マークスの山(下) (講談社文庫)

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  • 講談社
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本棚登録 : 3049
感想 : 257
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062734929

感想・レビュー・書評

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  • 合田雄一郎シリーズらしい。
    警察用語がやたらとでてくるので最初は戸惑ったが、犯人と刑事が繋がるまでの描写が細かく描かれ、いつ繋がるんだ?と思いながら読み進んだ。権力に抗おうと懸命にもがく刑事達を尻目に犯人は殺人を犯していく。
    MARKSの頭文字の5人達は自分が狙われる理由を理解できぬまま、戦々恐々としていく。結局、狙われた5人のうち二人が生き残り犯人は山頂で死んでしまうわけだが、MARKSの意味がわかってからの展開はいまいちな感じがした。結局、犯人が精神に異常をきたしていたから捕まえて自供させても面白くないと判断したのだろう。

  • 感想は上巻を参照
    ただ上下巻の長さを全く感じないミステリー

  • 「その“声”の主の名前は“マークス”と言うんだ」

    殺人鬼と殺人鬼を大切に思う女性
    殺人鬼と追われる者たち
    殺人鬼と警察

    ひとりの男性が「マークス」のより殺人鬼と化して
    様々な過去をあらわにしていく。

    自分の中に、もうひとりの別の人がいたら・・・?
    その声が自分を支配していったら・・・?
    白黒はっきりしない「グレー」な
    人間の精神面と社会について殺人鬼を通して
    語られているように感じます。
    そして、殺人鬼に関わるひとりの女性。
    この女性がいるからこそ
    この殺人鬼がただの殺人鬼でなくなるとも感じました。

    直木賞作品以上のおもしろさだと思います!
    一度は手にとって読むべき作品だと思います。

  • 高村薫は、異質な女性作家に思う。
    膨大な情報量を理路整然と配し、
    不必要な叙情的表現はなく、
    一定の距離があるからこそ、
    全体が見えて、
    かつかなり個人の深奥へと踏み込める。

    特に、本作品は。

  • ミステリーとして当然面白いのですが、いわゆる推理物でもハードボイルドでもなく、警察機構内部や検察等他組織との確執を描いた事が印象的。これ以降、それこそ踊る大捜査線等のドラマでも、この手のテーマは取り上げるようになっていますが、「踊る」は本書のパクリなのでは?と思っています。実際はどうか知らないですけどね。
    合田刑事シリーズはどれもそうですが、最後にバタバタと畳み掛けていくストーリーには引き込まれます。

  • 下巻では、テンポよく話が進み読んでいて爽快な気分になった。

    読後感として残ったのは、登場人物それぞれが思う山があるということだ。
    権力をバックとした秘密を共有する暁成大の面々、義弟との心の拠り所とする合田、以前登った光景を脳裏に焼き付いている水沢。
    今回舞台となった山は、各々の思いが交錯する格好の舞台だったと思う。

  • 最後の描写に、胸打たれました。
    この作品で、高村薫氏の作品を読むようになりました。

  • 上に記入済。警察小説おススメの本!!

  • (上)に続き、この本読まずして……

  • 作者の社会への諦念とあがきのようなものがかいま見れて、迫力のある作品でした。しかし解説者の解説文はいらない。
    マークスと山は、非社会、非合理性の象徴。しかしその社会から隔離された水沢マークスさえ、名を名乗るたびに社会の干渉を余儀なくされるのだと言うこと。水沢の二面性は社会と私生活の隔絶の象徴。頂上に登れなかったマークスはまた途中で奪い取られたのね。
    ところでハードカバーのときの表紙は、山とそれに手を伸ばす人の手じゃなかった?そっちのが好きだなあ。山の頂上には誰も登れていないのか…。

著者プロフィール

●高村薫……1953年、大阪に生まれ。国際基督教大学を卒業。商社勤務をへて、1990年『黄金を抱いて翔べ』で第3回日本推理サスペンス大賞を受賞。93年『リヴィエラを撃て』(新潮文庫)で日本推理作家協会賞、『マークスの山』(講談社文庫)で直木賞を受賞。著書に『レディ・ジョーカー』『神の火』『照柿』(以上、新潮文庫)などがある。

「2014年 『日本人の度量 3・11で「生まれ直す」ための覚悟』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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