黒猫の三角 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734806

感想・レビュー・書評

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  • Vシリーズ一作目、S&Mに続く長編シリーズ物の記念すべき第一巻ですね。
    だいぶ前にS&Mを読み終えた後、すぐにVを読み漁ってしまいたい気持ちといつまでも楽しみにしていたい気持ちがせめぎ合った結果ついに読み始めてしまいました。

    出てくるキャラクタがみんな濃い!そして名前が難しい!けれど不思議とどんどん物語に吸い込まれます。そして吸い込まれた結果として騙された感がものすごい作品でした。
    そして気になるのは巻末解説。二回三回読んでも完全に理解できる気がしない作品でした。

    誰かが人を殺す理由を、理解したいと思いますか?

  • 再読。
    去年S&Mシリーズを読み返したのは、そういえばVシリーズを読みたくなったからだったのを忘れていた。
    この『黒猫の三角』はVシリーズ1作目にして、唯一面白かったと記憶している。

    テーマは一貫していて、作中随所にそれを匂わせるやりとりがある。
    で、読後に解説を斜め読みしていたところ、気になるものがあった。「登場人物が嘘を吐いている」。
    こういう、本筋と関係の無い謎を入れられるとつい気になってしまう。恩田陸の『ユージニア』などは読み終わってからどれくらい捲り返したか。

    で、怪しいものを発見。
    当然ながら以下はネタバレだ。因みにネタバレチェックは入れない。

    記述が食い違うのは、阿漕荘での早川の部屋の位置について。
    保呂草の部屋の隣が練無、練無の向かいが紫子である。つまり、保呂草と紫子の部屋は斜向かいだ(作中でも斜向かいと言っていた気がする。)。
    早川は紫子がいる部屋に住んでいたと言っているが、保呂草は向かいだったと言っている。
    嘘を吐いているのは、保呂草か早川となる。
    何れが嘘を吐いているのか、またその目的は、私には今のところ分かっていない。

    因みに宇宙人クイズは、恐らく7ページのものが回答例である。
    大きさが極端に違ったから、かどうかはともかく、何らかの形で相手がそこにいると認識できないものだったから。模範解答とするには微妙だが、浅野の回答が近いのではないか。

  • エピローグに書かれた保呂草潤平の言葉が、森博嗣のS&Mシリーズから続く一貫した態度を端的に表現していて面白い。また、主人公格の登場人物が犯人という展開も、緻密な設定で大胆な物語を描く森博嗣ならではのミステリだ。S&Mシリーズが終わって寂しいいまの気持ちを、阿漕荘の面々はどう癒してくれるのか、楽しみである。

  • うわー、森博嗣にやられたー(ちょっと嬉しい)。しっかり読めば分かったのでは?! S&Mシリーズ同様、読み手のスキルが高くなれば、それだけさらに面白く読めるんやろうなあ。

  • Vシリーズ、らしい。
    ぱっと見、探偵の保呂草が主人公っぽいのに
    瀬在丸紅子のVシリーズ、って書いてあったので
    あれ??と思ったら、やっぱそういう展開なのかと。

    一年に一度、ゾロ目の日にゾロ目の歳の女性(女子)が殺される事件。
    今年もまた、密室の中で同じ犯人による殺人が行われる。

    女の子の格好をするれんちゃんが好き。

  • 森博嗣さんのVシリーズ1作目です。
    S&Mシリーズにはすごくハマっちゃったので、Vシリーズも楽しみにしてました。
    地球儀のスライスを読んだばかりだったんですが、練無は僕っこの女の子だと思ってました。そしたら逆で最初からびっくりしました。
    それにしてもみんな名前がすごい!

