性的でユーモアの部分では面白かった。ミステリーとしては反則。

  • 再読だけれどもすっかり忘れていた。
    なるほど・・・保呂草さんが・・・。
    未だ入り込みきれないのかS&Mほどキャラに愛着が持てない。
    まだまだ序章。

  • メインキャラ4人が独特で面白い。
    引用文、犯人、名前
    様々なところに伏線を張られている。

    読了後はプロローグだけでも読み返すといい。

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著者プロフィール

森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家、元研究者。名古屋大学工学部建築学科、同大学大学院修士課程修了を経て、三重大学工学部助手、名古屋大学助教授。名古屋大学で工学博士を取得し、2005年退職。学会で数々の受賞歴がある。
作家として、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、同作で作家デビュー。S&Mシリーズとして代表作の一つに。『スカイ・クロラ』シリーズは本人も認める代表作で、2008年アニメ映画化された。その他にも非常に多くの著作がある。

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