    事件の真相は、やられた!って感じでした。
    まさか!いいの!?って思ったんですが、最後まで読むと、そういうことだったんですね。
    ゾロ目殺人とか密室とか事件はおもしろかったんですが、動機がな…。
    納得のいく動機っていうのも嫌ですけど。

    登場人物はS&Mシリーズほど魅力を感じられなかったのが残念です。
    4人のなかでは練無が1番好きです。かわいい。
    このシリーズの他の話も楽しみです。

  • Vシリーズ1作目。
    3年前から続く、ゾロ目の月日にゾロ目の年齢の人が殺される連続殺人。

    S&Mシリーズほどには、1作目からキャラクターに魅力を感じられませんでした。
    S&Mシリーズと四季シリーズとで食傷気味なのかもしれません、萌絵ちゃんが好きだったから。

    シリーズ単体はさることながら、他シリーズとの繋がりが楽しみです。

  • Vシリーズ一作目からまさかの展開。サイコパス。携帯が無い設定はちょっと時代を感じる。

  • たまに登場人物に会いたくなる。
    王道な、推理小説。
    Vシリーズの第一巻。

  • これ、最初でなくて途中にもってきたらもっと面白いことになったのかなーでもそしたらむりか、最初だから通用するのをやったんですね、感嘆しました

    でも、Fの時の死体発見のシーンのようなゾクゾク感、自分の思考の全部を飛びこえていくようなありえないだろうっていう感じは、あまり受けなかった

  • 『いうまでもなく、すべてのものに終わりは必ず訪れる。終わったのだ、と人々が感じるよりも多少早く、あるいは、皆がすっかり忘れてしまうよりも多少遅く…』

    『この歳頃のご婦人というものは、とにかく、ユニークでオリジナリティ豊かな(しかし、一般にごく狭い範囲に分布している)価値観を形成するや、後生大事にそれを守り抜くケースが多い。だから、彼女の身の周りで起こる本当に些細な問題であっても、国際会議でディスカッションされる地球規模でかつ歴史的な人類の最重要課題と充分に比較が可能な、完全に同列な緊急度を持ったテーマとして取り扱う必要がある。』

    「どうして、そんな格好をしているの?」
    「僕ですか?」
    「ええ、そう、その、服装とか…」
    「その質問を、もうどれくらい受けたか、数え切れないくらいです ー それで、僕なりに考えてはみたんですけど、やっぱり答は、まだ見つかっていません。だから、今のところいつも、こうきき返すことにしているんですよ。貴女は、どうして、そんな格好をしているんですか?」

    「美容とか健康とかなら、何も食べないで点滴をうっているのが一番良いのだよ。消化は無駄。そうだ、味覚ほど不思議なものはないな。どうして、食べ過ぎたり飲み過ぎたり、自分の躰に悪い塩分や脂肪を美味しい美味しいと取り過ぎてしまうんだろう? 間違いなく、生きるための障害になっている。不思議だな…。これ、そもそも味覚が麻痺しているのだろうか?」
    「おそらく、子供の頃には必要だったのでしょう」
    「ああ、そうか…、そうだな ー その名残だというわけか。成長期の栄光を躰が忘れられないってことだね。一度刷り込んだものがキャンセルできない、というのが、地球上の生物に共通する欠点といえる」
    「そもそも生き過ぎている、ということですな」

    「遊びで殺すのが一番健全だぞ ー 仕事で殺すとか、勉強のために殺すとか、病気を直すためだとか、腹が減っていたからとか、そういう理由よりは、ずっと普通だ」
    「お嬢様、それはお言葉が過ぎます」
    「では何か? 宗教的な儀式だとか、復讐に燃えるといった恨み辛みがあれば、それで正義だとでもいうのか? 復讐ならば正義か?理由さえしっかりしていれば、殺人を犯しても良いのか? もしそうならば、殺人の許可証を区役所で発行してはどうだ?」
    「少なくとも、人道的には理解できます」
    「馬鹿馬鹿しい! 理解などして何になる ー 殺人者の心境を理解して何が嬉しいのだ。何が得られる?」
    「嬉しいのではなく、我々一般人の想像の範囲内であった、ということで、まあ、一応は納得ができる、と申しますか、安心するわけですな」
    「何をそんな馬鹿なことを…。殺人者の心境が想像の範囲内であるこもの方が不健全ではないか。それでは、自分もいつか人を殺したくなるかもしれない、と思って落ち着けるというのか? それよりは、遊びで殺した、全然理解できない、で済ませる方が私は安心だ。」

    「これはビジネス、一晩でいくらになるのか、というビジネスなんだ。言われたとおりのことをすれば、それで良い。UFOが襲ってくるかもしれないから一晩ボディガードしてくれ、と依頼されれば、もちろん、喜んで僕は引き受ける。値段さえ妥当ならね。そうだな、やくざが襲ってくるというケースの半額でも請け負うと思うな。まあ、期待値の問題だ。UFOよりは、やくざの存在を信じているからね。」

    「いいから、いらんことに頭を使うなよ。ここはバイトに徹するんだ。お金をもらうんだぞ。相手の心証さえ良ければ、それですべて。自分の満足を犠牲にして、その代償として賃金を得る。これが原則だ。わかった?」

    「それで? そうやって正義の心をめらめらと燃やすわけですか? そうしないと仕事に意義が見出せないの?」
    「違うよ ー しかし、少なくとも、しばらくの間は眠気が覚める」
    「正義って、煙草と同じね」

    「それはこの世の法則」
    「法則って?」
    「理由は必ずある ー ただし、その理由が、言語として他人に伝達可能かどうか、あるいは、たとえ伝達可能であっても、他人の共感を得られるなどうか、という問題が残るだけなの」

    「他人に認識してもらうことが、そんなに嬉しい? 道路標識じゃないんだからさ」

    「皆さん、よろしくて? 誰のためでもなく、何のためでもなく、誰にも願わず、何も祈らず、乾杯!」

    『一般的?
    おかしな言葉だ。
    平均的? 日常的? 健康的? 道徳的?
    まあ、何でもいい。』

    「テレビの時代劇なんか、主人公が悪者を切り捨てるけれど、あれも殺人だよ。あれは、正義かな? 大衆は、良い殺人と悪い殺人なある、なんていう作りものの価値観を見せられて、それを信じている。完全な妄想。完全な洗脳。とても大きな間違いだと私は思うな。危険な思想だとさえいって良い」

    「人間だけが思考し、言葉を話し、子孫に歴史情報を伝達し、哲学を構築し、科学を築いた。あらゆる芸術を生み、それを美しいと感じ、美しいものを愛した。もし、これが人間性だとしたら、意味もなく他の生命を奪う行為は、これと同じ部類に入るものだ、と私は確信している。だから、より人間的で、より高尚で、より芸術的で、より純粋な動機といって良いでしょうね。ただし、その実行を認めるわけにはいきません。それは、忘れないでね。」

    「答は簡単よ ー 私は、自分が殺されたくないからです。それ以外に理由はないわ。私は、もう少しやりたいことがあって、もう少し生きていたい、という極めて個人的な希望を持っているの。勝手で我儘だけど、そうなんだからしかたがないわ。つまり、それだけ。それだけなのよ。だから、その、美しいかもしれない殺人を、私は認めるわけにはいかないの。それは、私のエゴです。私が殺されたくないなら、みんなも殺さないで、という自分に都合の良いことを主張しているわけ。そのエゴが集まって、社会のルールを作っているだけのことなんだ。これは、正義でもなんでもないわ」

    『「今から、私の全快祝いで、飲みにいくところだったんですよ。しかも、私の奢りで。皆さん貧乏だから」
    「悔しいけど、そのとおり」練無が言う。
    「悔しくはありませんけど、そのとおりよ」紅子が言った。』

    「日本だけで一年に何万人もの人が自殺しています。事業に失敗して、受験に失敗して、恋愛に失敗して、人は自殺する。それはつまり、誰かが成功したからではありませんか? 人は人を蹴落として這い上がろうとする。良い成績を取り、良い業績を上げ、人より得をし、人よりも幸せになろうとする。それで、敗れた者のうち何人かは、死んでいく。そうじゃありませんか? だとしたら、僕らは誰だって、知らず知らずのうちに、間接的に他人を殺していることになる。誰も殺さないでいたいなら、勉強をしたり、仕事をしてはいけない。お金を儲けたり、得をしてはいけない。幸せになってはいけないことになる。戦争みたいな単純でわかりやすい人殺し以外にも、同じような殺し合いは、日常的に行われている。そうじゃありませんか?」

    「人類という種族が繁栄するために、仲間どうしの直接的な殺生を慎むようなルールを決めた。それはそれで合理的な考え方、つまりは、省エネルギィの一環として評価できます。モラルとか、そういう馬鹿みたいな価値観で論じようとは思いませんけどね」

    「沢山の固定観念が作られる。どんどんどんどん、その固定観念で人間は鈍化していく、それが、歳を取るってことだ。何故か? それが一番安全で、楽ちんだからです。人を殺すことは道徳的でない。年寄りはいたわるべきだ。友情は美しい。努力は報われる。こういうのって、いったい何でしょう? どこの誰が、こんな陳腐な法則を考え出したんでしょうね? 」

    「世の中には、テンプレートが必要なんです。定規がないと、線も引けない連中が多い。何かないと不安なんです。自由な思考、自由な価値を持つことが恐い。そんな連中で溢れているですよ」

    「僕は猫を殺した。それが現象であり、現実です。つまり、それがすべてなんです。そのとき、どんな気持ちで僕がそれをしたのか、それは僕の体内の、非常に局所的な一瞬の状況にしか過ぎません。いうなれば、そのとき、僕の髪の毛が立っていたかどうか、僕の唾液はどのくらい出ていたかってことくらいの意味しかないんです」
    「でも、それは重要なことじゃないかしら?」
    「いいえ、それは錯覚ですね」
    「貴方が、いたずらに猫を殺したのか、それとも、可哀想で見ていられない、苦しむのは短い方が良い、と判断して殺したのか。そのどちらなのかを聞くことは、少なくとも、私には重要なことです」
    「そう…、他人には、そして社会には、そんな理由が、何故か重要なんです。だけど、そんなもの、すべて偽善ですよね。作りものじゃありませんか? まったくナンセンスだ。僕には無関係です。僕には、影響しない。僕の精神、僕の思考は、そんな不確かなものの影響を受けたくない」

    「私にも、作って下さらない? 少し濃い目のが飲みたいわ。もうちょっと酔わないと駄目なの」
    「どうしてです?」
    「だって、これから、五人もの人間を殺したお話を、伺わなくちゃいけないんですもの」
    「人を殺した話? 誰からです?」
    「貴方からよ、保呂草さん」

    「そう、理由なんてありません。動機なんてないんです。だからこそ人間だ。僕は人間だ。違いますか? こんなことができる、それが、人間の証ではありませんか?」
    「その、人間の証に、何の価値がありますか?」

    「人を殺すには、それなりの理由がある、我慢ができない欲求なのだ、という幻想を社会は勝手に作り上げています。これは、とても興味深いシステムです。なんだって、そんな不思議なルールを考えついたのでしょうね?」
    「理由もなく殺されたら、困るからだわ」
    「でも、たとえ理由があっても、殺されたら、困るでしょう?」

    「固定観念で鈍化し麻痺すること、それが、僕の唯一恐れる対象です」

    「友情というのは、信頼できる友人がいる幸せな自分、それを思い描くための小道具に過ぎません。意図的にそう思い込ませている。うーん、つまりは、ドレスみたいなものですよ。それを着ると綺麗に見える、という思い込みです。共通認識、あるいは約束、といっても同じかな。他人に支配されたい人間、思考を停止したい人間たちの持つ馬鹿馬鹿しい価値観の一つです」

    「僕のことが、嫌いですか?」
    「ええ、残念ながら。私、貴方が大嫌い」

    「理屈を求めることが、あるときは、思考を狭めるのよ ー 最先端の自由な発想とは、理由も、言葉も、理論も、まだないところへ飛ぶことなの。そこへ飛躍できた人だけが、そのインスピレーションを掴むことができる。」

    『誰もが、その事件の不思議さに頭を悩ますことになるのだが、瀬在丸紅子だけは、きっと澄ました仕草で、世界中で彼女にしかできない笑顔を僅かに傾け、こう言うにきまっている。
    「あら、簡単なことよ」』

  • 密室のトリックは良い悪いは別にして、古典的な手法なのでバレ易いかなと思いました。ミッシング・リンクに関しては曖昧な動機だったので、あまり納得出来ませんでした。
    ただ、登場人物は魅力的だったので今後の展開が楽しみです。

  • クロネッカーデルタ。知ってる人は知っている。
    へっくんのお母様、瀬在丸紅子様と愉快な仲間たちのお話です。

  • 1年に1度決まったルールのもとで起こるゾロ目殺人事件。
    探偵・保呂草のもとへ舞い込む奇妙な依頼。
    6月6日、44歳になる女性が衆人環視の密室で殺された。
    テストでわざと答えを間違う嘘。
    殺人のマトリクス。
    黒猫のデルタが導くアンフェアな結末──。

    「地球儀のスライス」で登場した小鳥遊練無、香具山紫子と自称科学者・瀬在丸紅子が不可思議な殺人の謎に挑むVシリーズ第1作。
    ある意味無法地帯の阿漕荘。男の子なのにひらひらふわふわスカートが似合うれんちゃん……いいなー…いや、複雑だ(・・。)ゞ

  • 探偵が殺人事件を解決して行くストーリー。
    登場人物達の会話のテンポが良いのと、キャラがたっている。
    最初は登場人物の名前が奇抜過ぎて覚えられなかったところがマイナス。

  • 5 

    本書を読むずっと前に既に漫画版を読んでいた。面白かったので話の内容もほとんど覚えていた。『F』のときも漫画版を先に読んでいたが、ネタが割れても面白く感じるなんてこともあるんだなというのが新鮮だった。しかし、さすがに本書の場合、内容的に真相がわかっていてはそれほど楽しめないのではないかと思っていた。杞憂だった。新たな発見や巧妙な記述、漫画版との相違など、むしろ先に漫画版を読んでおいて良かったなと思えるほど楽しかった。とりわけ個性的なキャラクターたちが漫画版のビジュアル・イメージで再現されるのは非常に助かった。漫画版の出来の良さを改めて感じる。この著者は自作のコミカライズにとても恵まれている。

    これまでほぼ刊行順に読んできたが(本作以降の作品は未読)、本作は森作品としては至極まっとうで、極めて堅実で、割とオーソドックスな推理小説らしい推理小説だと感じる。魅力態な謎、真相にいたるまでの過程、論理的な推理、といった必須項目に加えて、それらを彩る個性的過ぎるキャラクターたち、言葉の遊び・思考の遊び、などが絶妙なバランスで結びついて森作品らしさを形作っている。(先行短編もあったが)新シリーズの幕開けに相応しい傑作と言える。

    作中の“動機論”は興味深い。本作の縦軸の一つとも言えるテーマだが、常日頃ミステリ(ィ)について考えていたことを、序盤で紅子がほぼ代弁してくれた。素敵だ。

    明かされない謎や、投げっぱなしのエピソードもあるが、それもまた良し。今後のネタ振りかもしれないし、何もないのかもしれない。しかしだ。この作品(シリーズ?)に登場するほにゃららは、ふにゃららなのではないか、と思われる描写があるのだがどうだろう。時代背景も微妙にあれだし。今後明かされる? 思い過ごし? 気になって仕方がない。

  • 「固定観念で鈍化し麻痺すること、それが、僕の唯一恐れる対象です」

  • やられました!!!


    Vシリーズをすでに何作か読んだ後に、
    この第一作を読んだせいか、犯人が出てきたときはかなり混乱しました。

    まさか!どういうこと???

    って思ったら、そういうわけだったのね。


    森さん、すごいよ・・・すごすぎる。


    見事にやられました。

    そう言われたら、読んでる途中、
    なんかいつものホロクサさんと気持ち雰囲気違うなー、って思ってたら。。。

    最後のホロクサさんになりきっていた理由が、
    ホロクサさんの名前だったとは、、、森さんもよく考えますな。

  • ある二人が群を抜いて強すぎて、こんな人いたら怖すぎる。謎かけもどちらかというと文系なので最後くらいしかわからなかった。。ただ最後の問いと会話は考えさせられます。正常な状態で理由なくひとを殺すひとが近くにいたら怖いし、存在だけでも脅威ですね。いや、実際いるんだろうけども、自覚はしたくないです。

  • 桜鳴六画邸で起きた密室殺人事件。キーワードはゾロ目。Vシリーズ1作め。
    好み。評判と違う印象をうけた。黒猫のデルタ、かわいい。

  • 再読。
    漫画版は何度読み返したかわからないくらい読んでいたが、小説版は多分3回め。

    小説版を読むと、漫画版では省略されていた部分の会話がスリリングで格好良いと思った。ただ、漫画版ではその中のエッセンスを取り出してポッと配置されていて、むしろこの最小限の会話で全てが成り立っているのが恐ろしく感じた。

  • ラスト知ってるけど、何回読んでも森博嗣にやられた~て気分になる作品。
    今回もやられた感あり!

  • 犀川先生のシリーズでも同じだったが、森氏の作品は世界観に馴染むのに時間がかかる。そのためなのか、本作ではなかなか本題が進まずにダラダラした印象を受けた。
    このまま終わってしまうかと思いきや、最後に反則ともいえる真相が。シリーズ作品と知っていたので、まさかこんな結末とは...
    次作以降が本番のはずなので、今後に期待しよう。

  • Vシリーズ第1弾

  • Vシリーズ一作目。"地球儀のスライス"を読了済みだったので、最初からサプライズがあり、一気に入り込めました。実は運悪くネタばれ(犯人の名前)をみてしまっていたので楽しめるか(かなり)不安でしたが、キャラの濃い人物たちや森先生特有の文章、トリックなどが面白く、十分に楽しめました。犯人の名を知っていても、ラストは驚きましたし。

  • Vシリーズ 1作目
    2013.3/6

  • 新シリーズなため
    登場人物の把握に手間取った。

    1作目にしてそうくるかい。

    ゾロ目ってなんか好き。

  • ついに読み始めた森先生のVシリーズの一作目。
    この前はSMシリーズをずっと読んでいたから、犀川先生たちのような今までのキャラが出てこないのは寂しい。
    が、しかし格好いいです紅子さん。この人四季シリーズに出てきた気がしたけど、黒猫の三角を読ん見終えても答え合わせはしなかった。
    もっとVシリーズを読み進めてからにしたかった。

    なんで人を殺してはいけないの?牛や虫は殺しても良いのに。意味もなく殺しても罪にならない。(まぁ最近はニュースで野良猫とか虐待、殺傷した人つかまってた気がするけど。執筆時携帯もないみたいだしね。2002年って小6くらいか)

    殺されたくないから、殺してはいけない。傷つけられたくないから、傷つけてはいけない。
    また読み直さなきゃ。(2013.1.9)

  • 友達に薦められて。
    はじめての森博嗣作品。
    本当は違うシリーズから読みたかったのだけれど、
    こっちを先に読んじゃいました。
    理系ミステリーとは聞いてたけど、まあ最後まで読めてよかった。
    シリーズ読み進めるのは私には難儀かも、、。

  • 騙された!

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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